大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

報告と方針

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「つっても俺はまぁ、皆無。理由は察してくれ」
早くも微妙な雰囲気になったが、サクサク行こうか。
時間がもったいないので。
「次!アーネ!」
「えっ!?私ですの!?」
お前以外にアーネって名前の奴、ここにいねぇだろ。
ほら、はーやーくー。
「ええと、私の方も特に…強いていうなら、住民から指名手配犯が戻ってきて不安だ、という話と、今年も豊作になりそうで何よりだ、家畜が最近おびえている、シャーさんの家の馬が子供を産んだ、最近、物価が上がっていて生活が厳しくなりそうだ、みたいな話ですわねぇ…」
「ほとんどオバチャンの雑談じゃねぇか…」
てか、シャーさんって誰だよ。馬が子供を産んだ?だから何。
「貴女がとにかく何でも聞いてこいって言ったんじゃありませんの!」
「報告は多少取捨選択しろ!…次、ニケ」
「はいっ!…とは言っても僕も大差ないんですがね!」
鎧に括りつけてあったポーチから紙を二、三枚取り出し、読み上げていく。
「えっと、ポンテさんの店で新しい麺のメニューが出来そうだ、魔獣の襲撃が例年より多くて少し怖い、元指名手配犯が意外と可愛いらしい、今年は何やら麦を使った新しい飲み物が出来そうだ、シャーさんの牛が子牛を産んだ、気のせいか家畜が減った気がする、などですね!」
「ツッコミどころ満載なんだが!」
またか!シャーさん!馬の次は牛か!この都市は基本的に麦が主流じゃなかったのか!
そして誰だ!元指名手配犯が可愛いとか抜かした奴!見つけたらぶった斬ってやらァ!!
「あとは」
「アァン!?」
若干ブチギレモードに突入し、今すぐにでも銀剣を引っ掴んで外へ出ていこうかと思ったが、すんでのところで止まった。
、との事でした」
「「!!」」
もしかしたら、当たりを引いた?
「ニケ、そいつを見た辺りはどこだ?」
「そ、それが…」
ん?なんで口ごもる。
「そこらかしこなんです」
「はぁ?」
「なんですの?つまり、、ということですの?」
「はい。それも、一晩で複数人見たという情報も…」
「…相手のスキルは分身系…もしくは増殖系、って事か?」
「そうなんじゃないですの?確か、学校長先生曰く、生徒は一人だけのはずですわよね?」
「だよなぁ…」
仮にそうだとしたら。
「…本体を探さなきゃならなくなる、なぁ」
「そもそも目的は何なんでしょうか?どうやら報告を聞く限り、一週間ほど前から始まったようですが…」
話し合いをしていき、夜はどんどん深くなっていった。
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