大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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「詳しくはそちらの紙面を見てください。あなたの活躍を期待していますよ」
と、紙を一枚渡され、帰っていいと言われたのでとりあえず学長室を出る。
そういや、もうそんな季節だっけ?と思って日付を確認すると、五月一日となっていた。
あぁそうか、もう五月か。そりゃ南下も始まるわな。
一年生の時、最初の関門として五月に入ってすぐの頃に、組まれたチームで結界の外に出て帰ってくるというミッションがあったのを思い出す。懐かしい。
もっとも、俺はアーネ誘拐事件のアレソレと同時期に起こったので、本来の南下はしてないのだが。
にしても──と、渡された紙を見る。
そこには予定日と日程、今回の目的及び目標、俺にして欲しいことなどがかなり細かく書いてある。
まずは予定日だが、驚くことに明後日から四日から五日間である。もうちょい早くなんか言ってくれよ、学校長。
まぁ、あの書類の山見りゃその余裕が無かったって言う可能性もあるか。
過ぎたことは仕方ないし、大した用意もないだろうし別にいいか。
続いて今回の目的と目標。新一年生、十五人の三チームの成長度チェック。今後も聖学でやって行けるかどうかのふるい落としか。
目標は…大型の魔獣の首ひとつ以上か。いくら五人組でも結構大変な課題だな。俺がやる訳じゃないから別にいいんだけど。
で、学校長が俺にお願いしたい事は、まずこの三チームに見つからない事。次いでチームを跨いでの協力などがないようにする事、そしてどんな事があっても決して手出しをしない事、との事だ。
最後に付け加えて、その三チームを見て思った事があるなら、帰ってきてから報告をして欲しいとの事。
これ俺である必要なくね?とか思ったが、まぁ多分、結界の外にいても問題のないような生徒が選ばれているのだろう。アーネを連れていくと言った時も、少し考えて「実力は確かですね?」と本人の腕を確認してきたし。
と言うか、今更だが本人の了承を得ずにアーネを連れてくことになったけど大丈夫かな。
………まぁ、最悪無理だったら別のヤツに頼めばいいか。ユーリア…は、拒否ったから無理だろ?クアイちゃんは南下で無理、リーザは…どうだろう、わざわざ一週間近く潰して危険な結界の外へすすんで来てくれるだろうか。あとはラウクムくん…は学校辞めちゃったし、《雷光》は別任務、シエルは一週間も学校を休んだら授業について行けなくなるだろうからこれも却下…
あれ?意外とヤバい?
アーネに了承してもらえるだろうか。して貰えなかったら…ま、一人でなんとかするしかないか。
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