大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

血界と封印

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頭への過負荷のせいって事か?
それなら俺もたまに膨大な情報をかき集める時とかに頭が痛んだりはするけど…昔、それを無視してやり続けたら気絶もしたけど、そん時はその場ですぐ落ちたから、それはなんかちょい違わねぇ?
あと、亡霊とか血界程度で頭がオーバーフロー起こすもんなの?
『言っただろ。緋眼が中途半端に作用してた、って。本来、緋眼がすべき作用は、情報の効率化、取捨選択、補完、鋭敏化だ』
…多いな。
『多いが、あくまで視覚限定だからな。触覚は少しだけカバーできるが、聴覚は全くカバー出来ん。…で、話を戻すぞ』
おう、悪ぃ。
『その緋眼が、一部活動してなかった。活動してる所もほんの少しだけだったし。特に、取捨選択とか効率化とか、その辺りに至っては情報を単にブロックしてるだけ、っていう中途半端な状態だった』
…つまり、戦闘が終わって緋眼が解除された瞬間に膨大な情報が俺の頭に殺到して、俺の頭が限界になったのね。
『勿論、怪我が原因の一部ではある。が、大部分がこれのせいかな。特に、血界や亡霊を起こすのも馬鹿みたいに複雑なんだ。だからこその緋眼で、緋眼が発動してないと亡霊も基本的に出てこようとはしない。問題は、それが中途半端に発動しててこっちからは発動してると思い込んでた事だが…』
なるほど。

『…ん?』
それはわかった。残りの問題だ。
お前がそこそこ長い間姿を見せてなかった理由。
それの理由は?
『……亡霊とその記憶を、封印してきた』
「あん?」
『お前の頭の容量、その大部分を食っているのが何かわかるか?亡霊達とその記憶だ。いつもは無意識にでも見ない様にしてるんだろうが、今回の一件でそれなりに強く今代のと結びついてしまったからな。今後、亡霊を呼び出したり、過去の記憶は引っ張り出せないと思っててくれ』
「…それは…流石になぁ…」
何気に結構ハードだな。
特に対人戦の記憶が惜しい。
頭の中をひっくり返してみるが、確かに記憶がごっそり無くなっている。俺の記憶…と、ナナキの記憶だけか。
あぁ、ナナキの記憶は勇者の力は関係なく俺に組み込まれたからか。
『すまない。本当にすまない。こうでもしないと、お前が記憶に飲み込まれる可能性があった』
まぁ、お前もそうでもないとこんなことしねぇわな。
まぁ、過ぎたことは仕方がないし、シャルも頑張ってくれたんだろうし…いいよ。
『まぁ、代わりにというかなんと言うか、今代のは血界を使うための容量が増えた訳だ。訓練すれば第四血界か第五血界を扱えるのは堅いな。もっとも、それ以上となると才能がどうしても必要になるからな』
と、そんな嬉しいのか嬉しくないのか分からない一言を貰ったところで。
──シュカッ。
「ん、来たか」
『なんだそれ?』
何って…。
矢文である。
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