大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

朝イチと了承

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そんな訳でその日は特にこれと言ったことも無くそのまま過ぎた。
強いて挙げるなら、事務員さんにお願いして、毎晩同じ時間帯なら一時間だけ訓練所を貸してくれるって約束したぐらいかな?
まぁ、そんな事は些細なこと。
学校に着いた俺が向かったのは職員室。
先生に学校始まる前に誰にしたか決めろって言われたからな。
急いで来たんだが…。
「誰もいねぇじゃん」
いつもなら、オードラルとクードラルの双子先生以外に、戦術の先生やら礼儀作法の先生、あとは二、三年の先生とかもいるんだが、誰一人としていない。
何故だ。
「おや?そこの髪の毛の長い人影はもしかしてシィルさんですか?」
ん?誰?
そう思いながら振り返ると、音もなくクードラル先生が後ろに立ってた。
「良かった良かった。学校始まる前にメンバー決めて職員室ここに来いって昨日オードラル先生に言われたから言われた通り来たけど、誰もいなくって焦ったよ。先生でもいいんだよな?」
「え、えぇ、まぁ確かに私でもいいですが、早く学校に来すぎでは?」
先生が壁に立てかけてある時計を見ると、時刻はまだ六時。
「学校始まる前に来いって言ったのはどこのどいつだ?俺は時間通りに来てやっただけだぞぅ」
適当にそう切り返しつつ、懐に入れていたカードを取り出し、確認のために唇の端を噛み切り、血を軽く塗って一度起動する。
出てきたのは、狙ったカードのリーザ・ヒラム。
確認も済んだので、『コイツを一班俺達に入れる』という意味合いを込めて先生に放り投げる。
「そいつが新メンバーって事でいいか?」
ちなみに拒否権はない。
個人的に、この子がクアイちゃんの友達なんだったら、ナタリさんの替わり…はちょっと失礼か?まぁ、それに近いものになってくれる事を期待していたりする。
「えーっと、リーザ・ヒラムさんですね、わかりました。今はまだ寝ていると思いますので、朝のホームルームが終わった頃に迎えに行ってあげてください」
「了解。どこにいるんだ?」
「多分、この下の階の貴賓室で寝泊りしていると思いますよ」
ちなみに職員室は二階。その真下に先生の言ってた貴賓室はある。
「ふーん。あ、そうだ。残りのカードはどうするんだ?」
三枚分、四班に流れる分だな。
「そのカードも回収しますね」
先生に寄越せと言われたので、そのまま返却する。
さて、用事も終わったのでとりあえず。
「それじゃ、俺は朝食まだなんで一旦戻るな」
「なんでそんなに早く来たんですか…」
そりゃ当然、アンタらに言われたからだけど?
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