61 / 150
(60)
しおりを挟む「でも水道や電気は使えるでしょ?」
「それは定期的に点検しているから心配ないが、床から壁から直すところだらけだぞ。それに庭も今じゃまったく手入れしていないんだ」
「わたし仕事がないときに家の手入れをするわ。お金はないけど時間はあるから」
「俺も手伝ってやりたいが、このところ大きな案件で忙しいからなぁ。来月からはデリーに出張だし」
「あなた、いいじゃないの。これであの家が少しでも役に立つと思えば」
「そうよ、わたし、あの家好きだったのよ。この家の庭は小さいでしょ? だけと和泉の家の庭はおばあちゃんが一生懸命世話してたじゃない。バラの季節なんか、近所で一番きれいで立派な庭だったわ。今度はわたしなりに自分の庭をつくって、かわいいお店にしたいのよ」
「そこまでいうならやってみたらいい。お父さんもお母さんもできる限りの協力はするから」
「ありがとう、パパ、ママ!」
アンナはすっかり気分をよくして一気に食事を平らげた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる