大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

貴族と王族

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ヒト種のトップ、この国の王様は、しがらみやら何やらでおおっぴらに剣とかを振り回せないらしい。
なんかまだ戦争が活発に行われていた時からの話らしいが、まぁそこは脳味噌が理解を拒否したため、割愛といこう。
で、そんな王様のためにいる貴族のツートップがグランデンジークとゼヴァルナアークって名前の貴族の家らしい。
この両家は主として仕える王家からの命令のみに云々かんぬん…。
まぁつまり、まとめると、王様直属の部下って話らしい。
「で?それが?」
「その家の娘がこの学校にいる事が緊急事態なんですのよ!」
…?
「すまん、学のない俺にわかるように説明してくれ。学校ぐらい来たっていいだろ?別に」
「確かに学校程度、あの大貴族は費用の掛からないこの学校じゃなくても腐るほどありますものね。問題はこの学校に来たからですわよ」
「…結論どーぞ」
「王族の剣がなぜ聖女の英雄護衛を育成する学校にいるか、ですわ」
…………あー、わかった。
「詰まるところ、普通に考えたらこの学校は一番来ちゃダメなところなんだな。…あれ、でも待て?聖女サマを護る王族を護ると考えれば…?」
かなり前の話だが、聖女サマを護る英雄の割り方を教えたと思う。
王族、この学校出身、冒険ギルドの最優秀者
それぞれ、一人、二人、二人の人数で出るから、その王族を護ったっておかしくないのでは…?
「そういう王族は、大概三男以下どころの騒ぎではない程下ですの。言い方を変えると、王位継承権が最も低い者、ですわね。…今の王族は少し事情が違いますけど…」
ふむ、最後の一言は少し気にならんでもないが、今はその話じゃないからスルーだな。
「じゃあなんでだよ」
「私が聞いてるんですの!ホントに別人じゃありませんの!?」
そう言われてもなぁ…。
「本人はそう名乗ってたし、見た目とか特徴もさっき言った通りだ。確認は…あぁ、ラウクムにでも取ればいいんじゃね?」
あいつもその場にいたしな。
「ラウクムさんの部屋番号は!?」
目ぇ血走ってんぞ。
「知るか。明日の朝、朝食時にでも一緒になれば聞けよ」
そこで諦めたらしく、俺の襟元からようやく手を離した。
…こっそり髪で身体を支えてなけりゃ、途中で間違いなくオチてたな。
「何だったら、明日にでも旧一年のクラスに突撃カマしたらどうだ?」
適当に答えつつ、再びベッドに横になる。
「…明日は学校、休みですわよ」
…ふむ。
「無知でスマンが」
「今度はなんですの?」
「休みって何日あって、どんなサイクルなんだ?」
森にいたからそんなの知らねぇってか、気にもとめてなかったんだが。
言った途端、アーネの口角がにんまりと上がっていくのを見て、俺は面倒なことになったと後悔した。
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