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第一章「異世界転移編」
第5話「紅蓮のデスペラード」
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異世界に転移してから1週間が経った。だんだん生活にも慣れてきたし、剣術も中級者くらいには成長した。さすが騎士団長。
シャロンは汗を拭い
「ここら辺で昼休憩にしないか? そろそろ疲れただろう」
「そうっすね。そういえばレイメールにはハンバーガー屋さんないんすか?」
「ハンバーガーとはなんだ?」
シャロンは首を傾げる。
「ハンバーガーはハンバーグや野菜、ピクルスなどをパンに挟んで食べる食べ物ですよ」
シャロンは顎に手を当て、考える素振りをする。
「肉を細かくしてパンに挟むか。斬新だがいいアイデアだな。やってみよう」
シャロンは目を輝かせながらハンバーガーを頬張っている。
「これは美味だなっ!! どこの国の料理だ?」
「アメリカの料理です。言っても伝わらないけど」
シャロンは手を合わせ礼を言う。
「なぁ。芽衣。キミが違う世界からここへやってきたのは本当なのか?」
「酒のんで酔っ払ってたら気づいたらここに」
「くっ」
シャロンは耐えきれずに笑い出す。
「そうか。異界の酒は恐ろしいものだな。今度一杯やろう。きっと口に合うと思うぞ」
ドミとドラグレッドが手を振りながらこっちへ走ってくる。
「ご主人~~!!」
ドミは私に抱きつく。元気で何よりだ。
シャロンは剣の手入れをしながら
「そういえば前、聖剣フォトンブレードが見たいと言っていたな。見にいくか?」
「魔王を倒した聖剣!! ぜひ見たい!!」
「ボクも見たいぞ!! アーティファクト仲間として!!」
「あたしはどっちでもいいわ。芽衣がいくならいくけど」
私は腰に練習用の剣をさし、立ち上がる。
「ではいくか!! 地下神殿フォトンサンクチュアリに!!」
城内の大広間についた。これから何が起こるのだろうか。
秘密の扉? 人生初ワープ?
「わくわくがとまらない!!」
シャロンは空中に魔法陣を描く。赤く光る魔法陣からはただならぬ魔力を感じる。
「ここからは聖域に入る。英雄ファイに無礼の無いように」
魔法陣は大広間の床に投影され、私たちを神殿へと転送する。
「ここが神殿フォトンサンクチュアリか!! すごい!!」
神殿内はかなり広く、やや寒い。濃い魔力の流れを感じる。
神殿の中心には英雄ファイの立像が立っており、綺麗に装飾された台座に聖剣フォトンブレードが刺さっている。
聖剣フォトンブレードは古代に造られたアーティファクトの一部で、機神の剣とも呼ばれているらしい。メカメカしい造形でなんとも中二心をくすぐられる。
白銀で作られていて魔力回路が剥き出しになっている。無骨なものだがそこがいいっ(限界オタク
刺さってる聖剣。やることは一つしかないよね
聖剣の持ち手に手をかける。
聖剣に触れた途端、英雄の記憶が頭に流れ込んでくる。
「覚醒の時は近いね」
誰かが耳元で囁く。
気づいたら私は聖剣を引き抜いていた。
「なんか抜けた」
え? こういうの抜けないのがオチでしょ。抜けちゃったよ。えぇ(ドン引き
「危ない!!芽衣!!」
シャロンは剣を抜き。構える。
銃声がなる。薬莢が地面に落ち、煙が立ち込める。
シャロンは苦悶の表情を浮かべ胸を抑える。口から血が滴り落ちる。
「知ってるか?弾丸の速度はマッハ2を超えるらしいぜ。不意打ちなら確実に殺せる。便利な道具だよなぁ」
黒いローブに身を包んだ男が二ヘラと笑う。
「誰だよお前!? 神殿のセキュリティで部外者は入れないはずなのに」
「あ? 招いたのはそっちだろーが。その剣は国を守るバリアを生成する装置だ。それを抜いちまったらあとはわかるよな」
男は頭を掻きながら
「オレの仕事は……なんだっけ?あぁ。聖剣の回収だったなぁ。ついでに殺しもできる。天っ職だな!!」
私は声を張り上げ、叫ぶ。
「ドミ!! 変身だ!!」
「あぁ!! わかったご主人!!」
ドミはベルトに姿を変え、腰に巻き付く。
『ライズドミネーター』
私はキーを取り出し、ベルトに差し込む。
『デュアル。イグニッション』
「よくもシャロンを!!許さない!!」
「始動っ!!」
キーを回し、ベルトが展開される。
『改造完了ドミネーター』
蒼炎に包まれ、装甲が生成される。
男は呆れた口調で
「テメェも魔導戦士か。奇遇だな。オレもだ」
男の腰には私と同じベルトが巻かれている。
「私と同じベルト!?」
『ライズドミネーター』
「乖離」
男はドス黒いキーを取り出し、ベルトに挿入する。
『アメリカンクルーザー。イグニッション』
キーを回し、ベルトが展開する。
ベルトの中心部分と魔力回路が水色に光る。
『光を喰らう闇デスペラード」
男はローブを脱ぎ捨てる。
白く整った顔、裂けた口を塞ぐ縫い目。ボサボサの頭髪。どこかで見覚えがある。
男の足元に赤黒い魔法陣が展開される。地面の中から赤いサメが空中を泳ぐように男の周りをぐるぐると回る。
赤いサメは空中で分解され、赤い粒子になって装甲を形成していく。
赤黒い装甲は男に装着されエンジン音が鳴り叫ぶ。
赤黒いボディに。こちらを睨むひとつの眼。唸るエンジン。威圧感のあるマスク。まさに悪役ライダーである。
ダークライダーキター!! じゃなくてなんで私の作ったベルトがもう一個あるんだよ!!
「オレはデスペラード。光を喰らう者だ」
名乗りまでしちゃって。なんなんだコイツ。敵だけどかっこいいなぁ。推しライダーになるわ。
シャロンは汗を拭い
「ここら辺で昼休憩にしないか? そろそろ疲れただろう」
「そうっすね。そういえばレイメールにはハンバーガー屋さんないんすか?」
「ハンバーガーとはなんだ?」
シャロンは首を傾げる。
「ハンバーガーはハンバーグや野菜、ピクルスなどをパンに挟んで食べる食べ物ですよ」
シャロンは顎に手を当て、考える素振りをする。
「肉を細かくしてパンに挟むか。斬新だがいいアイデアだな。やってみよう」
シャロンは目を輝かせながらハンバーガーを頬張っている。
「これは美味だなっ!! どこの国の料理だ?」
「アメリカの料理です。言っても伝わらないけど」
シャロンは手を合わせ礼を言う。
「なぁ。芽衣。キミが違う世界からここへやってきたのは本当なのか?」
「酒のんで酔っ払ってたら気づいたらここに」
「くっ」
シャロンは耐えきれずに笑い出す。
「そうか。異界の酒は恐ろしいものだな。今度一杯やろう。きっと口に合うと思うぞ」
ドミとドラグレッドが手を振りながらこっちへ走ってくる。
「ご主人~~!!」
ドミは私に抱きつく。元気で何よりだ。
シャロンは剣の手入れをしながら
「そういえば前、聖剣フォトンブレードが見たいと言っていたな。見にいくか?」
「魔王を倒した聖剣!! ぜひ見たい!!」
「ボクも見たいぞ!! アーティファクト仲間として!!」
「あたしはどっちでもいいわ。芽衣がいくならいくけど」
私は腰に練習用の剣をさし、立ち上がる。
「ではいくか!! 地下神殿フォトンサンクチュアリに!!」
城内の大広間についた。これから何が起こるのだろうか。
秘密の扉? 人生初ワープ?
「わくわくがとまらない!!」
シャロンは空中に魔法陣を描く。赤く光る魔法陣からはただならぬ魔力を感じる。
「ここからは聖域に入る。英雄ファイに無礼の無いように」
魔法陣は大広間の床に投影され、私たちを神殿へと転送する。
「ここが神殿フォトンサンクチュアリか!! すごい!!」
神殿内はかなり広く、やや寒い。濃い魔力の流れを感じる。
神殿の中心には英雄ファイの立像が立っており、綺麗に装飾された台座に聖剣フォトンブレードが刺さっている。
聖剣フォトンブレードは古代に造られたアーティファクトの一部で、機神の剣とも呼ばれているらしい。メカメカしい造形でなんとも中二心をくすぐられる。
白銀で作られていて魔力回路が剥き出しになっている。無骨なものだがそこがいいっ(限界オタク
刺さってる聖剣。やることは一つしかないよね
聖剣の持ち手に手をかける。
聖剣に触れた途端、英雄の記憶が頭に流れ込んでくる。
「覚醒の時は近いね」
誰かが耳元で囁く。
気づいたら私は聖剣を引き抜いていた。
「なんか抜けた」
え? こういうの抜けないのがオチでしょ。抜けちゃったよ。えぇ(ドン引き
「危ない!!芽衣!!」
シャロンは剣を抜き。構える。
銃声がなる。薬莢が地面に落ち、煙が立ち込める。
シャロンは苦悶の表情を浮かべ胸を抑える。口から血が滴り落ちる。
「知ってるか?弾丸の速度はマッハ2を超えるらしいぜ。不意打ちなら確実に殺せる。便利な道具だよなぁ」
黒いローブに身を包んだ男が二ヘラと笑う。
「誰だよお前!? 神殿のセキュリティで部外者は入れないはずなのに」
「あ? 招いたのはそっちだろーが。その剣は国を守るバリアを生成する装置だ。それを抜いちまったらあとはわかるよな」
男は頭を掻きながら
「オレの仕事は……なんだっけ?あぁ。聖剣の回収だったなぁ。ついでに殺しもできる。天っ職だな!!」
私は声を張り上げ、叫ぶ。
「ドミ!! 変身だ!!」
「あぁ!! わかったご主人!!」
ドミはベルトに姿を変え、腰に巻き付く。
『ライズドミネーター』
私はキーを取り出し、ベルトに差し込む。
『デュアル。イグニッション』
「よくもシャロンを!!許さない!!」
「始動っ!!」
キーを回し、ベルトが展開される。
『改造完了ドミネーター』
蒼炎に包まれ、装甲が生成される。
男は呆れた口調で
「テメェも魔導戦士か。奇遇だな。オレもだ」
男の腰には私と同じベルトが巻かれている。
「私と同じベルト!?」
『ライズドミネーター』
「乖離」
男はドス黒いキーを取り出し、ベルトに挿入する。
『アメリカンクルーザー。イグニッション』
キーを回し、ベルトが展開する。
ベルトの中心部分と魔力回路が水色に光る。
『光を喰らう闇デスペラード」
男はローブを脱ぎ捨てる。
白く整った顔、裂けた口を塞ぐ縫い目。ボサボサの頭髪。どこかで見覚えがある。
男の足元に赤黒い魔法陣が展開される。地面の中から赤いサメが空中を泳ぐように男の周りをぐるぐると回る。
赤いサメは空中で分解され、赤い粒子になって装甲を形成していく。
赤黒い装甲は男に装着されエンジン音が鳴り叫ぶ。
赤黒いボディに。こちらを睨むひとつの眼。唸るエンジン。威圧感のあるマスク。まさに悪役ライダーである。
ダークライダーキター!! じゃなくてなんで私の作ったベルトがもう一個あるんだよ!!
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