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33.北の森で、あの人を探せ!
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一月の終わりに雪が積もり、暇になったジルはドワーフ探しをすることにした。
【ふふん、レオンは置いてけぼり~】
【放置プレイなの~】
久しぶりに他人⋯⋯レオンが居ないからか、ミュウ達のテンションが異様に高い。
「ではでは、初の北の森に転移しまっす!」
いつもスタンピードが起きるのは西と南の森。南側の森で大凡の予測をつけたロクサーナは、雪解けを待って西側の森の調査に行く予定でいる。
「いや~、わざわざいっちば~ん寒い時期に凍りついた北の森に来るこの勇気! 感激だね」
【テンション高い】
「そりゃ、初めての場所だもんね。しかもしかも⋯⋯伝説のドワーフ捕獲、じゃなかったドワーフとの遭遇を求めてるんだもん。これが興奮せずにいられますか!」
討伐やその他の依頼をいつも1人でこなしていた為、制約なしで動き回るのに慣れているロクサーナは、レオンと一緒に行動する事でかなりストレスが溜まっていた。
「誰かと一緒に行動するのって、楽しい事もあるけど疲れるねえ。ミュウ達だけいれば十分だってよく分かったよ」
【レオンは甘えてばっかり】
【あの子はぁ、ダメダメ~。燃やしちゃいそう~】
過激なピッピの言葉に苦笑いを浮かべ、絶好調の気分で空を飛びながら景色を眺めていると、ふわふわと雪が降りはじめた。
「アラクネちゃんの魔糸のお陰であったかぬくぬく~」
アラクネの魔糸で作ったフード付きのローブと手袋は、真冬の空でも全く寒さを感じないが⋯⋯。
ローブの裏とフードの縁や袖口にはロシアンセーブルの毛皮を使い、防水・防火・防塵⋯⋯ありとあらゆる付与をかけまくっている。ピッピがどこかから持ってきた不死鳥の羽根を粉末にして錬金した銀色の刺繍糸で、幾つかの小さな刺繍が刺してあるのはミュウ達の希望。
艶やかな黒褐色の毛皮が白銀に光るローブを縁取り、太陽光が当たると虹色に輝きはじめる。
「あのアラクネ様の魔糸で、お値段は天井知らず~。わっはっは」
【素材と付与で神級のローブになってる⋯⋯物欲のないロクサーナが欲しがる物はどれも⋯⋯ぶるぶる】
【アタシがあげた羽根も使ってるしね~】
「うん、次は剣をゲットだぜ~!」
真っ白い雪を被った針葉樹が続く空を飛び続け、粉雪が舞い上がり視界を遮った先に見えたのは⋯⋯。
開けた土地に小さな家がいくつも並び、煙突から煙が上がっている。三角屋根と大きな窓、雪を被った畑の隣は柵に覆われた放牧場。
村の近くには小高い山と凍りついた池。
【魔狼や魔狐⋯⋯珍しいね雪豹の子供がいるよ!】
【雪兎、可愛ぃ】
氷属性のミュウは喜んでいるが、火属性のピッピは少しテンションが低い。
「ピッピって寒いの平気?」
【だ、だ、大丈夫だよ~、ピッピ、強い子だも~ん】
村の外れに降りて様子を伺った。ドワーフは家の中でくつろいでいるようで、雪の上には足跡が一つもない。
「んじゃ、行きますか」
【しゅっぱ~つ!】
【モジャのゴツゴツに会いに行こう!】
ロクサーナが村に近付くとあちこちの家の窓から覗いている気配がある。家のドアはロクサーナの背丈より低く、一階建ての横広がりの家が多い。
村の中央にある一番大きな家が村長の家だと目星をつけて、ドアを叩いた。
トントントン⋯⋯。
「こんにちは、どなたかいませんか?」
トントントン⋯⋯。
トントントン⋯⋯。
「う~ん、そう簡単にはいかないかぁ。どうしようかなぁ」
人影があった窓も分厚いカーテンが閉められて、中の様子は見えない。
「やっぱりこれしかないかなぁ。レッツクッキング~! と言う事で⋯⋯ドワーフの好みは分かんないけど⋯⋯今日のテーマは『お肉の食べ比べ』で~す!」
ドーンと雪の上に出したのはワイバーンとホワイトドラゴンの肉。
「どっちが好きか、結構違うらしいんだよね。一般的にはドラゴンの方が高級だって言うんだけど、味としてはワイバーンの方がおすすめな気もするし⋯⋯」
あれこれ言いながら大きな鍋を並べてポトフを作りはじめた。肉と野菜をゴロゴロ入れて煮込み、味をみながらハーブや塩を追加しているとカーテンが揺れて窓から顔がのぞいた。
「パンを焼くよりピザにしよう。携帯できる石窯持ってるとか凄くない?」
異空間収納からドドーンと巨大な石窯を出して、ベーコンやトマトなどを大盤振る舞いしたピザを焼いていく。
煮込んだポトフから漂う美味しそうな匂いと湯気、チーズにニンニクにベーコン⋯⋯ピザの匂いは垂涎の元。
「くうぅぅ! いっただっきま~す」
大きな口を開けたロクサーナがピザをガブリ。
「はふっ、はふっ! おいひいへ」
【焼き立て、最高】
【チーズ大好きなの】
「おい! うちの前で何勝手なことしてんだ! 火事にでもなったらどうしてくれんだ」
玄関のドアを開けて出てきたのは、モジャモジャの髭が膝あたりまであるドワーフで、巨大な斧を構えていた。
「う~ん、その時は⋯⋯元に戻します。大丈夫、こう見えても結構魔法が使えるんで。
そうだ! 今、ワイバーンとドラゴンの食べ比べをしてて、場所をお借りしたお礼に食事をしませんか?」
「ワ、ワイバーン?」
「ピザも焼きました」
「ピザってなんだ⋯⋯この匂いの元か?」
「はい、チーズたっぷり」
ワイバーンとチーズにはかなりそそられたらしいドワーフが、ソワソワと足踏みをしはじめた。
「だ、騙されるもんか!!」
「料理は挨拶ですから無料ですし、何かお願いするとなったら言い値で払います。値切ったりおまけをつけろとか言いませんからね」
「⋯⋯ね、値切らない」
鼻をヒクヒクさせたドワーフの目が泳ぎはじめた。
「後から値段を下げろなんてケチ臭いことは言いません。前払いにします」
「りょ、料理はタダ⋯⋯ま、待ってろ!」
ドタドタと雪を蹴散らして、ドワーフが大きな家の玄関から飛び込んだ。
その結果⋯⋯。
「いやぁ、ピザっちゅうのは美味えなあ」
「ポトフ? 流石ワイバーンじゃ」
「ドラゴンの勝ちに決まっとろうが!」
「なにおー! やるかテメエ」
ちっこくてガチむちのおっさんのバトルがはじまった。
「どっちでもええが? 今のうちに食うてしまおうで。なあ、みんな早う食うてしまおう」
「ああ! 待ってくれぇぇ」
「ダメダメェ! 俺のドラゴンちゃんじゃけん、食ったらいけんのんでぇぇ」
(ばあちゃん、最強説)
「んで、あんたらは何しにきたんね?」
この村の村長ブランドンが『プハ~ッ』と豪快に酒を飲み干した。ドワーフは食事の時に酒を飲み、話をする時に酒を飲む。仕事終わりにも酒を飲むそう。
(飲まないのって⋯⋯お風呂とトイレくらいかな)
「あんた⋯⋯『ら』?」
ロクサーナが首を傾げた。
「ちんまいのを連れとるじゃろ? 正確には ちっこうなっとるだけじゃけど。ほじゃけん、『ら』をつけたんよ?」
「は、初めてこの子達を認識してもらえたぁぁ!」
ミュウ達が自分にしか見えないのは、嬉しくもあり寂しくもあったロクサーナは感動で飛び上がった。
「フォッフォッフォッ、人間はあほうじゃけん、精霊は見えんようになったんじゃろう。わしらドワーフは妖精じゃけん見えるに決まっとる」
「⋯⋯可愛いでしょ? 最高の家族なのに今まで誰にも自慢できなくて⋯⋯エグッエグッ⋯⋯この子達凄いんだよ~って言いたいような、自分だけの秘密にしときたいような⋯⋯うおぉぉ、嬉し~い!
でも、やっぱりこの子達って精霊なんだ。じゃないかなぁとは思ってたけど、そうか、そうだよな」
子猫や子鳩の精霊は聞いたことがない。本当の姿を知りたいような気もしていたが、本能が危険を訴えるのでロクサーナは気にしない事に決めていた。
【ふふん、レオンは置いてけぼり~】
【放置プレイなの~】
久しぶりに他人⋯⋯レオンが居ないからか、ミュウ達のテンションが異様に高い。
「ではでは、初の北の森に転移しまっす!」
いつもスタンピードが起きるのは西と南の森。南側の森で大凡の予測をつけたロクサーナは、雪解けを待って西側の森の調査に行く予定でいる。
「いや~、わざわざいっちば~ん寒い時期に凍りついた北の森に来るこの勇気! 感激だね」
【テンション高い】
「そりゃ、初めての場所だもんね。しかもしかも⋯⋯伝説のドワーフ捕獲、じゃなかったドワーフとの遭遇を求めてるんだもん。これが興奮せずにいられますか!」
討伐やその他の依頼をいつも1人でこなしていた為、制約なしで動き回るのに慣れているロクサーナは、レオンと一緒に行動する事でかなりストレスが溜まっていた。
「誰かと一緒に行動するのって、楽しい事もあるけど疲れるねえ。ミュウ達だけいれば十分だってよく分かったよ」
【レオンは甘えてばっかり】
【あの子はぁ、ダメダメ~。燃やしちゃいそう~】
過激なピッピの言葉に苦笑いを浮かべ、絶好調の気分で空を飛びながら景色を眺めていると、ふわふわと雪が降りはじめた。
「アラクネちゃんの魔糸のお陰であったかぬくぬく~」
アラクネの魔糸で作ったフード付きのローブと手袋は、真冬の空でも全く寒さを感じないが⋯⋯。
ローブの裏とフードの縁や袖口にはロシアンセーブルの毛皮を使い、防水・防火・防塵⋯⋯ありとあらゆる付与をかけまくっている。ピッピがどこかから持ってきた不死鳥の羽根を粉末にして錬金した銀色の刺繍糸で、幾つかの小さな刺繍が刺してあるのはミュウ達の希望。
艶やかな黒褐色の毛皮が白銀に光るローブを縁取り、太陽光が当たると虹色に輝きはじめる。
「あのアラクネ様の魔糸で、お値段は天井知らず~。わっはっは」
【素材と付与で神級のローブになってる⋯⋯物欲のないロクサーナが欲しがる物はどれも⋯⋯ぶるぶる】
【アタシがあげた羽根も使ってるしね~】
「うん、次は剣をゲットだぜ~!」
真っ白い雪を被った針葉樹が続く空を飛び続け、粉雪が舞い上がり視界を遮った先に見えたのは⋯⋯。
開けた土地に小さな家がいくつも並び、煙突から煙が上がっている。三角屋根と大きな窓、雪を被った畑の隣は柵に覆われた放牧場。
村の近くには小高い山と凍りついた池。
【魔狼や魔狐⋯⋯珍しいね雪豹の子供がいるよ!】
【雪兎、可愛ぃ】
氷属性のミュウは喜んでいるが、火属性のピッピは少しテンションが低い。
「ピッピって寒いの平気?」
【だ、だ、大丈夫だよ~、ピッピ、強い子だも~ん】
村の外れに降りて様子を伺った。ドワーフは家の中でくつろいでいるようで、雪の上には足跡が一つもない。
「んじゃ、行きますか」
【しゅっぱ~つ!】
【モジャのゴツゴツに会いに行こう!】
ロクサーナが村に近付くとあちこちの家の窓から覗いている気配がある。家のドアはロクサーナの背丈より低く、一階建ての横広がりの家が多い。
村の中央にある一番大きな家が村長の家だと目星をつけて、ドアを叩いた。
トントントン⋯⋯。
「こんにちは、どなたかいませんか?」
トントントン⋯⋯。
トントントン⋯⋯。
「う~ん、そう簡単にはいかないかぁ。どうしようかなぁ」
人影があった窓も分厚いカーテンが閉められて、中の様子は見えない。
「やっぱりこれしかないかなぁ。レッツクッキング~! と言う事で⋯⋯ドワーフの好みは分かんないけど⋯⋯今日のテーマは『お肉の食べ比べ』で~す!」
ドーンと雪の上に出したのはワイバーンとホワイトドラゴンの肉。
「どっちが好きか、結構違うらしいんだよね。一般的にはドラゴンの方が高級だって言うんだけど、味としてはワイバーンの方がおすすめな気もするし⋯⋯」
あれこれ言いながら大きな鍋を並べてポトフを作りはじめた。肉と野菜をゴロゴロ入れて煮込み、味をみながらハーブや塩を追加しているとカーテンが揺れて窓から顔がのぞいた。
「パンを焼くよりピザにしよう。携帯できる石窯持ってるとか凄くない?」
異空間収納からドドーンと巨大な石窯を出して、ベーコンやトマトなどを大盤振る舞いしたピザを焼いていく。
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大きな口を開けたロクサーナがピザをガブリ。
「はふっ、はふっ! おいひいへ」
【焼き立て、最高】
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「おい! うちの前で何勝手なことしてんだ! 火事にでもなったらどうしてくれんだ」
玄関のドアを開けて出てきたのは、モジャモジャの髭が膝あたりまであるドワーフで、巨大な斧を構えていた。
「う~ん、その時は⋯⋯元に戻します。大丈夫、こう見えても結構魔法が使えるんで。
そうだ! 今、ワイバーンとドラゴンの食べ比べをしてて、場所をお借りしたお礼に食事をしませんか?」
「ワ、ワイバーン?」
「ピザも焼きました」
「ピザってなんだ⋯⋯この匂いの元か?」
「はい、チーズたっぷり」
ワイバーンとチーズにはかなりそそられたらしいドワーフが、ソワソワと足踏みをしはじめた。
「だ、騙されるもんか!!」
「料理は挨拶ですから無料ですし、何かお願いするとなったら言い値で払います。値切ったりおまけをつけろとか言いませんからね」
「⋯⋯ね、値切らない」
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ドタドタと雪を蹴散らして、ドワーフが大きな家の玄関から飛び込んだ。
その結果⋯⋯。
「いやぁ、ピザっちゅうのは美味えなあ」
「ポトフ? 流石ワイバーンじゃ」
「ドラゴンの勝ちに決まっとろうが!」
「なにおー! やるかテメエ」
ちっこくてガチむちのおっさんのバトルがはじまった。
「どっちでもええが? 今のうちに食うてしまおうで。なあ、みんな早う食うてしまおう」
「ああ! 待ってくれぇぇ」
「ダメダメェ! 俺のドラゴンちゃんじゃけん、食ったらいけんのんでぇぇ」
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この村の村長ブランドンが『プハ~ッ』と豪快に酒を飲み干した。ドワーフは食事の時に酒を飲み、話をする時に酒を飲む。仕事終わりにも酒を飲むそう。
(飲まないのって⋯⋯お風呂とトイレくらいかな)
「あんた⋯⋯『ら』?」
ロクサーナが首を傾げた。
「ちんまいのを連れとるじゃろ? 正確には ちっこうなっとるだけじゃけど。ほじゃけん、『ら』をつけたんよ?」
「は、初めてこの子達を認識してもらえたぁぁ!」
ミュウ達が自分にしか見えないのは、嬉しくもあり寂しくもあったロクサーナは感動で飛び上がった。
「フォッフォッフォッ、人間はあほうじゃけん、精霊は見えんようになったんじゃろう。わしらドワーフは妖精じゃけん見えるに決まっとる」
「⋯⋯可愛いでしょ? 最高の家族なのに今まで誰にも自慢できなくて⋯⋯エグッエグッ⋯⋯この子達凄いんだよ~って言いたいような、自分だけの秘密にしときたいような⋯⋯うおぉぉ、嬉し~い!
でも、やっぱりこの子達って精霊なんだ。じゃないかなぁとは思ってたけど、そうか、そうだよな」
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