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男はぼんやりとした顔をこちらへ向けた。そして、緩んだ顔をにやっとゆがめた。
「エイミー、なにをいってるんだ?」
男は突然、アンナの両肩に手をやった。アンナは不快な気持ちを一瞬顔に浮かべたものの、その手を振り払うことまではしなかった。話せばわかると思ったのだ。
「人違いされてますよ、ミスター」
「君の髪は祖母の家の匂いがするね」
唐突に男がいった。日本人のキャバクラ嬢たちがクスッと噴き出した。アンナはわずかに顔色を変えた。
(祖母の家の匂いって、どういう意味?)
まさかアンナの髪から老人特有の匂いがするわけではあるまい。キャバクラ嬢の一人が他の三人の女性たちに男のいった台詞を通訳したらしい。女たちはあざけるような視線でアンナを見た。
「子どもっぽいドレス。あれじゃ彼じゃなくたって姪っ子と間違えるわ」
「彼女のドレス、うちの祖母の家のカーテンの柄にそっくりよ」
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