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 強引にアンナの腕をつかんで、ぎゅっと離さない。どうしてもその願いを振り切れずに、アンナはしぶしぶケーキを作ることを承諾してしまったのだ。
 アンナはマリヤにはこのことは絶対に口外しないように念を押した。

「わかってるわ。この店の名前に傷をつけるようなことにはならないから、大丈夫」

 このとき、アンナの腕などしるよしもないマリヤがどうしてそんなことを確信をもっていえるのだろうと不思議に思った。だが、ケーキそのものが店の名前を傷つけることにはならないことを、アンナは自分が一番よくわかっていた。

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