大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

奇襲と暗転

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えーっと、待って。状況に頭が追いついてないから。
ハナっから確認してくぞぉ?いいかぁ?
一夜明けて朝。
昨日はどうせ明日学校行けば──なんて思ってたけど、よく考えれば今日は休みだったんだよ。
で、昨日の夜みたいに向こうから来てくれれば楽なんだが、そう行かねぇよなぁ…と。
そう思いながら部屋から出て、アーネと飯を食いに行こうとしたら、ユーリアとばったり会ったのでそのまま一緒に食堂に行くことになって。
「あ、すまない。レィア」
「ん?どした?」
「私の愛剣を部屋に置いてきてしまった。少し取ってくるから先に場所を取っておいてくれないか?」
「別に構わんぞ。さっさと行ってこい」
……行くことになったが、即座に別れた。
まぁ、そんな訳でアーネと一緒に場所取って待ってた訳だ。
んで、取り敢えず今日のメニューを取ってきて後はユーリアが来るのを待つだけ、ユーリア遅ぇなぁ、って話をアーネと話してて。
そしたら急に。
「あ、あそ──」
って声が結構遠くで聞こえた直後に、次は。
「お前か」
って声が結構近くで…というか耳元で聞こえて。
なんかよく分からんけど対面に座ってたアーネのかなり驚いた表情と青い顔色見て、なーんか、なーーーーんかヤバイなぁ、って思った途端。
とんでもない勢いで襟元引っ張られて、そのまま引きずられていったっぽいってのはわかった。
が、しかし。
ねぇ、知ってるよね?襟元って全力で引っ張られると首絞まるんだよ?
ってな訳で可及的速やかに俺の意識がブラックアウトしたから実はどんな道を通ってどこへ来たのかさっぱり分からん。
以上、回想(?)終了。ちなみに走馬灯とか三途の川は見えなかった。
周りを見てみるが、特に見覚えが無いので何の部屋かさっぱり分からないし、誰もいない。
見た感じ、ひたっすら広い部屋って感じ。広さ的に言うなら、俺達がよく使う訓練所とほとんど同じ広さか、それより広いぐらいか。そのド真ん中に転がされてる俺。
正面に門みたいなデカイ扉がドン、と鎮座してるが、まずはコッチ。
何故か後ろに手を回されて縛られているので、取り敢えず上半身を起こし、髪を使ってほどこうと…ほどこうと……あれ?
「ん……?お……?え…?」
『よぉ、また面白そうな事になってんじゃねぇの?今代の』
ちょいシャル、俺の手、今どうなってる?
『あぁ?んー…んー?何この縄』
どうなってる?
『なんてーか、繋ぎ目がねぇな。これ、どうやって縛ったんだ?』
やっぱりかー。さて、どうしたもんか。
そう思ってたら。
やけに大きな音を立てて正面のクソでかい扉が開いた。
タイミングからして、俺をここに放り込んだ主犯かね?
さて、その扉の向こうには──。
昨日の小便女と。
見たことない程艶やかな深い青色の髪をもった男。
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