15年後の世界に飛ばされた無能聖女は、嫌われていたはずの公爵子息から溺愛される

聖女の刻印が身体に表れたことで公爵家に引き取られた孤児のユリア。

王国では刻印を持った人物は、高位貴族の養女となる慣習があり、ユリアは一夜にして公爵令嬢に。

公爵家の跡継ぎである、10歳のヨハネとの折り合いは良くないものの、公爵令嬢として相応しくなろうと日々を過ごす。

そしていよいよ、聖女としての能力が判明する時がくる。

その能力は、『浄化』。

魔物が跋扈した遙か昔には素晴らしい能力と言われていたが、平和な現代ではまったく役に立たない能力。

うちひしがられるユリア。

明らかに公爵家での扱いが変わる中、ヨハネが家を飛び出したということを知る。

他の使用人ともどもヨハネを探しに外へ出たユリアだったが、空へ生まれた赤い裂け目に遭遇。

ヨハネを助けられたものの、代わりに自分が赤い裂け目に飲み込まれる。

気がつくと、そこは15年後の魔物が跋扈しており、さらにユリアは自分が赤い裂け目に飲み込まれて死んだ悲劇の聖女と言われていることを知る。

その世界で、魔物に襲われたユリアを助けたのは、銀髪の青年で――。
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