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しおりを挟む「俺の友達はすっごいねぇ~」
その声と共に細身の男が私の隣に立つ。王子たちが呼んできたのは、"メイガス"のアーノルドだった。
「アーノルド…貴方がきたのね」
「ん?俺じゃ嫌だった?」
「いえ…そうでは無いんだけれど」
この魔法使いは学園時代に図書館で仲良くなった友達であり、私の密かに想っている相手だ。もちろん、友達にはこの事を隠さず言っている訳で…
友達の方を見ると、若干分からないかくらいでニヤけていた。しかも、フィオリーナはやっちゃえ!とポーズまで決めてくる。
恥ずかしくなって顔を背けると、婚約者が見えた。ワナワナと震えており、お怒りのようだ。
「何だ?それは?今までそんな物を隠して来たのか!だから罪も認めずに飲める自信があったんだな」
「いえ、私も知らなかったわ」
「はぁ…これもシラを通す気なんだな。そんな女を俺の結婚相手とすることは出来ない!お前と婚約破棄をする!」
会場が生き返ったかのようにざわつ来始める。
「分かったわ」
元々貴方の事も好きでは無かったし、運命にうつつを抜かす様な旦那様なんていらない。
その言葉を聞いた男爵令嬢がパァっと顔を輝かせて元婚約者に飛びつく。しかし、その顔は直ぐに切り替えられて私を睨みつける。まるで道化師のように。
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