幼女無双~魔王の子供に転生した少女は人間界で無双する~

ninjin

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魔界編

第4話 天使降臨

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 私はあまりにも悪魔の姿が怖かったので、呼び出した悪魔達との契約を丁重にお断りしてしまった。私は魔王の子供に転生したけれど、前の世界では普通の17歳の女子高生だった。可愛いキャラクターや愛くるしいぬいぐるみが好きだった乙女である。人間の時の記憶を持つ女子高生が、奇怪な姿をした強面の悪魔と直に対面したら、「そりゃー驚いて、ビビってしまうのも当然だと思うんですけど」と自分に言い聞かせる。

 魔王の子供に転生したが、魔王城に住む魔族の姿はほぼ人間と変わりはない。違いといえば漆黒の2本のツノ、出し入れ自由の漆黒の翼が生えてたりするくらいであった。前世では異世界アニメ、小説が大好きだったから、異世界に転生しても暮らしていける自信はあった。いやむしろ異世界に転生する事を憧れていた。異世界に転生できると知った時は、どれほど嬉しかったことか……。私の理想は可愛い貴族の令嬢に転生して、異世界でチートスキルを使って無双する勇者だった。だが実際に転生したのは魔界の魔王の子供だった。しかし、ずば抜けた身体能力、魔界最高の魔力量、そしていくらでも吸収する知識力。魔王の子供のポテンシャルはチート級だったので、魔王の子供に転生して良かったと思えるようになっていた。

 厳しいが優しいお母様、私を尊敬しつつもいつも甘えてくる2人の弟。前世の記憶が蘇っても、優しい家族の存在が時期魔王としての自覚を芽生えさせ、いつしか立派な魔王になるという気持ちに満ち溢れていた。まさかこんなにも悪魔の姿が怖いとは思いもしなかった。それは想像の10倍は超えていた。悪魔と対峙しているだけで、今にも腰を抜かして失神してしまいそうな状況だったのに、契約するなんて絶対に無理であった。さて、これからどうしよう。お母様にどのように報告をすれば良いのだろうか?困り果てた私は契りの間で、頭を抱えて座り込んでしまった。

 その時、突如として目の前が金色に光り出し、魔法陣から天使があらわれた。


 「悪魔との契約のやりとりを全て聞かせてもらいました。悪魔との契約を拒む魔王の子なんて、とても面白いお嬢さんですね」


 美しい姿の天使が私に向かって優しく声をかけてくれた。


 「お嬢さんはどうして悪魔との契約を拒んだのでしょうか。もしよろしければ、私に教えて頂けないでしょうか?」


 天使は優しい笑みを浮かべて私に問いかける。


 「天使様、私は魔王の子供に生まれましたが、実は別の世界からの転生者なのです。しかも人間だったのです」


 私は自分の素性を素直に伝えた。


 「前世の世界では悪魔は畏怖の象徴だったので、潜在的に悪魔を見ると怖く感じるのだと思うのです。でも1番の理由は……悪魔の姿が怖かったのです」


 私は涙目で真実を述べる。
 

 「面白い理由ですね。それならば私の能力スキルをお嬢さんに与えてあげましょう!」
 「えっ、本当に良いのですか?私は魔族なのです。基本魔族に能力スキルを与えられるのは悪魔だけと聞いているのです」

 「天使が魔族に能力スキルを与えてはいけないというルールはありません。しかし大きな問題点もあるのです。それを受け入れてもらえるのならば私の能力スキルを与えましょう」
 「大きな問題点?」


 何事も代償無しでは得ることはできないのだろう。


 「そうです。魔族が天使の能力スキルを得るには大きな問題点が生じるのです」


 天使はそう告げると問題点を語り始めた。


 「天使の力は、本来は魔族に与える能力スキルではないのです。なので、能力スキルを与えたくても拒絶反応が起こるのです。しかし1つだけ魔族に能力スキルを与える方法があります。それは、魔石を浄化させることです」


 この世界の住人には、魔力の供給源になる魔石が体内に存在する。天使の説明によると、魔族の魔石の色は黒か紫色であり、その魔石を浄化することで、魔石の色を白色に変える事が出来るらしい。


 「かまわないのです。浄化してくださいなのです」
 「しかし、魔石を浄化すると魔力量が0になり身体能力が著しく低下します。しかも、魔石が白色になったことで、魔族特有のツノと翼の色は黒から白へと変わるでしょう。唯一魔力の影響を受けない知力だけが今の状態に保てる事が出来ます」

 「それは私がレベル0の無能力者になるということでしょうか」
 「そういうことです。しかし、3年という期限付きになります。3年後には浄化された白い魔石は、私の能力スキルを吸収する金色の魔石に変貌して、元の魔力と身体能力を取り戻すことができるのです」


 3年……とても長い気がする。しかし、私には選択権などない。どんな苦難が待ち受けていようとも、このチャンスを逃すわけにはいかないのである。


 「わかったなのです。浄化をお願いするのです」
 「強い信念があるのですね。それなら私の能力スキルをお嬢さんに与えましょう」


 私は天使様の前に跪き頭を下げた。天使様は何やら呟きながら私の頭にそっと手をそえた。すると、私の体からどんどん力が抜けていき、座っていることさえ困難な状況に陥った。


 「これで儀式は終了です。魔石が金色になるには3年の歳月を必要とします。それまでは、かなり不自由な生活になりますが頑張ってください」
 「……」


 私は声すら出すのも辛かった。一方、天使は私に能力スキルを与えて帰ろうとした時、契りの間に大きな声が響いた。


「ちょっと待ったぁ~」


 また誰か来たのです!
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