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15.幸せな家庭をつくろうね

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 数日後──。
 雲ひとつない青空の下、私とライアンの結婚式が執り行われた。

 ウェディングベルの音が高らかに響く中、私とライアンは皆に祝福された。

 私の妹のデイジーも、この式には参列している。

 とても悔しそうにこちらを見るデイジーを見て、デイジーには悪いけれどとてもスカッとした気持ちになった。

 そういうデイジーは、私とライアンを引き裂こうと公爵家に乗り込んでいたことが両親にバレて、無理矢理見合い話を進められているそうだ。

 そんなに結婚したいのならデイジーにもさせてやろうじゃないかという親心からという話らしいが、デイジーにとってはたまったものではないようだ。

 今までのデイジーのことを考えれば、それでも甘いような気がするが、自称人間関係に困ってこなかったというくらいなのだから、せいぜい彼女の力で乗り越えて行ってもらえばいいだろう。

 そんな悔しそうな彼女の隣には、デイジーのことを気に入ったという見合い相手の小太りの男性が常に付き添っている。

 家柄は悪くないそうだが、明らかにデイジーの好みではない。デイジーはその男性が視界に入るたびにシッシッと手でやっているが、全く効果がないようだ。

 そんなデイジーの姿を見て私が思わず陰でクスクスと笑ってしまったところで、ライアンに話しかけられる。


「マリア何をそんなに笑っているんだい」

「あら、ごめんなさい。以前からは想像つかないくらいに幸せになっちゃったなって思って」

「幸せになるのは不安?」

「いいえ。とても楽しみよ。ありがとう、ライアン」

「どういたしまして。幸せな家庭を作っていこう」

「ええ」

「もちろん、毎晩君のことを愛すよ」

「もう、ライアンったら……!」


 結婚パーティーの行われる様子を見ながら、私たちは静かに明るい将来の希望を膨らませた。

 愛されないはずの契約花嫁は、今宵も溺愛されています……!





 〇おしまい〇
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みんなの感想(5件)

桜
2022.06.11

妹にはもっと罰してよかったかもしれないけれど、
お姉さんが幸せならよかった❗

解除
黒蜜きなこ
2022.06.09 黒蜜きなこ

あらすじ、伯爵家になってますよー!

解除
ちゃっぴ〜
2022.06.08 ちゃっぴ〜

両親は妹が今回起こした出来事だけを問題視して、自分達の教育に問題があったことについては理解してないのでしょうか?

マリア自身が実家を離れ幸せになれたから不問としたのであれば、親よりもマリアの方が大人だったってことですかね…
(もしくは大人にさせられた、でしょうか)

結果としてマリアから意識的にいろんなモノを奪い続けてきた妹にざまぁな展開になったので安堵しましたが、途中、何度となく切なくなりました🥺

解除

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