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空爆だ。
90機のギガント地上攻撃機
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偵察衛星で、地球を監視している、日本国防衛本部、衛星管理課のセキュリテイルームは、24時間監視体制である。 以前よりでかくなった衛星通信画像が9面、平然と並んでいる。 それぞれの偵察衛星から送られてくる画像を観ながら、防衛省職員は交代がまだかと、時計を見る。 最近は、ドーバー海域も平穏で、満州国の国境も平穏だ。 画像は30分おきに更新される。 以前は2時間だったが、衛星の電子カメラを新型に換えてから早くなった。 「ん、ん、なんだ。」 職員は目をこする。 ソ連の90機のギガントを監視していた画像に動きがあったのだ。 職員は、あわててブザーを鳴らした。 「なんだ、どうした。」と数人の職員が駆け寄る。 「ギガントが離陸している。」 「目標はどこだ。」 「まだ、なんとも。」 「おい、総理官邸に通報しろ。」 「いま、やってる、まだ出ないんだ。」 「おい、目標はわかったか。」 「イヤ、このコースだと。」 「速くせい。」 「そんなこと言われても、海へ出たんだよ。」 「なんと、ローランドではないのか。」 「ふう、安心した。」 職員らは、椅子へ座る。 ソ連のギガント90機はローランド急襲に使われるかと恐れていたのだ。 空母のハヤブサが待機しているが、90機のギガントは脅威だからだ。 ギガントの75ミリ砲を喰らえば、ハヤブサといえども無事ではすまない。 「で、どこへ行きそうだ、まさか英国ではないよな。」 「うーん、なんとも、イヤ、なんか独逸帝国みたいだな。」 「そうか、修理か整備かな。」 「では、総理官邸へは、定時連絡でいいか。」 職員は、独逸帝国の内紛など知らなかった。 総理も、そこまで、連絡はしてなかったのだ。 いちおう、米英との軍事機密で、ごく一部しか知らされなかったのだ。 ・・・・・ ここは、独逸帝国のキール軍港だ。 なんと、警戒防空レーダーに反応だ。 いきなり、画面に出た。 防空レーダーの警戒範囲を知ってるかのような行動だ。 「おい、至急に防空本部へ連絡だ、あと数分で未確認機が多数やってくる。」 「え、数分。」 士官や兵卒が驚く。 数分では、間に合わない。 「とりあえず、警報だけでも出せ。」 サイレンが鳴り響く。 軍港の防空高射砲は、とても間に合わない。 「え、え、い、なにをやってる、爆撃か攻撃が来る。」 「間に合わないから、防空壕へ避難しろ。」 サイレンが避難の音色に変わった。 ・・・ごうん、ごうん、ごうん、と重厚な発動機の音が響く。 雲の間から90機のギガント地上攻撃機が現われた。 高度は低い、約300メートルくらいだ。 高度が低いからレーダーによる発見が遅れたのだ。 平然と編隊を作ってギガントはキール軍港上空へかかる。 パッカリと胴体の下が開いた。 なんと独逸帝国の、ご自慢の75ミリ連射砲が顔を出した。 と、ドドドドドドドドドドドドドォ、と連射だ。 そして、軍港の軍艦や潜水艦、そして巡洋艦、駆逐艦が穴だらけだ。 軍艦の厚い装甲は艦の司令室や弾薬庫の上くらいだ。 他は、まあまあの装甲なのだ。 75ミリ砲では、カンタンに穴が開くのだ。 駆逐艦なぞ穴があいて豪沈だ。 防空壕に間に合わなかった兵卒は、ほとんど爆風や破片で生きてる者はいなかった。 なんで、独逸帝国製のギガントに独逸帝国が・・・・ 「なんで、なんだ。」と空を見上げてこと切れた兵卒が多かった。 90機のジュウタン砲撃はすごかった。 まさに、地獄絵図だ。 そして、ギガント攻撃機は、キール軍港を破壊すると、なんとベルリンを目指した。 やっと、その頃、飛び立った独逸帝国防空戦闘機だ。 無線機から司令が入る。 「いいか、相手はわが国の造ったギガントだ。」 「用心して当れ!」 「75ミリ砲を喰らうと爆散しかねない。」 「了解した。」 追撃戦闘機はギガントめがけて飛んでいった。
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