28 / 1,060
第一章 友達
26話(挿絵あり)
しおりを挟む
図書室前まで来ると、
「そろそろ指紋認証とか声紋認証にすればいいのに」
先輩は文句を言いながらカードキーを通した。
ドアが開くとすぐそこに秋斗さんが立っていて、
「それいいね。早速来週には申請を出すことにしよう。そしたらここを利用する人間にカードキーなんて煩わしいものを発行しなくて済むし、なくされることもないから再発行なんて面倒な作業もなくなる。司もたまにはいいこと言うな」
顔は笑っているのに抑揚を感じる話し方に凄みを感じる。
「……何。また、会長あたりがカードキー失くした?」
「そう……だからカードキー全とっかえ。司、できることならあの野生児捕獲して檻にでも入れておいてくれないか?」
「……曲がりなりにも先輩だし人間だから」
「影の会長って言われてる司ならできるだろ?」
「……それ、誰のことかわからないし」
テンポ良く応酬を繰り広げるふたりは息がぴったりだ。
「翠葉ちゃんもおかえり。ケーキ買ってきたから一緒に食べよう」
仕事部屋に通されると、テーブルの上には見覚えのある箱が乗っていた。
白地に灰色のストライプ、ボルドーの文字で「Andante」と書かれた箱は、私の好きなアンダンテ洋菓子店のもの。
「私、お茶淹れます!」
嬉しくて、足取り軽やかにお茶の準備を始める。
電気ケトルにお水を入れてスイッチオン。
ティーポットの用意をしようとハーブティーの缶に手を伸ばし、「あ……」と思って手を止めた。
秋斗さんはハーブティーが飲めるみたいだけど、先輩はどうだろう?
ハーブティーは香りや味が苦手という人も少なくないから少し気になった。
「先輩、ハーブティー苦手じゃないですか?」
「基本的に好き嫌いはない」
「……コーヒー、淹れましょうか?」
「コーヒーは飲みたくなったら自分で淹れる。今はハーブティーでいい」
そう言うと、先輩は棚からケーキプレートを出し始めた。
お茶とケーキが揃うと、秋斗さんは苺タルトが乗ったプレートを私にくれる。
自分にはブルーベリータルト、先輩にはチーズタルト。
「苺のタルトが一番好きなんでしょ?」
「はい」
満面の笑みで答えたけれど――私、そんな話したっけ……?
「……甘いものが好きなわけじゃないけど、アンダンテのケーキならなんでも食べられる。機嫌が悪くてもここのケーキを買って帰るとすぐに機嫌が直る。どんなに食欲がなくてもここのタルトだけはがんばって食べようとする。因みに、一番好きなのは苺タルト」
淡々と話し続けたのは先輩だった。
「どうして知ってるんですか?」
「情報源なんてひとつしかないだろ」
先輩はツンと澄ました顔でティーカップを手に取る。
……確かに、今のは訊いた私が間違っていたと思うけど、そこまでツンツンしなくってもいいのに。
警戒包囲網を緩めてほしいって言われたけれど、これじゃ緩められないよ。
思っていることが顔に出ていたのか、先輩をフォローするように秋斗さんが口を開いた。
「蒼樹がさ、こっちが訊かなくても翠葉ちゃん情報を垂れ流していくんだよね。だから僕たち、意外と翠葉ちゃんのこと詳しいと思うよ」
「……そう、なんですね」
蒼兄、どこで何を話してくれているの……。
ここでの蒼兄と家での蒼兄のギャップが激しくて少し戸惑う。
私は恥ずかしさを紛らわせるために、「いただきます」と苺タルトにフォークを刺した。
口に入れれば、サクサクとしたタルトの香ばしさと甘すぎないカスタードクリーム、酸味を感じない甘い苺が調和する。
美味しくて頬が緩む。と、
「御園生さん情報は強ち外れてない」
その言葉に、ヒク、と頬が引きつる。
「蒼樹曰く、ふにゃっとした至福の顔」
正面に座る秋斗さんと、その隣に座る先輩の視線が痛くて食べづらい。
少しむくれると、秋斗さんがくつくつと笑いだした。
蒼兄のカバ……。
視線を苺タルトに落としていると、カタ、と小さな音を立てて先輩が立ち上がった。
先輩はソファセットの近くで腰をかがめると、床に落ちていた紙を手に取る。
あ、さっきの――
「こういうの、知られたくないならちゃんとしまっておくべきじゃない?」
「すみません……。それ、返していただけますか?」
この短時間ならまだ読まれてはいないだろう。そう思ったのに――
「申し訳ないけど、もう全文に目を通した」
「えっ!? 手に取っただけなのにっ……!?」
「……速読ができればこの程度のものに時間はかからない」
冷ややかに笑う様に背筋がゾクリとした。
動揺したのを悟られたくなくて、自分も言葉を繰り出す。
「芸に秀でていらっしゃるようで羨ましい限りです。でも、見られたのは不覚でした」
「……秋兄には話したんじゃないの? なのに、俺には話すつもりがなかった?」
先輩のツンとした感じがよりきつくなる。
「……いえ、そういうわけでは……あったかもしれませんが……」
「……それ、否定になってないから」
先輩は呆れたような目で私を一瞥すると、ルーズリーフに視線を戻した。
ダイニングスツールに座っていた秋斗さんはクスクスと笑いながら、
「司も心配してたんだよ。たぶん、一年前からずっと。本当に蒼樹は何も話してくれなかったから。で、先日の一件でしょ? 僕や蒼樹に連絡をくれたのも司なんだ」
「え……? そうだったんですか?」
先輩はルーズリーフを見たまま、
「その場で俺にできることがそれしかなかっただけ」
と、端的に話す。
何が起きても動じなさそうな人だけど、やっぱり驚いたのだろうか……。
じっと見ていると、
「……俺をなんだと思ってる?」
格好いいけど、ちょっと冷たくて意地悪な人。
思わず口にしそうになった言葉は頭の中に留める。
「保健室に着く前に意識がなくなるわ、容態もどんどん悪くなるわ血圧なんてあり得ない数値で――一年前の御園生さんの気持ちを察するくらいには驚いた」
主張の仕方が不思議な人だけど、驚いたというより、今は怒っている気がする。
「その人間に対して言うつもりがなかったって何?」
底冷えするような視線を向けられ、心臓が変な動きをした。
不整脈かな、と思いながら胸を手で押さえ、
「すみません……今、改心しました。ごめんなさい……」
(イラスト:涼倉かのこ様)
真面目に謝ったつもりだった。なのに、秋斗さんが吹き出す。
「翠葉ちゃん、面白すぎっ」
言った本人は面白いことを言ったつもりはないのだけど……。
「改心して、話してくれる気になったわけ?」
先輩からはまだ解放されていなかった。
「翠葉ちゃんも司も、お茶が冷めるよ」
後ろから秋斗さんに声をかけられ、とりあえずダイニングテーブルに戻ることにした。
先輩も戻ってはきたけれど、その手にはまだルーズリーフがあるわけで……。
私の視線に気づくと、
「改心したなら話してもらえるものと解釈するけど?」
やっぱり鋭い視線が飛んでくる。
けれども、「冷たい」という印象は少し和らいだかもしれない。
本当に冷たい人ならば、私の病状を訊こうとはしないだろうし関わろうとも思わないはずだから。
先輩のことをうかがい見ていると、
「……人のことサーモグラフィーにかけたりしてないよな?」
どうしてそんなことを訊かれているのか……。
サーモグラフィーにはかけてないけど、冷たいかどうかは考えていただけに、否定はしきれない。
「……あるかもしれないけどどうぞお気になさらずに」
私は色んなことをごまかすために、先輩から視線を引き剥がし、少しぬるくなって飲みやすいハーブティーをゴクゴクと飲んだ。
「ふたりの会話、さっきから変だよ?」
「そうでしょうか? 秋斗さんの気のせいだと思いますよ?」
サクリと返し、今度はこっそりと先輩を盗み見る。
先輩はとても不服そうな顔をしていて、私は私で良心の呵責を少しばかり感じていた。
謝ったほうがいいのかな……。
「……先輩、ごめんなさい。ほんの少し前までは隣に並べないくらいには怖い人だと思っていました。だから、言う言わないじゃなくて、そういう選択肢に入ってなかっただけで……」
良心の呵責プラスアルファで自分をフォローしたつもりだったけれど、
「選択肢に入ってないってもっとひどいと思うけど?」
追撃されて撃沈……。
もしかしたら、今は何を言っても墓穴を掘るだけかもしれない。ならば閉じよう。この口はもう開かずにいよう。
そう思っていると、「今は?」と改めて尋ねられた。
「今なら話せそうです……。でも、もうそれ読んで覚えてしまったのでしょう? それなら、話すことは何もないかなって……」
先輩は「確かに」と、ため息をつくとルーズリーフをテーブルに置いた。
「……よくこれで日常生活が送れる」
「……え?」
「血圧低すぎ」
……どうして? なんで血圧の数値のことがわかるの?
健康な人で、しかも高校生くらいじゃ血圧数値なんて無縁のはずなのに……。
私の疑問を察知したのか秋斗さんが、
「司は医者を目指してるからね。……っていうか、家がそういう家だから、そこら辺の子よりは詳しいと思うよ」
「御園生さんが過保護になるのも仕方がない、か……」
先輩がぼそっとこぼした内容は、さっきの秋斗さんが口にしたものと同様のものだった。
「それ、まるきり同じことをさっき秋斗さんにも言われました」
言うと、ふたりは顔を見合わせ、「こればかりは同感」と言わんばかりの顔をする。
その場の空気はなんとも居心地が悪く、私は苺タルトの幸福感に逃げることにした。
「そろそろ指紋認証とか声紋認証にすればいいのに」
先輩は文句を言いながらカードキーを通した。
ドアが開くとすぐそこに秋斗さんが立っていて、
「それいいね。早速来週には申請を出すことにしよう。そしたらここを利用する人間にカードキーなんて煩わしいものを発行しなくて済むし、なくされることもないから再発行なんて面倒な作業もなくなる。司もたまにはいいこと言うな」
顔は笑っているのに抑揚を感じる話し方に凄みを感じる。
「……何。また、会長あたりがカードキー失くした?」
「そう……だからカードキー全とっかえ。司、できることならあの野生児捕獲して檻にでも入れておいてくれないか?」
「……曲がりなりにも先輩だし人間だから」
「影の会長って言われてる司ならできるだろ?」
「……それ、誰のことかわからないし」
テンポ良く応酬を繰り広げるふたりは息がぴったりだ。
「翠葉ちゃんもおかえり。ケーキ買ってきたから一緒に食べよう」
仕事部屋に通されると、テーブルの上には見覚えのある箱が乗っていた。
白地に灰色のストライプ、ボルドーの文字で「Andante」と書かれた箱は、私の好きなアンダンテ洋菓子店のもの。
「私、お茶淹れます!」
嬉しくて、足取り軽やかにお茶の準備を始める。
電気ケトルにお水を入れてスイッチオン。
ティーポットの用意をしようとハーブティーの缶に手を伸ばし、「あ……」と思って手を止めた。
秋斗さんはハーブティーが飲めるみたいだけど、先輩はどうだろう?
ハーブティーは香りや味が苦手という人も少なくないから少し気になった。
「先輩、ハーブティー苦手じゃないですか?」
「基本的に好き嫌いはない」
「……コーヒー、淹れましょうか?」
「コーヒーは飲みたくなったら自分で淹れる。今はハーブティーでいい」
そう言うと、先輩は棚からケーキプレートを出し始めた。
お茶とケーキが揃うと、秋斗さんは苺タルトが乗ったプレートを私にくれる。
自分にはブルーベリータルト、先輩にはチーズタルト。
「苺のタルトが一番好きなんでしょ?」
「はい」
満面の笑みで答えたけれど――私、そんな話したっけ……?
「……甘いものが好きなわけじゃないけど、アンダンテのケーキならなんでも食べられる。機嫌が悪くてもここのケーキを買って帰るとすぐに機嫌が直る。どんなに食欲がなくてもここのタルトだけはがんばって食べようとする。因みに、一番好きなのは苺タルト」
淡々と話し続けたのは先輩だった。
「どうして知ってるんですか?」
「情報源なんてひとつしかないだろ」
先輩はツンと澄ました顔でティーカップを手に取る。
……確かに、今のは訊いた私が間違っていたと思うけど、そこまでツンツンしなくってもいいのに。
警戒包囲網を緩めてほしいって言われたけれど、これじゃ緩められないよ。
思っていることが顔に出ていたのか、先輩をフォローするように秋斗さんが口を開いた。
「蒼樹がさ、こっちが訊かなくても翠葉ちゃん情報を垂れ流していくんだよね。だから僕たち、意外と翠葉ちゃんのこと詳しいと思うよ」
「……そう、なんですね」
蒼兄、どこで何を話してくれているの……。
ここでの蒼兄と家での蒼兄のギャップが激しくて少し戸惑う。
私は恥ずかしさを紛らわせるために、「いただきます」と苺タルトにフォークを刺した。
口に入れれば、サクサクとしたタルトの香ばしさと甘すぎないカスタードクリーム、酸味を感じない甘い苺が調和する。
美味しくて頬が緩む。と、
「御園生さん情報は強ち外れてない」
その言葉に、ヒク、と頬が引きつる。
「蒼樹曰く、ふにゃっとした至福の顔」
正面に座る秋斗さんと、その隣に座る先輩の視線が痛くて食べづらい。
少しむくれると、秋斗さんがくつくつと笑いだした。
蒼兄のカバ……。
視線を苺タルトに落としていると、カタ、と小さな音を立てて先輩が立ち上がった。
先輩はソファセットの近くで腰をかがめると、床に落ちていた紙を手に取る。
あ、さっきの――
「こういうの、知られたくないならちゃんとしまっておくべきじゃない?」
「すみません……。それ、返していただけますか?」
この短時間ならまだ読まれてはいないだろう。そう思ったのに――
「申し訳ないけど、もう全文に目を通した」
「えっ!? 手に取っただけなのにっ……!?」
「……速読ができればこの程度のものに時間はかからない」
冷ややかに笑う様に背筋がゾクリとした。
動揺したのを悟られたくなくて、自分も言葉を繰り出す。
「芸に秀でていらっしゃるようで羨ましい限りです。でも、見られたのは不覚でした」
「……秋兄には話したんじゃないの? なのに、俺には話すつもりがなかった?」
先輩のツンとした感じがよりきつくなる。
「……いえ、そういうわけでは……あったかもしれませんが……」
「……それ、否定になってないから」
先輩は呆れたような目で私を一瞥すると、ルーズリーフに視線を戻した。
ダイニングスツールに座っていた秋斗さんはクスクスと笑いながら、
「司も心配してたんだよ。たぶん、一年前からずっと。本当に蒼樹は何も話してくれなかったから。で、先日の一件でしょ? 僕や蒼樹に連絡をくれたのも司なんだ」
「え……? そうだったんですか?」
先輩はルーズリーフを見たまま、
「その場で俺にできることがそれしかなかっただけ」
と、端的に話す。
何が起きても動じなさそうな人だけど、やっぱり驚いたのだろうか……。
じっと見ていると、
「……俺をなんだと思ってる?」
格好いいけど、ちょっと冷たくて意地悪な人。
思わず口にしそうになった言葉は頭の中に留める。
「保健室に着く前に意識がなくなるわ、容態もどんどん悪くなるわ血圧なんてあり得ない数値で――一年前の御園生さんの気持ちを察するくらいには驚いた」
主張の仕方が不思議な人だけど、驚いたというより、今は怒っている気がする。
「その人間に対して言うつもりがなかったって何?」
底冷えするような視線を向けられ、心臓が変な動きをした。
不整脈かな、と思いながら胸を手で押さえ、
「すみません……今、改心しました。ごめんなさい……」
(イラスト:涼倉かのこ様)
真面目に謝ったつもりだった。なのに、秋斗さんが吹き出す。
「翠葉ちゃん、面白すぎっ」
言った本人は面白いことを言ったつもりはないのだけど……。
「改心して、話してくれる気になったわけ?」
先輩からはまだ解放されていなかった。
「翠葉ちゃんも司も、お茶が冷めるよ」
後ろから秋斗さんに声をかけられ、とりあえずダイニングテーブルに戻ることにした。
先輩も戻ってはきたけれど、その手にはまだルーズリーフがあるわけで……。
私の視線に気づくと、
「改心したなら話してもらえるものと解釈するけど?」
やっぱり鋭い視線が飛んでくる。
けれども、「冷たい」という印象は少し和らいだかもしれない。
本当に冷たい人ならば、私の病状を訊こうとはしないだろうし関わろうとも思わないはずだから。
先輩のことをうかがい見ていると、
「……人のことサーモグラフィーにかけたりしてないよな?」
どうしてそんなことを訊かれているのか……。
サーモグラフィーにはかけてないけど、冷たいかどうかは考えていただけに、否定はしきれない。
「……あるかもしれないけどどうぞお気になさらずに」
私は色んなことをごまかすために、先輩から視線を引き剥がし、少しぬるくなって飲みやすいハーブティーをゴクゴクと飲んだ。
「ふたりの会話、さっきから変だよ?」
「そうでしょうか? 秋斗さんの気のせいだと思いますよ?」
サクリと返し、今度はこっそりと先輩を盗み見る。
先輩はとても不服そうな顔をしていて、私は私で良心の呵責を少しばかり感じていた。
謝ったほうがいいのかな……。
「……先輩、ごめんなさい。ほんの少し前までは隣に並べないくらいには怖い人だと思っていました。だから、言う言わないじゃなくて、そういう選択肢に入ってなかっただけで……」
良心の呵責プラスアルファで自分をフォローしたつもりだったけれど、
「選択肢に入ってないってもっとひどいと思うけど?」
追撃されて撃沈……。
もしかしたら、今は何を言っても墓穴を掘るだけかもしれない。ならば閉じよう。この口はもう開かずにいよう。
そう思っていると、「今は?」と改めて尋ねられた。
「今なら話せそうです……。でも、もうそれ読んで覚えてしまったのでしょう? それなら、話すことは何もないかなって……」
先輩は「確かに」と、ため息をつくとルーズリーフをテーブルに置いた。
「……よくこれで日常生活が送れる」
「……え?」
「血圧低すぎ」
……どうして? なんで血圧の数値のことがわかるの?
健康な人で、しかも高校生くらいじゃ血圧数値なんて無縁のはずなのに……。
私の疑問を察知したのか秋斗さんが、
「司は医者を目指してるからね。……っていうか、家がそういう家だから、そこら辺の子よりは詳しいと思うよ」
「御園生さんが過保護になるのも仕方がない、か……」
先輩がぼそっとこぼした内容は、さっきの秋斗さんが口にしたものと同様のものだった。
「それ、まるきり同じことをさっき秋斗さんにも言われました」
言うと、ふたりは顔を見合わせ、「こればかりは同感」と言わんばかりの顔をする。
その場の空気はなんとも居心地が悪く、私は苺タルトの幸福感に逃げることにした。
1
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
FRIENDS
緒方宗谷
青春
身体障がい者の女子高生 成瀬菜緒が、命を燃やし、一生懸命に生きて、青春を手にするまでの物語。
書籍化を目指しています。(出版申請の制度を利用して)
初版の印税は全て、障がい者を支援するNPO法人に寄付します。
スコアも廃止にならない限り最終話公開日までの分を寄付しますので、
ぜひお気に入り登録をして読んでください。
90万文字を超える長編なので、気長にお付き合いください。
よろしくお願いします。
※この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、イベント、地域などとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる