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第五章
09.噂話は楽しい⋯⋯はずだよね?
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「え? なにそれ⋯⋯バレたらどうなるの?」
「今もまだ原因不明のままだから、文句が言えるのはグレンヴィル卿だけだね。クラリスが俺達の名前を出して探し回るのは学園長に報告してるから、本人に厳重注意してるけど効果がないし」
グレンヴィル侯爵家の行儀見習いだった時は侯爵家に監督責任があるが、寮に入った後は本人に注意するしか方法がない。
「実家は遠いから連絡しても意味がないし」
「そう言えば、トムソン伯爵やベラム男爵はどうなったの?」
その話は帰ってからにしようと言ったアレックスの顔は、少し強張っているように見えた。
「取り敢えず、ヘスターとクラリスには今まで以上に用心した方が良さそうだな」
「で、提案なんだけどさ、アイザック第二王子殿下が今後は昼食を一緒にとらないかって」
アイザック王子は留学してからずっと、側近と共に専用の特別室で休憩や食事をしている。
「表向きは交流の為なんだけど、クソデス問題を話し合いたいみたいなんだよな~。側近が下手こいたらしくて困ってるんだと。
王子専用の特別室なら逃げ場にできるから、俺達にとっても悪くない話だぜ?」
「じゃあ、明日の昼休憩から伺うとお伝えしてくれるか? ローラ達も良いかな?」
「うん、もちろんオッケー」
「わたくしも」
「じゃあ、食事は5人追加でプリンは禁止って言っとくな」
「あ! プリンはありに決まってんじゃん」
トムソン伯爵やベラム男爵の話を放課後にしたのは、何か問題が見つかったのだろう。食堂を出るとジェラルドがエレーナの頭を突然撫でてきた。
「突然どうしたの?」
「いや~、なんとなく? 俺がついてるから、そんな顔すんなって」
不安を抱えていたのがバレていたらしい。ジェラルドのお陰で少し笑顔が戻ったエレーナは、ケラケラと笑うローラの手を引いて教室に戻り、午後の授業の準備をはじめた。
(ひとりじゃないって、すごくあったかい)
王宮のローラの部屋に集まったのはいつものメンバー5人⋯⋯ローラ・エレーナ・アレックス・セドリック・ジェラルド。今日はセドリック達の従姉妹のセレナも参加している。
シェイラード王国に留学中のミリアがいれば、オルシーニとキャンベルの子供達は全員集合になる。
「で、で、トムソン伯爵やベラム男爵はどうなったの?」
6人分のお茶とお菓子を並べたメイドが部屋を出た途端、ローラが身を乗り出した。婚約破棄した後のローラにとって、ヘスターやクラリスの話は他人事。新しい噂話はいつでもワクワクする。
「トムソン伯爵の話では、トムソン伯爵夫人の叔母さんがお茶会で頼まれてきたんだ」
人のお世話が好きなトムソン伯爵夫人の叔母は、しょっちゅう厄介事を持ち込むらしく、クラリスの件もその一つ。
「その叔母さんはお茶会で頼まれたけど、誰に頼まれたのかよく覚えていないんだ。でも、約束した次の週にはクラリスがトランクを持ってやって来たから、断れなかった」
助けを求めて来た叔母に文句を言いつつクラリスに会い、話を聞いてみると『とても感じのいい女の子』だと思ったトムソン卿は『ここまで来て断るのは可哀想』だと世話を引き受けた。
「でも、子供のいないトムソン卿や夫人には荷が重い。どうしたものかと悩んでいる時に参加した夜会で『グレンヴィル卿には15歳の息子がいる』と誰かが話してるのが聞こえたんだ。で、これ幸いと押し付けた」
「なにそれ⋯⋯超怪しくない? 押し付けられたグレンヴィルのおじさまが怒ってそう」
「詳しく話を聞かずに引き受けたんだから、お互い様だわ」
「そうとも言うけど⋯⋯」
セレナの事が少し苦手なローラは思わず口ごもって、マカロンを口に放り込んだ。
生真面目なセレナと末っ子気質で甘えん坊のローラ。2人が揉めるたびに、おっとりして見えるけどやんちゃなミリアが間に入っていたが、ミリアが留学中の今はしょっちゅう揉めている。
話に聞いたことのあるエレーナの祖母と同じ名前を持つセレナは、エレーナの祖父レイモンドの妹リディアの初孫。
エレーナの祖母セレナは、亡くなるまで何度もリディアに会いに来ていたらしく、産まれた孫の名前は満場一致で決まったと言う。
『セレナ様のような女性に育ってね』
その翌年、双子が産まれた時にどちらかの名前を『レイモンド』にするかと聞かれたリディアは速攻で断った。
『お兄様のような悪戯好きになったら、お世話が大変すぎるわ』
リディアの願いも虚しく、双子は元気いっぱいな悪戯っ子に成長した。
「嵌められたってハッキリ言ってもいんじゃね?」
「その可能性の方が高いと、陛下や父上も仰っておられた」
「トムソン卿も魅了にやられてたんじゃないかな。クラリスがどうやったのかはまだ分かっていないけど、そう考えなければ辻褄が合わない。どうせトムソン卿はベラム男爵の事を知らないんだろ?」
セドリックがそう考えたのは⋯⋯ 友人であっても、身元のはっきりしない15歳の女の子を、格上の貴族に押し付けるのは普通に考えれば有り得ないから。
「誰に頼まれたのか覚えていないトムソン夫人の叔母様、イヤイヤながら会ったのに突然世話を引き受けたトムソン卿。夜会でたまたま『15歳の息子』がいると誰かが言った。おかしな事が揃いすぎてるわ」
「エレーナもそう思うだろ? 叔母さんが参加したお茶会のメンバーに問い合わせても、誰も知らないって言ったそうだ。もちろん、夜会の参加者もそんな話をした覚えはないって断言した。
それに、トムソン卿がその夜会に参加した事自体たまたまだったらしい」
その日の夜会へ参加するつもりはなかったが、縁を作りたいと思っていた商売相手が参加するらしい、と聞いたトムソン卿は急遽参加を決めた。
「商売相手とやらはいなかったんだろ? で、誰に聞いたのか覚えていない」
「そう言う事。陛下や父上はもちろん魔法の関与を疑っておられる」
アレックスに全員の目が集まった。
「ベラム男爵の話はもっと怪しいんだ。クラリスは養女で、昔はすごく大人しい子だったんだけど、15歳を過ぎて様子が変わった。
突然国外の人と文通をはじめたかと思うと、友達に招待されたと言って出かけて、1ヶ月経っても帰ってこなかった。で、帰って来て暫くしたら『魔法が使えた!』って叫んだんだ」
「15歳の子が、1ヶ月以上もどこに行ってたの?」
「それが⋯⋯」
アレックスが言い淀んだのを見たエレーナが呟いた。
「公国かアルムヘイル?」
「⋯⋯そう。クラリスはどこに行ったのか言わなかったんだけど、帰ってこない娘を心配した母親が部屋を調べたら、クローゼットの奥に手紙の束が隠してあったんだ。
手紙の送り主は公国のトルバーン地方にある孤児院だけど、中にあった手紙の主はアルムヘイルの貴族で、タビサ・ライエン伯爵夫人」
(トルバーン地方にある孤児院とライエン伯爵夫人⋯⋯間違いないわ。やっぱりクラリスは⋯⋯)
「帰って来た時、両親がクラリスに色々聞いたそうなんだけど何も言わなかった。で、魔法が使えるようになったって言って喜んでいたと思ったら、魔法学園への編入をお世話してくれる人がいるからって言った途端、家を飛び出したんだ」
「お世話してくださる方の名前は?」
「ベラム男爵夫妻は聞いてない。聞く前に飛び出して、そのまま音信不通になったから、探すこともできなかった。学園に問い合わせの手紙を出したけど返事が来なかったって。
魔法学園に入学できるって言う話が嘘なんじゃないかと思ったけど、念の為王都に行くかと話し合っていたら⋯⋯学園の編入試験に受かったし、学費は援助してくれる人がいる。田舎者だと笑われるから連絡はしないでくれって手紙が届いた」
「それで放っておいたの? 随分と無責任じゃないかしら」
「まあ、そうなんだけどね。ほら、クラリスがどこに住んで誰の援助を受けてるかも分からない状況だったから、探しに行けなかったとベラム男爵夫妻は言ってるから。
学園がはじまったから面会に行こうと準備していたら、司法省から役人が来て唖然としたそうだ」
「その時には『タイプ・ヒロイン』に認定されて休学してたと⋯⋯なんか怪しさがてんこ盛りすぎて、気持ち悪いよな~」
「魔法学園の話になったのがいつなのか、どんな経緯で決まったのかとかは?」
「魔法が使えるようになったばかりの頃、手紙が届いたって言ってる。差出人は匿名だって書かれてたから分からないし、手紙は移動中になくしたって。可能性に気が付いてくれた善意の支援者だと言い続けてる」
「学費を援助してくれた人の事を話したんじゃないんだ。なんか驚きすぎて⋯⋯」
魔法学園の学費はかなり高額で、4年生から編入するなら3年分の学費負担を覚悟しなくてはならない。もちろん、奨学金や学費免除などの制度はあるが、かなり難易度が高い。
「クラリスは援助してくれた人のことは匿名だったから知らないの一点張りなんだ。トムソン伯爵夫人の叔母さんの家の住所が書いてあって、そこに行くように書かれてた事と、学費は全納しておくと書かれてたのは覚えてるけど、魔法学園に通えるのが嬉しくて、それ以外の事は覚えてないそうだ。
実際、言われた住所を尋ねたら部屋に案内されたから『これで合ってた』と思って忘れてしまったと言ってる。
学園には卒業までの学費が一括で納められていて、現金でのやり取りでサインはベラム男爵になってる」
「クラリスってやっぱり最低だよ~。そんな大事な事を忘れるとか信じらんない」
「忘れたなんてありえないわ。だって大金を出してくれて、学園に編入できるようお世話してくれた方よ? 最低でもお礼を言いたいとか思うのが普通じゃない。そんな話を信じたの?」
「誰も信じてないに決まってるよ。だけど、知らない・覚えてないって言われたら何も言えないだろ?」
「今もまだ原因不明のままだから、文句が言えるのはグレンヴィル卿だけだね。クラリスが俺達の名前を出して探し回るのは学園長に報告してるから、本人に厳重注意してるけど効果がないし」
グレンヴィル侯爵家の行儀見習いだった時は侯爵家に監督責任があるが、寮に入った後は本人に注意するしか方法がない。
「実家は遠いから連絡しても意味がないし」
「そう言えば、トムソン伯爵やベラム男爵はどうなったの?」
その話は帰ってからにしようと言ったアレックスの顔は、少し強張っているように見えた。
「取り敢えず、ヘスターとクラリスには今まで以上に用心した方が良さそうだな」
「で、提案なんだけどさ、アイザック第二王子殿下が今後は昼食を一緒にとらないかって」
アイザック王子は留学してからずっと、側近と共に専用の特別室で休憩や食事をしている。
「表向きは交流の為なんだけど、クソデス問題を話し合いたいみたいなんだよな~。側近が下手こいたらしくて困ってるんだと。
王子専用の特別室なら逃げ場にできるから、俺達にとっても悪くない話だぜ?」
「じゃあ、明日の昼休憩から伺うとお伝えしてくれるか? ローラ達も良いかな?」
「うん、もちろんオッケー」
「わたくしも」
「じゃあ、食事は5人追加でプリンは禁止って言っとくな」
「あ! プリンはありに決まってんじゃん」
トムソン伯爵やベラム男爵の話を放課後にしたのは、何か問題が見つかったのだろう。食堂を出るとジェラルドがエレーナの頭を突然撫でてきた。
「突然どうしたの?」
「いや~、なんとなく? 俺がついてるから、そんな顔すんなって」
不安を抱えていたのがバレていたらしい。ジェラルドのお陰で少し笑顔が戻ったエレーナは、ケラケラと笑うローラの手を引いて教室に戻り、午後の授業の準備をはじめた。
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王宮のローラの部屋に集まったのはいつものメンバー5人⋯⋯ローラ・エレーナ・アレックス・セドリック・ジェラルド。今日はセドリック達の従姉妹のセレナも参加している。
シェイラード王国に留学中のミリアがいれば、オルシーニとキャンベルの子供達は全員集合になる。
「で、で、トムソン伯爵やベラム男爵はどうなったの?」
6人分のお茶とお菓子を並べたメイドが部屋を出た途端、ローラが身を乗り出した。婚約破棄した後のローラにとって、ヘスターやクラリスの話は他人事。新しい噂話はいつでもワクワクする。
「トムソン伯爵の話では、トムソン伯爵夫人の叔母さんがお茶会で頼まれてきたんだ」
人のお世話が好きなトムソン伯爵夫人の叔母は、しょっちゅう厄介事を持ち込むらしく、クラリスの件もその一つ。
「その叔母さんはお茶会で頼まれたけど、誰に頼まれたのかよく覚えていないんだ。でも、約束した次の週にはクラリスがトランクを持ってやって来たから、断れなかった」
助けを求めて来た叔母に文句を言いつつクラリスに会い、話を聞いてみると『とても感じのいい女の子』だと思ったトムソン卿は『ここまで来て断るのは可哀想』だと世話を引き受けた。
「でも、子供のいないトムソン卿や夫人には荷が重い。どうしたものかと悩んでいる時に参加した夜会で『グレンヴィル卿には15歳の息子がいる』と誰かが話してるのが聞こえたんだ。で、これ幸いと押し付けた」
「なにそれ⋯⋯超怪しくない? 押し付けられたグレンヴィルのおじさまが怒ってそう」
「詳しく話を聞かずに引き受けたんだから、お互い様だわ」
「そうとも言うけど⋯⋯」
セレナの事が少し苦手なローラは思わず口ごもって、マカロンを口に放り込んだ。
生真面目なセレナと末っ子気質で甘えん坊のローラ。2人が揉めるたびに、おっとりして見えるけどやんちゃなミリアが間に入っていたが、ミリアが留学中の今はしょっちゅう揉めている。
話に聞いたことのあるエレーナの祖母と同じ名前を持つセレナは、エレーナの祖父レイモンドの妹リディアの初孫。
エレーナの祖母セレナは、亡くなるまで何度もリディアに会いに来ていたらしく、産まれた孫の名前は満場一致で決まったと言う。
『セレナ様のような女性に育ってね』
その翌年、双子が産まれた時にどちらかの名前を『レイモンド』にするかと聞かれたリディアは速攻で断った。
『お兄様のような悪戯好きになったら、お世話が大変すぎるわ』
リディアの願いも虚しく、双子は元気いっぱいな悪戯っ子に成長した。
「嵌められたってハッキリ言ってもいんじゃね?」
「その可能性の方が高いと、陛下や父上も仰っておられた」
「トムソン卿も魅了にやられてたんじゃないかな。クラリスがどうやったのかはまだ分かっていないけど、そう考えなければ辻褄が合わない。どうせトムソン卿はベラム男爵の事を知らないんだろ?」
セドリックがそう考えたのは⋯⋯ 友人であっても、身元のはっきりしない15歳の女の子を、格上の貴族に押し付けるのは普通に考えれば有り得ないから。
「誰に頼まれたのか覚えていないトムソン夫人の叔母様、イヤイヤながら会ったのに突然世話を引き受けたトムソン卿。夜会でたまたま『15歳の息子』がいると誰かが言った。おかしな事が揃いすぎてるわ」
「エレーナもそう思うだろ? 叔母さんが参加したお茶会のメンバーに問い合わせても、誰も知らないって言ったそうだ。もちろん、夜会の参加者もそんな話をした覚えはないって断言した。
それに、トムソン卿がその夜会に参加した事自体たまたまだったらしい」
その日の夜会へ参加するつもりはなかったが、縁を作りたいと思っていた商売相手が参加するらしい、と聞いたトムソン卿は急遽参加を決めた。
「商売相手とやらはいなかったんだろ? で、誰に聞いたのか覚えていない」
「そう言う事。陛下や父上はもちろん魔法の関与を疑っておられる」
アレックスに全員の目が集まった。
「ベラム男爵の話はもっと怪しいんだ。クラリスは養女で、昔はすごく大人しい子だったんだけど、15歳を過ぎて様子が変わった。
突然国外の人と文通をはじめたかと思うと、友達に招待されたと言って出かけて、1ヶ月経っても帰ってこなかった。で、帰って来て暫くしたら『魔法が使えた!』って叫んだんだ」
「15歳の子が、1ヶ月以上もどこに行ってたの?」
「それが⋯⋯」
アレックスが言い淀んだのを見たエレーナが呟いた。
「公国かアルムヘイル?」
「⋯⋯そう。クラリスはどこに行ったのか言わなかったんだけど、帰ってこない娘を心配した母親が部屋を調べたら、クローゼットの奥に手紙の束が隠してあったんだ。
手紙の送り主は公国のトルバーン地方にある孤児院だけど、中にあった手紙の主はアルムヘイルの貴族で、タビサ・ライエン伯爵夫人」
(トルバーン地方にある孤児院とライエン伯爵夫人⋯⋯間違いないわ。やっぱりクラリスは⋯⋯)
「帰って来た時、両親がクラリスに色々聞いたそうなんだけど何も言わなかった。で、魔法が使えるようになったって言って喜んでいたと思ったら、魔法学園への編入をお世話してくれる人がいるからって言った途端、家を飛び出したんだ」
「お世話してくださる方の名前は?」
「ベラム男爵夫妻は聞いてない。聞く前に飛び出して、そのまま音信不通になったから、探すこともできなかった。学園に問い合わせの手紙を出したけど返事が来なかったって。
魔法学園に入学できるって言う話が嘘なんじゃないかと思ったけど、念の為王都に行くかと話し合っていたら⋯⋯学園の編入試験に受かったし、学費は援助してくれる人がいる。田舎者だと笑われるから連絡はしないでくれって手紙が届いた」
「それで放っておいたの? 随分と無責任じゃないかしら」
「まあ、そうなんだけどね。ほら、クラリスがどこに住んで誰の援助を受けてるかも分からない状況だったから、探しに行けなかったとベラム男爵夫妻は言ってるから。
学園がはじまったから面会に行こうと準備していたら、司法省から役人が来て唖然としたそうだ」
「その時には『タイプ・ヒロイン』に認定されて休学してたと⋯⋯なんか怪しさがてんこ盛りすぎて、気持ち悪いよな~」
「魔法学園の話になったのがいつなのか、どんな経緯で決まったのかとかは?」
「魔法が使えるようになったばかりの頃、手紙が届いたって言ってる。差出人は匿名だって書かれてたから分からないし、手紙は移動中になくしたって。可能性に気が付いてくれた善意の支援者だと言い続けてる」
「学費を援助してくれた人の事を話したんじゃないんだ。なんか驚きすぎて⋯⋯」
魔法学園の学費はかなり高額で、4年生から編入するなら3年分の学費負担を覚悟しなくてはならない。もちろん、奨学金や学費免除などの制度はあるが、かなり難易度が高い。
「クラリスは援助してくれた人のことは匿名だったから知らないの一点張りなんだ。トムソン伯爵夫人の叔母さんの家の住所が書いてあって、そこに行くように書かれてた事と、学費は全納しておくと書かれてたのは覚えてるけど、魔法学園に通えるのが嬉しくて、それ以外の事は覚えてないそうだ。
実際、言われた住所を尋ねたら部屋に案内されたから『これで合ってた』と思って忘れてしまったと言ってる。
学園には卒業までの学費が一括で納められていて、現金でのやり取りでサインはベラム男爵になってる」
「クラリスってやっぱり最低だよ~。そんな大事な事を忘れるとか信じらんない」
「忘れたなんてありえないわ。だって大金を出してくれて、学園に編入できるようお世話してくれた方よ? 最低でもお礼を言いたいとか思うのが普通じゃない。そんな話を信じたの?」
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