大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

二つ名持ちと仲

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二人の話を聞くと、やはりというか何と言うか。
いや、やっぱりか。
ともかく、内容としては派閥の事。
正直、俺からしたらどうでもいい。
もう、心底どうでもいい。
そもそも俺の目的は、聖女サマを守る唯一無二の英雄になる事。
まぁ、二つ目の目的として、ナナキが願っていた聖女サマなんて必要ない世界を作りたいとも思っているが。
その過程で、こんな面倒な二つ名の派閥とか、どうでもいいとか思うよな。
ちなみに、聖女サマがこの学校から英雄を選ぶ時、まず卒業生からチェックして、ほとんどはそこから引っこ抜かれる。けど、よっぽどの事情があったり、聖女サマが不適格と判断した場合、在学中にも英雄になる例が極わずかだが存在する。
その際、やはり目にするのは名前や武器などではなく、実績と二つ名。
という事は、俺の実績は…命令無視もあったが、中々のものだし、二つ名も持ってる。加えて、ある程度の面識もあるから、万が一が起きた場合は英雄に選ばれる可能性は少しだけ他より高い。
…そう思う。多分。
いやね?《勇者》とか《雷光》に《逆鱗》。
コイツらを調べれば調べるほど訳のわからない実績が腐るほど出る。
え、何。
《勇者》、お前って二年生の時に単騎で魔族を倒したの?それも、三対一で?て言うかどんな状況だよ。
《雷光》、流石に魔獣千匹切り刻むとか正気疑うわ。しかも魔法使ってないんだろ?
《逆鱗》、お前って大貴族な上に百年に一人の天才って言われてんの?て言うか、ユーリアもだけど、大貴族ってそんなにポンポンここに来ちゃっていいの?
…まぁ、伝説(?)はこれじゃ終わらないぐらいまだまだあったが、流石に割愛させてもらう。
流石聖学のスリートップって所か。
ん?《臨界点》と《不動荒野》?まぁ、ソコソコというか、まぁ普通。
というか、《臨界点》は情報が少なすぎる。目撃者が少なく、当事者も少ない。
その癖みんなが皆口を閉ざすんだから話にならねぇ。
ちなみに派閥の関係で各二つ名持ち達はそれぞれ対立している派閥同士で嫌いあっているが、《勇者》だけは他の派閥の二つ名持ちを嫌ってはないらしい。
この辺りは流石《勇者》とでも言うべきだろうか。
ただ、《勇者》と《逆鱗》の二人は仲がかなり悪いらしく、クラスが同じだったが、顔を合わせる度に激戦となるため、《逆鱗》だけ個別クラスとなっているという話も小耳に挟んだ。
…まぁ実際は《逆鱗》が一人で嫌ってるらしいが。
という訳で、猫こと《キャット・シー》と犬こと《シェパード》、その確執もかなり深く広いものがある。
さて、なんでまたこんな話をしてるのかと言うと。
「私達が」「先に話してたんだけど?」
「それはすまんな。何せ小さすぎて見えなかったものでな」
《勇者》&《雷光》VS《不動荒野》
朝食が非常に、非ッ常に不味くなりそうなカードが揃った。
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