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48.愛の巣に囚われるのは誰だ!?
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部屋から出て受付の前を通りかかったロクサーナに、宿の主人が珍しく声をかけた。
「お出かけになられますか?」
「ええ、外が騒がしいようですが、なにかありましたの?」
「城で爆発騒ぎがあったらしくて、お出かけは控えられた方がよろしいかと」
「まあ、爆発⋯⋯それでは大通りも危険なのかしら? 出発する前に家族にお土産でもと思ったのですけれど⋯⋯」
不安そうな顔で外の様子を伺ったロクサーナが、頬に手を当てて首を傾げた。
「祭りの最中で人通りが増えておりましたところにこの騒ぎですから、怪しげな者も徘徊しているかもしれません。もう少ししたら憲兵達がでて、騒ぎを鎮めてくれるとは思うのですが」
「じゃあ、お部屋にいた方が安全ね。レン、部屋に戻りましょう。買い物は、しばらく様子を見てからにするわね」
ロクサーナは宿の主人にお礼を言ってから、レオンを従えて階段を上って行った。
「さ~て、これでアリバイはできたし⋯⋯ちょっとドワーフの村に行ってくるから、誰か来たら僕は寝てるってことにしてくれるかな。あ、それとこれを渡しとく。
通信鏡って名前の魔導具⋯⋯使い方はここを⋯⋯で、その時は⋯⋯」
「通信鏡なんて聞いたことないよ。顔を見ながら話ができるって⋯⋯魔鳥の手紙より凄いじゃん」
「そりゃあ、僕が作った魔導具でまだ誰にも売ってないからね。帰ってきたらローブと一緒に絶対に回収するからね。
先に言っとくけど、あげないし貸さない。じゃあ、行ってくるね~」
「ま、待って! 俺もドワーフに会ってみたいから、一緒に連れてってくれない?」
「⋯⋯何のために?」
「え? ドワーフだよ? 会ってみたいに決まってるじゃん。連れてくくらいいいだろ?」
「はぁ、いい加減にしてくれないかな。これ以上レオンの興味に付き合う暇なんてないから。ドワーフに会いたいなら、自分で探したら? もちろん、僕とは関係ないとこでね」
元々ひとりでやるつもりでいたロクサーナにとって、レオンにして欲しい事は何もなかった。
(無駄に整った顔を利用したのと、魔導具を破壊するのをしてもらったくらい⋯⋯正直言って、いてもいなくても大して変わんなかったって気が付いてないのかな)
「でも、魔導具壊して救出に協力してあげたんだし、会いたいって思ってもいいんじゃないかな」
ドワーフも会いたがってるはずだと言うレオンは、本気でそれを確信しているらしい。
「はっきり言わせてもらうけど⋯⋯レオンがいなくても魔導具は壊せたし、救出を失敗する可能性もなかった。ついて来るって言うのに何もしないのは、退屈だろうから仕事を頼んだんだ。後ろをついて回られるよりはマシだからね。
それなのに『救出に協力してあげた』なんてドワーフに恩を着せるような言い方をするとか、ちょっと笑えるよ」
「でも⋯⋯」
「僕は何度でも転移できるし空から探せるから、魔導具を見つけて壊すのはたいした手間じゃないんだ。
ここまで言わなくちゃいけなくなるような事をこれ以上しないでくれ。本当は最後まで黙っていたかったんだから」
悲しそうな顔のロクサーナが転移した。
「役に⋯⋯確かにそうだよな」
ドワーフの村に着くと予想通りと言うべきか、盛大な酒盛りの真っ最中だった。
「ジルか! おーい! 村の英雄ジルが来たぞぉぉ」
酔って赤い顔(多分)のドワーフが千鳥足で駆け出し⋯⋯転んでフラフラと立ち上がった。
「ん? わしは何をしよったんかいの⋯⋯うーん⋯⋯ほうじゃ! ジルが来たぞぉぉ」
「ジル~! こっちきて、皆の顔を見てくれんねぇぇ」
大きなジョッキを持って手を振るドワーフや、ロクサーナに向かって走り出す子供達。陽気に踊り歌うその姿に、任務達成の喜びが膨れ上がった。
(こんなに嬉しい仕事は今までなかったかも)
ドワーフ達の喜ぶ顔を遠目に眺めてから、村長と一緒に村の外れに向かった。
「皆を助けてくれてありがとう」
「礼はいいよ。仕事だっただけだから」
「ほんでも、こんなに早く奴らに会えるとは思うとらんかったけん」
「報酬の剣は出来次第連絡してくれるかな。これは通信鏡って言って⋯⋯」
使い方を説明した後、帝都の宿に帰ろうとしたロクサーナを村長が引き留めた。
「みんなジルが来るのを待っとるけん、祝いに参加してくれんかね」
「ありがとう、さっきちょっと顔を見れたから⋯⋯まだやる事が残ってるんだ。剣ができたら来るし⋯⋯それとね、帝国が何か言ってきたら連絡くれる? アフターサービスで請け負うから。内容によっては有料だけどね」
「ああ、分かった。見たこともないような凄い剣を作るけん、楽しみにしとりんさい」
「うん、ありがとう」
帝都が厳戒態勢を敷く中、薬師のニーナは従者のレンを連れて悠々と関所を抜けた。
「馬車も預けてたんだ。来る時の御者はどうしたの?」
「ひ・み・ちゅ」
しばらく道を走り、人気のない木立で馬車を停め馬車を収納してダンザリアム王国の森の中に転移。
着替えを済ませ、レオンが未練がましい顔をしているのを無視して通信鏡やローブを回収した。
「今回の事は誰にも話さないから、これからもよろしく」
「⋯⋯まだ忙しいから、しばらくは無理かも(明日ギルドに顔を出したら、この町を離れよう)」
翌日、ギルドに顔を出したロクサーナとレオン。
「レオンさん、お久しぶりです。今回は長かったですね。お帰りをお待ちしてました~」
元気いっぱいお色気たっぷりの受付嬢が張り切って声をかけて来た。
「少し奥の方に行ってみたくてさ、森に篭ってたんだ。何か良さそうな依頼とか出たかな」
「う~ん、レオンさんくらいの実力のある方でしたら、これなんかどうですか? 今月末騎士団の遠征があるんですけどね、優秀な冒険者が数人必要らしくて⋯⋯詳しい事は依頼を受けた後にしか言えないんですけど⋯⋯王族の方とか高位貴族の方も参加される『聖女様を囲む会』が、リューズベイであるって話です」
(全部言ってるじゃん! レベッカ、なにすんのかなぁ)
【ヒールミストで漁師さん達の指のささくれでも治すとか】
【リューズベイのお魚だよ~、行きた~い】
(確かに、お魚は魅力的⋯⋯)
「聖女を囲む会⋯⋯ねえ、その聖女って何歳くらいか知ってる?」
「聖王国から王立学園に留学しておられる1年生だから、15歳か16歳かしら」
「聖王国の聖女で⋯⋯15歳か16歳ならもしかして⋯⋯」
(違うからね~⋯⋯レオンの顔を見たらレベッカはどうするんだろう。イケメンと王子のどっちを選ぶとかなるのかな?⋯⋯これは面白くなってきたかも~)
【放っておこうよ】
【むしむし~】
(もちろん、教えないよ? なんでも自分の目で確かめるのが一番!)
あれから10年以上経っているが、今までレオンが『事故の時に自分を助けてくれた聖女』を探しに来た気配はない。
(たまたま聖女が近くにいるって聞いたから『会いに行こう』って思ってるだけでしょ? なら、ほっとけばいいんじゃないかな。珍しいイベントとしては楽しめるかもしれないしね)
「その依頼、受けるから詳しく教えてくれる?」
(レオン、レベッカの巣を囚われるのか!? 乞うご期待)
「お出かけになられますか?」
「ええ、外が騒がしいようですが、なにかありましたの?」
「城で爆発騒ぎがあったらしくて、お出かけは控えられた方がよろしいかと」
「まあ、爆発⋯⋯それでは大通りも危険なのかしら? 出発する前に家族にお土産でもと思ったのですけれど⋯⋯」
不安そうな顔で外の様子を伺ったロクサーナが、頬に手を当てて首を傾げた。
「祭りの最中で人通りが増えておりましたところにこの騒ぎですから、怪しげな者も徘徊しているかもしれません。もう少ししたら憲兵達がでて、騒ぎを鎮めてくれるとは思うのですが」
「じゃあ、お部屋にいた方が安全ね。レン、部屋に戻りましょう。買い物は、しばらく様子を見てからにするわね」
ロクサーナは宿の主人にお礼を言ってから、レオンを従えて階段を上って行った。
「さ~て、これでアリバイはできたし⋯⋯ちょっとドワーフの村に行ってくるから、誰か来たら僕は寝てるってことにしてくれるかな。あ、それとこれを渡しとく。
通信鏡って名前の魔導具⋯⋯使い方はここを⋯⋯で、その時は⋯⋯」
「通信鏡なんて聞いたことないよ。顔を見ながら話ができるって⋯⋯魔鳥の手紙より凄いじゃん」
「そりゃあ、僕が作った魔導具でまだ誰にも売ってないからね。帰ってきたらローブと一緒に絶対に回収するからね。
先に言っとくけど、あげないし貸さない。じゃあ、行ってくるね~」
「ま、待って! 俺もドワーフに会ってみたいから、一緒に連れてってくれない?」
「⋯⋯何のために?」
「え? ドワーフだよ? 会ってみたいに決まってるじゃん。連れてくくらいいいだろ?」
「はぁ、いい加減にしてくれないかな。これ以上レオンの興味に付き合う暇なんてないから。ドワーフに会いたいなら、自分で探したら? もちろん、僕とは関係ないとこでね」
元々ひとりでやるつもりでいたロクサーナにとって、レオンにして欲しい事は何もなかった。
(無駄に整った顔を利用したのと、魔導具を破壊するのをしてもらったくらい⋯⋯正直言って、いてもいなくても大して変わんなかったって気が付いてないのかな)
「でも、魔導具壊して救出に協力してあげたんだし、会いたいって思ってもいいんじゃないかな」
ドワーフも会いたがってるはずだと言うレオンは、本気でそれを確信しているらしい。
「はっきり言わせてもらうけど⋯⋯レオンがいなくても魔導具は壊せたし、救出を失敗する可能性もなかった。ついて来るって言うのに何もしないのは、退屈だろうから仕事を頼んだんだ。後ろをついて回られるよりはマシだからね。
それなのに『救出に協力してあげた』なんてドワーフに恩を着せるような言い方をするとか、ちょっと笑えるよ」
「でも⋯⋯」
「僕は何度でも転移できるし空から探せるから、魔導具を見つけて壊すのはたいした手間じゃないんだ。
ここまで言わなくちゃいけなくなるような事をこれ以上しないでくれ。本当は最後まで黙っていたかったんだから」
悲しそうな顔のロクサーナが転移した。
「役に⋯⋯確かにそうだよな」
ドワーフの村に着くと予想通りと言うべきか、盛大な酒盛りの真っ最中だった。
「ジルか! おーい! 村の英雄ジルが来たぞぉぉ」
酔って赤い顔(多分)のドワーフが千鳥足で駆け出し⋯⋯転んでフラフラと立ち上がった。
「ん? わしは何をしよったんかいの⋯⋯うーん⋯⋯ほうじゃ! ジルが来たぞぉぉ」
「ジル~! こっちきて、皆の顔を見てくれんねぇぇ」
大きなジョッキを持って手を振るドワーフや、ロクサーナに向かって走り出す子供達。陽気に踊り歌うその姿に、任務達成の喜びが膨れ上がった。
(こんなに嬉しい仕事は今までなかったかも)
ドワーフ達の喜ぶ顔を遠目に眺めてから、村長と一緒に村の外れに向かった。
「皆を助けてくれてありがとう」
「礼はいいよ。仕事だっただけだから」
「ほんでも、こんなに早く奴らに会えるとは思うとらんかったけん」
「報酬の剣は出来次第連絡してくれるかな。これは通信鏡って言って⋯⋯」
使い方を説明した後、帝都の宿に帰ろうとしたロクサーナを村長が引き留めた。
「みんなジルが来るのを待っとるけん、祝いに参加してくれんかね」
「ありがとう、さっきちょっと顔を見れたから⋯⋯まだやる事が残ってるんだ。剣ができたら来るし⋯⋯それとね、帝国が何か言ってきたら連絡くれる? アフターサービスで請け負うから。内容によっては有料だけどね」
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「うん、ありがとう」
帝都が厳戒態勢を敷く中、薬師のニーナは従者のレンを連れて悠々と関所を抜けた。
「馬車も預けてたんだ。来る時の御者はどうしたの?」
「ひ・み・ちゅ」
しばらく道を走り、人気のない木立で馬車を停め馬車を収納してダンザリアム王国の森の中に転移。
着替えを済ませ、レオンが未練がましい顔をしているのを無視して通信鏡やローブを回収した。
「今回の事は誰にも話さないから、これからもよろしく」
「⋯⋯まだ忙しいから、しばらくは無理かも(明日ギルドに顔を出したら、この町を離れよう)」
翌日、ギルドに顔を出したロクサーナとレオン。
「レオンさん、お久しぶりです。今回は長かったですね。お帰りをお待ちしてました~」
元気いっぱいお色気たっぷりの受付嬢が張り切って声をかけて来た。
「少し奥の方に行ってみたくてさ、森に篭ってたんだ。何か良さそうな依頼とか出たかな」
「う~ん、レオンさんくらいの実力のある方でしたら、これなんかどうですか? 今月末騎士団の遠征があるんですけどね、優秀な冒険者が数人必要らしくて⋯⋯詳しい事は依頼を受けた後にしか言えないんですけど⋯⋯王族の方とか高位貴族の方も参加される『聖女様を囲む会』が、リューズベイであるって話です」
(全部言ってるじゃん! レベッカ、なにすんのかなぁ)
【ヒールミストで漁師さん達の指のささくれでも治すとか】
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(確かに、お魚は魅力的⋯⋯)
「聖女を囲む会⋯⋯ねえ、その聖女って何歳くらいか知ってる?」
「聖王国から王立学園に留学しておられる1年生だから、15歳か16歳かしら」
「聖王国の聖女で⋯⋯15歳か16歳ならもしかして⋯⋯」
(違うからね~⋯⋯レオンの顔を見たらレベッカはどうするんだろう。イケメンと王子のどっちを選ぶとかなるのかな?⋯⋯これは面白くなってきたかも~)
【放っておこうよ】
【むしむし~】
(もちろん、教えないよ? なんでも自分の目で確かめるのが一番!)
あれから10年以上経っているが、今までレオンが『事故の時に自分を助けてくれた聖女』を探しに来た気配はない。
(たまたま聖女が近くにいるって聞いたから『会いに行こう』って思ってるだけでしょ? なら、ほっとけばいいんじゃないかな。珍しいイベントとしては楽しめるかもしれないしね)
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