289 / 2,022
本編
鵺と戦闘
しおりを挟む
そうだ、言いかけてた事があったな。
昨日の鵺の話。
いや、言いかけて途中なのって気持ち悪いじゃん?
キマイラより筋力や頑丈さなどは劣るものの、成人男性なら多分、爪を一振りするだけで輪切りになる怪力。
さらに、非常に俊敏である上に、毒袋と呼ばれる毒を貯め、吐き出すための器官が喉の奥に隠されており、そのブレスは一度吸えば意識の混濁、二度吸えば呼吸困難、そして三度吸えばそのままデッドエンド。とまぁ非常に強力な毒であり、ついでに言うなら燃えやすい。そりゃもう。具体的に、火花散れば一発で大炎上間違いなしなぐらい。
けどまぁ、単体なら大したことは無い。
確かにその爪は脅威だが…その爪なんかより切れる剣がある。
確かにその毒は脅威だが…その毒なんかより強力な戦技がある。
てな訳で、結界の外の魔獣としてのランクは単体だとそこまで大したことは無い。…いや、内側と比べたら圧倒的に強いよ?
まぁ、単体なら。
さてさて皆様、そろそろお気づきだろう。
俺の訓練相手は鵺である。
ただし………五体同時に。
そもそも、鵺ってのは特に強い個体をリーダーとして集団で生息してんだよ。だから、倒す時は大概はぐれた個体を狙って潰すか、各個撃破が理想。ってか基本。
多分、昨日、アーネ達がやったのはそれを想定された訓練だろうし。
つまり、何が言いたいかってーと。
「群れで倒す必要無くねぇぇぇぇ!?」
そゆことです、はい。
『手伝おうか?』
「要らんッ!!」
真っ正面から突っ込んでくる鵺を、銀剣で防ぎ、上へ逸らせる。
何とか成功し、相手の奇襲を凌いだ。
「あっぶねぇ…危うくやられる所だった…」
だってよ。
檻が五つあって、一週間分のメニューですって言われてみたら、普通は五種類五体分の魔獣がいると思わねぇ?
全部同じ魔獣で、しかも同時にとか思わねぇよ。
『その割には余裕そうだな』
まぁな。
五匹の鵺による十爪五牙の舞。
疾く、鋭く、正確で、致命的な死の舞。
牙が喉元を狙い、爪が腹を狙いつつ、別の個体は地を這いながら両足を狙った爪を繰り出す。
しかし。
「………ッ」
俺は軽く跳ね、身体を捻り、横へ倒す。
それだけで、頭を狙った個体の喉が見え、爪を空ぶったことにより、腹も丸見えになった。
まずは…一体。
「《煌覇》」
振り抜かれた銀剣が戦技の発動に反応して、ロックが強制解除。同時に紅い光を辺りに撒き散らしながら、俺の眼前の鵺の腹に突き刺さる。
『ーーーーーーーーーーッ!?』
凄まじい悲鳴を上げながらぶっ飛ぶ鵺。
銀剣に殺傷能力はない。が、それが加速しながら柔い腹に突き刺さり…そのまま天井にぶつかってもそのまま進もうとすれば当然…。
当然、貫く。
ほかの個体も呆気に取られたか、死の舞は一時的に止まる。
『へぇ、やるじゃん』
シャルの声が無駄によく響いた。
あと四体か。
昨日の鵺の話。
いや、言いかけて途中なのって気持ち悪いじゃん?
キマイラより筋力や頑丈さなどは劣るものの、成人男性なら多分、爪を一振りするだけで輪切りになる怪力。
さらに、非常に俊敏である上に、毒袋と呼ばれる毒を貯め、吐き出すための器官が喉の奥に隠されており、そのブレスは一度吸えば意識の混濁、二度吸えば呼吸困難、そして三度吸えばそのままデッドエンド。とまぁ非常に強力な毒であり、ついでに言うなら燃えやすい。そりゃもう。具体的に、火花散れば一発で大炎上間違いなしなぐらい。
けどまぁ、単体なら大したことは無い。
確かにその爪は脅威だが…その爪なんかより切れる剣がある。
確かにその毒は脅威だが…その毒なんかより強力な戦技がある。
てな訳で、結界の外の魔獣としてのランクは単体だとそこまで大したことは無い。…いや、内側と比べたら圧倒的に強いよ?
まぁ、単体なら。
さてさて皆様、そろそろお気づきだろう。
俺の訓練相手は鵺である。
ただし………五体同時に。
そもそも、鵺ってのは特に強い個体をリーダーとして集団で生息してんだよ。だから、倒す時は大概はぐれた個体を狙って潰すか、各個撃破が理想。ってか基本。
多分、昨日、アーネ達がやったのはそれを想定された訓練だろうし。
つまり、何が言いたいかってーと。
「群れで倒す必要無くねぇぇぇぇ!?」
そゆことです、はい。
『手伝おうか?』
「要らんッ!!」
真っ正面から突っ込んでくる鵺を、銀剣で防ぎ、上へ逸らせる。
何とか成功し、相手の奇襲を凌いだ。
「あっぶねぇ…危うくやられる所だった…」
だってよ。
檻が五つあって、一週間分のメニューですって言われてみたら、普通は五種類五体分の魔獣がいると思わねぇ?
全部同じ魔獣で、しかも同時にとか思わねぇよ。
『その割には余裕そうだな』
まぁな。
五匹の鵺による十爪五牙の舞。
疾く、鋭く、正確で、致命的な死の舞。
牙が喉元を狙い、爪が腹を狙いつつ、別の個体は地を這いながら両足を狙った爪を繰り出す。
しかし。
「………ッ」
俺は軽く跳ね、身体を捻り、横へ倒す。
それだけで、頭を狙った個体の喉が見え、爪を空ぶったことにより、腹も丸見えになった。
まずは…一体。
「《煌覇》」
振り抜かれた銀剣が戦技の発動に反応して、ロックが強制解除。同時に紅い光を辺りに撒き散らしながら、俺の眼前の鵺の腹に突き刺さる。
『ーーーーーーーーーーッ!?』
凄まじい悲鳴を上げながらぶっ飛ぶ鵺。
銀剣に殺傷能力はない。が、それが加速しながら柔い腹に突き刺さり…そのまま天井にぶつかってもそのまま進もうとすれば当然…。
当然、貫く。
ほかの個体も呆気に取られたか、死の舞は一時的に止まる。
『へぇ、やるじゃん』
シャルの声が無駄によく響いた。
あと四体か。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
233
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる