1,234 / 2,022
本編
例えと世界3
しおりを挟む
「つーかよぉ、レイヴァー」
『うん?なんだいレィア君』
ふと、今疑問に思ったことをそのまま聞いてみる。
「お前さ、さっき『デザインした神が違うから混血は生まれない』って言ってたじゃん?あれってヒトと魔族もだよな?」
『もちろん。ウチの三神と魔族の神は別だからな。ちなみに、魔族の神は一柱、機人の神は二柱いたみたいだな』
「…ん?なんで分かるんだ?」
『特殊ユニットの数とその種の神の数が同じだからだ。ヒトだとグルーマルの加護を得た《王》、ヴェナムの力を継いだ《勇者》、システナの力によって生み出された《聖女》の三つだ。同様に、魔族は《魔王》と言う特殊ユニットが。機人には比翼の剣である《連》と《理》が与えられていた』
「え、金剣と銀剣ってそんなモンだったのか?」
『なんだ、知らなかったのか?
まぁでも、その機人の神も消えて、今は単なる異常な力を持った剣ってだけになってるがな。なぁシャルレーゼ?』
『ん、あぁ。今も凄い剣ってのに変わりはないが、昔は本質的にそこじゃなかったしな』
へぇ…後でナナキの記憶を漁ってみようか。少し気になる…じゃなくて。
「話が思いっきり脱線してた。そうじゃなくて、魔族とヒトとの混血ってのは出来ないんだな?」
『あぁ。さっきも説明したし、今もレィア君自身が言ったが、デザインしてる存在が違うからね。同種じゃないと子は出来ないよ』
「でも俺、魔族とヒトとのハーフを知ってるんだけど」
そう言うと、シャルが『あぁ』と思い出したように呟くのが聞こえた。
『はっはっは…は?それマジ?』
「あれ、レイヴァーってシエルに会ったこと無かったっけ?ほら、まだ幼くて白髪に黒っぽい肌の…」
『………。』
「レイヴァー?」
『黙っちまった。なんか考えてるらしい』
と、シャルが伝える。
「と言うか、勇者だったんならシャルもそう言えよ。シエルがおかしいって」
『生憎と、そんな事考えたことも知ろうとしたこともなかったんでな。俺もついさっき混血が出来ないって事を知ったぐらいだ』
狭間についちゃ結構詳しいくせに、そっちにゃ疎いのか。
『なぁレィア君、その…シエルって子だっけ?本当に魔族とヒトとの混血か?』
「あ?」
言われれば、シエルは魔族の血が入っているのは確かだが…残りはなんの血が入っているのかと聞かれて断言は出来ない。
が、普通に考えて、魔族と子を作ると言う行為を行えるのは、あの状況を見てほぼ間違いなくヒト…それも貴族であった妖精種のヒトだ。
「少なくとも魔族と何かの混じりものだってのは確かだ。当時の状況を考えたら、多分魔族ととヒト…それも妖精種との混血になる」
『妖精種…妖精種…可能性があるとしたらそっちか?んー、間違いなく魔族なんだな?』
「《勇者》としての感覚がそう言ってるんだ。間違いないだろ」
『《勇者》としての感覚ねぇ…正直、何世代も渡っちゃってるから、君の血って俺の時と比べると何百倍も薄くなっちゃってるからなぁ…』
「薄まる?《勇者》の力が?」
『そりゃそうよ。《勇者》の力は、シャルレーゼの時点で限界だった。彼女が最後の勇者だと誰もが思ってたよ。だから君は《番外個体》。畜生神の気まぐれか、世界の意思か、はたまた本物の奇跡か。いや、奇跡は無いな。なんにせよ、本来なら存在しなかった、有り得ざる存在が君だ……あれ?言ってなかったっけ?』
言ってねぇよ。初耳だ。
『うん?なんだいレィア君』
ふと、今疑問に思ったことをそのまま聞いてみる。
「お前さ、さっき『デザインした神が違うから混血は生まれない』って言ってたじゃん?あれってヒトと魔族もだよな?」
『もちろん。ウチの三神と魔族の神は別だからな。ちなみに、魔族の神は一柱、機人の神は二柱いたみたいだな』
「…ん?なんで分かるんだ?」
『特殊ユニットの数とその種の神の数が同じだからだ。ヒトだとグルーマルの加護を得た《王》、ヴェナムの力を継いだ《勇者》、システナの力によって生み出された《聖女》の三つだ。同様に、魔族は《魔王》と言う特殊ユニットが。機人には比翼の剣である《連》と《理》が与えられていた』
「え、金剣と銀剣ってそんなモンだったのか?」
『なんだ、知らなかったのか?
まぁでも、その機人の神も消えて、今は単なる異常な力を持った剣ってだけになってるがな。なぁシャルレーゼ?』
『ん、あぁ。今も凄い剣ってのに変わりはないが、昔は本質的にそこじゃなかったしな』
へぇ…後でナナキの記憶を漁ってみようか。少し気になる…じゃなくて。
「話が思いっきり脱線してた。そうじゃなくて、魔族とヒトとの混血ってのは出来ないんだな?」
『あぁ。さっきも説明したし、今もレィア君自身が言ったが、デザインしてる存在が違うからね。同種じゃないと子は出来ないよ』
「でも俺、魔族とヒトとのハーフを知ってるんだけど」
そう言うと、シャルが『あぁ』と思い出したように呟くのが聞こえた。
『はっはっは…は?それマジ?』
「あれ、レイヴァーってシエルに会ったこと無かったっけ?ほら、まだ幼くて白髪に黒っぽい肌の…」
『………。』
「レイヴァー?」
『黙っちまった。なんか考えてるらしい』
と、シャルが伝える。
「と言うか、勇者だったんならシャルもそう言えよ。シエルがおかしいって」
『生憎と、そんな事考えたことも知ろうとしたこともなかったんでな。俺もついさっき混血が出来ないって事を知ったぐらいだ』
狭間についちゃ結構詳しいくせに、そっちにゃ疎いのか。
『なぁレィア君、その…シエルって子だっけ?本当に魔族とヒトとの混血か?』
「あ?」
言われれば、シエルは魔族の血が入っているのは確かだが…残りはなんの血が入っているのかと聞かれて断言は出来ない。
が、普通に考えて、魔族と子を作ると言う行為を行えるのは、あの状況を見てほぼ間違いなくヒト…それも貴族であった妖精種のヒトだ。
「少なくとも魔族と何かの混じりものだってのは確かだ。当時の状況を考えたら、多分魔族ととヒト…それも妖精種との混血になる」
『妖精種…妖精種…可能性があるとしたらそっちか?んー、間違いなく魔族なんだな?』
「《勇者》としての感覚がそう言ってるんだ。間違いないだろ」
『《勇者》としての感覚ねぇ…正直、何世代も渡っちゃってるから、君の血って俺の時と比べると何百倍も薄くなっちゃってるからなぁ…』
「薄まる?《勇者》の力が?」
『そりゃそうよ。《勇者》の力は、シャルレーゼの時点で限界だった。彼女が最後の勇者だと誰もが思ってたよ。だから君は《番外個体》。畜生神の気まぐれか、世界の意思か、はたまた本物の奇跡か。いや、奇跡は無いな。なんにせよ、本来なら存在しなかった、有り得ざる存在が君だ……あれ?言ってなかったっけ?』
言ってねぇよ。初耳だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
233
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる