大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

二日目と放送

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一日目にして数が減ったとは言え、ポツポツと挑戦者は来た。
ただ、やっぱり旧一年クラスの生徒だったな。諦め半分で…というか諦め九割ぐらいで突っ込んできて、俺が適当に銀剣をぶん回したらそれで大概終わる感じ。
なんで諦めてるのに俺に挑んで来るんだろうな。
ちなみに、俺に旧一年の人が挑む割合が高いのは、ラウクムくん曰く、『力が認められさえすれば、上のクラスに上がれるからね。だから早く君を倒して、学校側に力量を示したかったんだと思うよ。…もっとも、全員玉砕してるみたいだけどね』との事。
ついでに、ラウクムくんはいいのかと聞いたら、笑いながら『勝てるわけが無いからね』と返ってきた。
そんな訳で、一日目は殆ど苦戦することも無く、怪我もなく終わり、ぐっすりと眠ることが出来た。
強いて言うなら、あんなに連戦したのは鍵戦争以来だったから、かなり疲れたって事ぐらいだろうか。
さて、二日目。
いつも通りにアーネを起こし、朝飯を食って学校へ。
学校の校門をくぐる頃、ちょうど一日前に聞いた、校内放送のチャイムが鳴り、現在の二つ名候補者とかは誰か、って事を放送で流してた。ちなみに声は学校長ではなく誰か、もっと若い女…女子のもの。
《やあやあ諸君!おはよう!学校長に代わってこの私、アイクスナール・キュリーが残りの放送をやらせてもらうよ!えーっと、わざわざ学校長から指定されたこの原稿にある情報によるとー……ふむふむ、昨日だけで十八枚のチケットが切られたみたいだね!んー、一日目にしては、何かいつもより人数少ないねー。個人名は長いし面倒だから省くけど、みんながみんな、見事にこの一年生に玉砕してるねー!…ははっ!うわ、マスラーくん負けてるじゃん!あんなに『余裕だ!三秒で倒してやろう!』とか言ってたのに?うっわー、ざまぁないね!え?脱線しすぎ?ゴメンゴメン!と言うことで、二日目に突入した二つ名争奪戦、未だ保持者はレィア・シ…え?この子、こっちの原稿に男って書いてあるけど…間違い?だよね?《姫騎士》だもんね?まぁいっか。レィア・シィルちゃん!二つ名も未だ変更申請はないので、このまま《姫騎士》!さぁみんな、張り切っていこー!》
…なんだろう。放送という、一方的な伝達だったが、それにしてはあまりにあまりな放送…。
雪崩のように怒涛の勢いで喋り散らした後、ガッツリ間違った情報をばら撒きやがって…。
朝から寝込みたくなったが、残念ながらそれも出来ない。
まぁ、一日寝て、体力も結構回復したので、さぁさぁ誰でもかかって来いやバッチコイ!と言った感じだったのだが…。
「誰も来ねぇな」
「誰も来ませんわね」
なんと驚き。
午前中に誰も来ないどころか、午後にも誰も来なかった。
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