大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

メッセージと呼び出し

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『ホントにスマン!レィア!こんだけ時間かけたけど、アンタのマキナにしたことは全体的に基本的なことばっかやわ。こればっかりは本当に申し訳ない。ウチの実力不足や。
アンタの事やしもうマキナから聞いたやろけど、マキナに今回施したのは各機能の強化だけやわ。
理由は三つ。
下手に弄るとマキナのウリの万能性が損なわれるんやないかって懸念が一つ、もう一個がアンタの意見を取り入れんと弄って取り返しのつかんようになったら場合、さらに手を加えるのはかなりの長期間不可能になってしまうのがアカンと思ったから。
そして最後に、アンタが思った以上にこの鎧を使
やから下手に手を加えてバランスが崩れたら不味い。そう判断させてもらった。
これは正直ウチも驚いてる。
けどな、あらためて納得したわ。アンタがオリジン・ウェポンを欲しがる訳やと。
……言いたいことはまだまだ山程あるけど、次顔合わしたら全部言うわ。今言うのんは一言、ありがとうだけやわ。
ともかく、今回はウチの力不足で不甲斐ない結果になってしまった。スマン。
──以上で再生を終了します』
「…了解」
一度マキナを装着してみないと分からないが、ベルもよっぽど苦悩していたらしい。
アイツが文句のひとつも言わずに謝るというのが正直意外だった。
「マキナ、来い」
『了解』
目の前のマキナが一瞬で解け、俺の身体を包み込んだ。
『…ふむ』
着心地は…変わらないな。正直装備している気がしない程軽い。
そのまま鏡のある風呂の脱衣場まで歩いていき、自分の姿がどんなものか見てみる。
んー…そうだな、感想は正直あまり変わらない。細部のデザインはちょっとずつ変わっているのだが。
鎧のバイザーが少し変わって見やすくなった。あと、全体的なフォルムが…こう、スタイリッシュになった。
あ、今更だが一応制服は外してる。でもこの鎧、なんでか知らんが制服着てても皆に見えるんだよな。
一応姿は確認したものの、マキナも割と結構気分(?)でデザインを変えるし、俺も中からじゃほとんど見えないので気にしていないことも多い。多分次のお披露目の場である鍵戦争ではこれと全く違うデザインでした、なんてこともあるかもしれない。
まぁ、よっぽど奇抜じゃなけりゃいいいさ。
さて。
『次は剣と併せて使って確認をしたい…が』
「他所でやって下さいまし」
そりゃそう言われる。ここで振るのは狭すぎるし。
じゃあ今から訓練所行こうかと思ったのだが、既に訓練所は昼間の間は一般開放されていたのを忘れていた。入試が始まって、魔獣が荒野に放たれたので立ち入りを禁止する理由がなくなったからだ。
人目につかないように一人でやりたかったんだけどな…仕方ない、せめてマキナの慣らしだけでも
「んっ、ちょっと待ってくださいまし?…貴方へメッセージですわ」
『ん?俺宛?誰から?』
いつの間にかメッセージをしていたらしいアーネが、そう言って俺を呼ぶ。
「学校長からですわ。大至急学長室へ来いと……はい、はい…分かりましたわ」
「やれやれ、結局依頼になったか」
マキナを解除しながらそうつぶやくと、「違うらしいですわよ」とアーネ言う。
「何でもその子……シエルの話らしいですわ」
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