満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

文字の大きさ
18 / 95
混戦、混戦、大混戦だ。

日本軍、戦車の切り札とは?

しおりを挟む
 「くそっ、戦闘が履帯が切れたかっ!」と、イワン司令が気が付いたのだ。
なぜって、前の戦車が止まれば・・・後ろが停止しなければならない。
 それで、最後尾のイワン司令の戦車まで・・・というわけだ。
満州国はインフラ整備が、まだまだである。
 チチハルの町は通路が狭いのである。
なぜかって・・・それは、馬車が通過できればいいからである。(満州国の馬車は1頭たてだ。)
 内地も江戸時代の街道は狭かったからね。
「このまま、うかうかしてられんぞ。」「また、黄色い猿の攻撃が・・・しかし、下手に動けば履帯への砲撃があるやもしれん。」と、思案のイワン君だ。
 こんなときの参謀なんだが・・・あいにく、ソ連軍はソ連邦と同じく、不安分子は粛清されて・・・有能な下士官なんて皆無なのである。
 下っ端兵卒なんて、数年もあれば育てられるが・・・指揮をする士官は数年では、育たないんだ。
それなりの優秀なガキの時分から・・・育てなくては・・・無理なのである。
 日本では、義務教育に9年、そして3年、4年、さらに数年の軍人教育を経て・・・幹部軍人は育つのだ。
ソ連軍のイワン司令官もシベリアの僻地勤務だが・・・それなりの幹部学校と実戦訓練は受けてるのだった。
 「仕方がない、おい後進を掛けろ。」と、運転士へ・・・
ちなみに、ソ連軍の戦車は変速機が精度が甘いから・・・
 なかなか、バックにギアが入らなかったりして・・・
「ギ、ギ、ギ。」と、変速レバーを倒す運転士だが・・・なかなか、ギアが・・・
 ギアというものは歯車で運動を伝達する。
それが、うまく噛み合わないのである。
 「おい、どうした。」「はやくしろっ!」と、せかすが・・・
なかなか、後進へ変速ギアが入んないのである。(シンクロギアではない。)
 ソ連軍の戦車は後進1段のギアしか無いんだが・・・
やはり、ここでも極寒と地の弊害が・・・
 ウオッカなしでは生きていけないロシアの大地なのである。

 無線電信で待ち伏せがバレて・・・作戦を変更した日本陸軍、つまり我が皇軍は廻り込んで移動していた。
「まだ、露スケには会敵しないか?」と、打電するが・・・
 なかなか、返信が還ってこない。
このまま、履帯が切れて動けなくなったソ連軍の戦車と対峙していても・・・
 なぜなら、とっくにソ連軍の戦車兵は戦車から這い出して・・・いずこかへ・・・逐電して・・・
狭い道を・・・動けない戦車で塞いでいるのだ。
 「いかん、このままでは・・・」「おい、廻り込むぞ。」と、指示を出す。
「了解です。」と、超信地旋回で狭い道を方向変換する我が八七式中戦車だ。
 我が、皇国の技師連中の造り上げる変速機は精度がバツグンなのだ。
それゆえ、超信地旋回という無理な旋回も戦車は難なく言うことを聞いてくれるのだ。
 クソ真面目な日本人の工作技術がなせる技なのである。
それに、3両の満州へ搬送された戦車は四菱重工がテストを繰り返して造りあげた戦車だ。
 職人魂が、詰まってるのである。
なんや、かんやと日本軍が・・・廻り込んで、もたもたしている頃・・・
 やっと、後進ギアが嚙み合いだして・・・後退し始めたソ連軍戦車隊である。
現在、6両が後進して・・・方向変換できる場所を探しているようだ。
 えっ、まさか? ソ連軍のT-2戦車は超信地旋回ができない・・・のかっ!
そうなのだ、工作精度が劣る変速機では、履帯に無理が掛かり・・・超信地旋回が無理なのである。
 ドイツ帝国のⅡ号戦車などは、カンタンにクルクルその場で旋回できるそうだが・・・
露スケとゲルマン民族との差というか・・・やはり、ドイツの地とロシアの極寒の地の差なのだろうか?
 「おい、ここが広場みたいに広いから、ここで方向変換するぞ。」と、指示を出すイワン司令官だ。
ところが・・・いくら広場だといっても・・・6両もの戦車が旋回できるほどの広さは無い。
 1両づつ方向変換しないと・・・
そして、ソ連軍戦車隊が6両で方向変換しようと・・・もたついていた。
 その場へ、顔を出した日本軍の八七式だ。
これは、軍曹から電信無線で廻りこむように指示を受けた1両のようだ。
 「うわっ!」「敵の前へ出てしまったぞい。」と、車長が・・・
「せっかくだ、1発お見舞いしたやろう。」
 「砲手、狙いは大体でいいからヤツらの真ん中にだ。」
「了解です。」
 と、肩で砲身を動かして・・・ソ連軍の真ん中あたりへ、「ドウン。」と、砲撃だ。
「よし、身を隠すぞ。」と、後進を指示する車長だ。
 
 方向変換しようと・・・もたついていたソ連軍戦車隊・・・その、真ん中に、いきなり「ドウン。」と、砲撃が・・・
 「なんだ、どうした。」「どこから撃ってきやがった?」
あわてて、砲塔から少し顔を出して・・・周りを観る・・・
 そして、狙撃で殺られるといかんから・・・すぐに顔をひっこめる。
「くそっ、わからんぞ。」と、砲塔の潜望鏡で周りを観ようと・・・
 しかし、ロシアの光学技術は劣悪なのだ。
光学ガラスに泡や曇りが・・・
 これは、光学ガラスが混ざりモノが多いとか均一にガラスを冷やすことが難しいからだ。
ドイツ帝国や我が国は、光学技術に関しては、世界最先端である。
 スカっと見えるか、雲って見えるかの差は大きいのだ。
「くそっ、わからんぞ。」と、焦るイワン君だ。
 そのスキに、八七式はチチハルの糞レンガの小屋の影に隠れてしまった。
そして即、無線で打電だ。
 「なんだと、中央広場に・・・」
「了解、他の戦車は反対側からオレは南方からだ。」と、指示をだす藤川軍曹だ。
 「軍曹殿。」と、運転士が・・・
「半分です。」「うむ。」
 つまり、燃料が半分ということだ。
ということは、ソ連軍も燃料が・・・
 ソ連軍の戦車の燃料タンクの容量は知らない軍曹だが・・・
作戦行動は1時間ほど過ぎてる。
 なら、あと1時間は動けるということだな。
「よし、1時間で決着をつけるぞ。」と、決意する三八式歩兵銃指導隊の上官である軍曹だった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。 現在1945年夏まで執筆

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...