ティッシュが足んない ~などとサキュバスの息子のムスコが意味不明な供述をしており~

よん

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第6章  ダンジョンが足んない

ダンジョンが足んない 6

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 ……などと、ドMでもないのに自ら身を晒してる場合じゃない!

 ここは強い意志で、さっきゅんことスク水サキュバスを魔界へ追い払わなければ!

「か……」

 帰れ! 

 そう言おうとしたら、スク水のさっきゅんは女豹の如くいきなり覆いかぶさってきて、ベッドに倒れる僕の口を強引に手でふさいだ。……ひ、卑怯だぞ!

 懸命にもがく僕に対して1ねん1くみのさっきゅん、

「何を意地になってるの? 下のオマエはこんなに出たがってるのに」

 そう言いながらも、さっきゅんは僕の中の小さな僕が硬く大きくメタモルフォーゼしたモノに一切触れようとしない。
 触れると同時に、濃くて白いのが自動的に飛び出すことを知ってるからだ。
 
「フッ、甘いわね。オマエが早漏のスペシャリストだということはちゃんと調査済みなんだよ」

 褒めてるようで完全に馬鹿にしてんな。こっちは好きで早漏やってんじゃないんだぞ!

 しかし、よく考えてる。
 事の前に白いのが蛇口ジャージャー出ちゃったら、さっきゅんは目的を果たせない。スク水で覆われた巨大なその胸を押しつけて刺激したりもしなかった。

 でも、早漏のスペシャリストを舐めんなよ。
 窮鼠猫を噛む、窮早漏精子出すだ。(意味 → 追い詰められた絶体絶命の童貞が自ら精子を出して、犯される危機を逃れること)

 何しろ、ティッシュ三箱分の精子が今か今かと出陣を控えてんだ。
 ズボンを脱がされる摩擦だけでも、僕はあえなくイッちゃうだろう。
 本来ならば男としてこれ以上の屈辱も不名誉もないが、この場合はその自爆射精が唯一この僕を救う。それで全てがTHE ENDなんだ。
 そうなると例のコンビニの再現になってしまう。
 下のパジャマに加えてベッドのシーツもビチャビチャに濡らして、明日の朝は横山さんからこっぴどくお叱りを受けるに違いない。
 でも、僕は童貞を守り抜くことができるし、それはつまりさっきゅんと結婚しなくても済むということだ。

 白いの溜めてて逆によかったかも。これも望海ちゃんの手紙のおかげだな。

 さっきゅんは僕にキスしなければこれ以上先へは進めない。
 必然、彼女は僕の口をふさいでる手をどけなければならないが、ここで拒絶してしまえば白いのを出すまでもない。

 今度こそ言う。「魔界へ帰れ! 僕はあなたと交わらない!」って。

 ところが、さっきゅんの唇は僕の口ではなくガラ空きの首筋を責めてきた。
 そしてペロリと出た舌が這うように喉元をイヤらしく舐めてくる。

 こ、これは堪らない! 

 さすがサキュバス、こんな童貞中学生相手でも、老獪なテクニシャンぶりを惜し気もなく披露しやがる。


 ……でも、ヘンだな。


 まだ出ない。白いのが。

 考えてみれば、クリェーシェルさんにはほっぺをツンと触られただけで白いの全放出したのに……ここまでされても僕の白いのはギリギリのところで踏み止まってる。
 いや、覆いかぶさられた時点で出てもおかしくはなかった。

 何故出ない? 
 早漏克服? んな馬鹿な!

 早く出したい! 出てしまえ、白の軍団よ! 出して楽になりたいんだよ! こんなの蛇の生殺しじゃないか!


「まだだよ? まだまだイカせない」

 え? さっきゅん、僕の心を読んでる……。

「オマエのザーメンの動きは今やこのワタシが完全に支配している。ワタシと結合してワタシをイカせるまではオマエは悶え苦しみ、そして徐々にワタシと悦楽の時間に耽るのだ」
「お、鬼だッ!」
「悪魔だよ。……支配してるからこそ、ワタシはオマエのモノにも自由に触れることができるのだ。ただ、焦らしに焦らしてモノに触らないだけだよ。じゃあ、お望み通りにまずは胸で刺激しちゃおっかな?」

 望んでないって!
 いや、望んでる……かな、正直。
 ち、違う! 望んで……の、の、のの、のぞみ、望、望海ちゃん、助けてッ!

「まずは初歩的な前戯でオマエの脳を完全に麻痺させる。そうすればワタシを拒絶しようなどとは思わなくなる。オマエはワタシを受け入れ、自然とキスしたくなるの。……少年、もはや痩せ我慢する必要などないのだよ? 共に快楽の園へ飛び立て! そこには全ての価値観を覆す夢の世界が待っている」


 イヤだ! 僕が行きたいのはそんなところじゃない。

 
 堕ちないぞ。
 僕は子種のないハーフ・インキュバスだから魔界へ引きずり込まれたりはしない。だからって、僕は花子さんに軽蔑されたまま人間界で生き続けたくなんかないから! 

 仲間と一緒に、低級魔界の孤児院下のダンジョンに行くんだ!
 統治の王冠クラウンを手に入れて僕があの世界を変えるんだ!



 僕はこの年齢まで、闇雲にティッシュを浪費してた。


 そのことに何の意味もなかった? 
 それは本当に単なる性処理の一環でしかなかったのか?

 僕は……この僕は……何かに命令されてそれをしてた気がする。

 あたかも修行のように。

 

 修行?




 そう、僕は…………ティッシュの主……ティッシュマスターを目指してたんだ! 
 
 そうなるために、毎日1000枚のティッシュに僕の魂魄を放ってたんだ!




 誰かが遠くで呼んでる?




 ティッシュマスターであるこの僕に、召喚されることを冀ってる?

 
 ……だとしたら、僕のやるべきことはただ一つ。


 ソイツを呼ぶんだ!


 僕は本能的に心の中で叫んだ。







 でよ、我がしもべ! 汝、我を守護せよ!





 時空が歪んだ。





「……な、何だコイツはッ?」


 スク水サキュバスの動きが止まる。



 僕に馬乗りになっていた彼女は狼狽した様子で、その雪像のような巨体の仁王立ちを見上げていた。



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