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18 ハズレ聖女
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そんなモモカではあるけど、浄化は順調に進んでいるそうで、魔獣や魔物が溢れ出す前に結界の張り直しが出来るだろう─との事だった。
ただ、モモカの浄化が順調に進むとそれと比例するかのように、コユキに対する批判的な噂が大きくなっていった。
「何故ここまで批判的な噂が大きくなってしまったのか分からない。私も足を運んだ先で、それらを否定して説明しているんだけど……本当に申し訳無い」
と謝罪を口にしたのは、第二王子のリッカルド殿下だった。
「頭をあげてください!リッカルド様が悪いわけじゃありませんから!」
本当に、リッカルド殿下は何も悪くない。
「ハッキリ言って、本当に謝罪するべきは……ミリウス殿下とモモカだろう」
「ウィル様、ハッキリ言い過ぎです」
「不敬罪と捉えられても良いよ?そうなったらなったで帰国しても良いしね。確かに、この国の魔法に関しての知識や能力のレベルは高いけど、こうも色々と問題が起こるようなら、ここにしがみついてまで学ぶ必要は無いな…と思えて来た」
「ウィル!本当に申し訳無い!!」
またまた焦って謝るリッカルド殿下が、本当に気の毒に見える。ウィル様は留学生扱いだけど、ある意味国賓でもある。そんなウィル様が1年足らずで帰国するような事にでもなったら………それに………
「それは寂しいかも………」
「大丈夫。まだ帰らないから。それに、多分……」
「多分?」
「いや、何でもない。兎に角、そんな直ぐには帰らないよ。寂しいと思ってくれて、ありがとう」
ーそうか、ウィル様達は、この学校を卒業したら、自分達の国に帰ってしまうんだー
ずっと一緒に居られるとは思っていなかったけど、3年と言うのはとても短い。それに、伯爵の籍から抜けた私でも、国からの支援があるから学校に通えているけど、卒業後はどうなるのか…色々考えないといけない。
「この週末に兄上と話す時間を作ったから、色々話をきいてみるよ」
そう言って、リッカルド殿下はため息を吐いた。
*リッカルド視点*
「それは、本当の事だから仕方無いだろう?」
「兄上!」
まさか、兄上がそんな事を言うとは思わなかった。
「今、聖女として動いてくれているはモモカだけだ。モモカが穢れを浄化している間、コユキは何をしている?」
「怪我人や病人を治癒しています。それに、浄化に同行する必要はないから─と、コユキを同行させていないのは兄上でしょう!?」
「浄化の力も無いのに、同行する必要はないだろう?寧ろ、足手まといにしかならない」
「兄上!」
ー兄上は聖女の意味を理解していないのか?ー
光の魔力を持ち、“浄化”と“治癒”の力を持っている者を聖女と呼び、聖女は神や女神に愛された者だ。
今回は聖女が2人で、能力は1人に一つずつ与えられているけど、それも何か理由があるのだろう。
兎に角、浄化ができないからと見下す理由にはならないし、見下す事などしてはいけないのだ。
「2人の聖女に能力を分けて与えたのは神であり、何か理由があっての事です。それに、コユキも立派な聖女です。コユキを見下すのは止めて下さい。兄上の言動で、コユキに対する批判的な噂が大きくなっているんです。その考えを改めて下さい」
「だから、改める必要はないだろう?こう言う状況になっても、神が私に罰を与えていないのだから、間違っていないと言う事なんだろう」
「な───っ………」
ーここ迄話の通じない人だっただろうか?ー
考えが甘い─と、父上が一度口にした事があった。それでも兄上が立太子したのは、第一王子であり、柔軟性があったからだ。
「コユキは聖女である前に、1人の女の子です。その女の子を王族である兄上が見下すと言う事が、どう言う意味を持ち、どんな事が起きるのか……それをよく考えて下さい。私はこれで、失礼します」
「何を…生意気な事を………」
ー何を言っても無駄だー
寧ろ、これ以上何か言えば、更にコユキに攻撃をして来る可能性がある。兄上が改める気がないのなら、私がコユキを護るしかない。きっと、ウィルやグウェインやアンバーも助けてくれるだろう。
「リッカルド様、ミリウス様とのお話は終わりましたか?」
「モモカ……」
兄上の執務室から出て自室へと戻る途中で、モモカに呼び止められた。
「リッカルド様も大変ですね。ハズレな聖女の小雪の相手をしないといけないなんて…」
「っ!」
モモカと話していると、チリチリと頭が痛くなるようになったのは、いつからだっただろうか?
「私が小雪に───」
「コユキは“ハズレ聖女”と呼ばれるような子ではない。モモカも、友人であり同じ聖女なら、そんな事を口にしない方が良い。兄上なら、執務室に居るよ。私は行く所があるから失礼するよ」
「はい……お気を付けて………」
笑っているようで笑っていない冷たい目をしているモモカに、何とか笑顔を返してから歩き出す。すると、暫くしてから背後でモモカが執務室へと歩き出す足音が聞こえて来ると、私の頭の痛みも無くなった。
ただ、モモカの浄化が順調に進むとそれと比例するかのように、コユキに対する批判的な噂が大きくなっていった。
「何故ここまで批判的な噂が大きくなってしまったのか分からない。私も足を運んだ先で、それらを否定して説明しているんだけど……本当に申し訳無い」
と謝罪を口にしたのは、第二王子のリッカルド殿下だった。
「頭をあげてください!リッカルド様が悪いわけじゃありませんから!」
本当に、リッカルド殿下は何も悪くない。
「ハッキリ言って、本当に謝罪するべきは……ミリウス殿下とモモカだろう」
「ウィル様、ハッキリ言い過ぎです」
「不敬罪と捉えられても良いよ?そうなったらなったで帰国しても良いしね。確かに、この国の魔法に関しての知識や能力のレベルは高いけど、こうも色々と問題が起こるようなら、ここにしがみついてまで学ぶ必要は無いな…と思えて来た」
「ウィル!本当に申し訳無い!!」
またまた焦って謝るリッカルド殿下が、本当に気の毒に見える。ウィル様は留学生扱いだけど、ある意味国賓でもある。そんなウィル様が1年足らずで帰国するような事にでもなったら………それに………
「それは寂しいかも………」
「大丈夫。まだ帰らないから。それに、多分……」
「多分?」
「いや、何でもない。兎に角、そんな直ぐには帰らないよ。寂しいと思ってくれて、ありがとう」
ーそうか、ウィル様達は、この学校を卒業したら、自分達の国に帰ってしまうんだー
ずっと一緒に居られるとは思っていなかったけど、3年と言うのはとても短い。それに、伯爵の籍から抜けた私でも、国からの支援があるから学校に通えているけど、卒業後はどうなるのか…色々考えないといけない。
「この週末に兄上と話す時間を作ったから、色々話をきいてみるよ」
そう言って、リッカルド殿下はため息を吐いた。
*リッカルド視点*
「それは、本当の事だから仕方無いだろう?」
「兄上!」
まさか、兄上がそんな事を言うとは思わなかった。
「今、聖女として動いてくれているはモモカだけだ。モモカが穢れを浄化している間、コユキは何をしている?」
「怪我人や病人を治癒しています。それに、浄化に同行する必要はないから─と、コユキを同行させていないのは兄上でしょう!?」
「浄化の力も無いのに、同行する必要はないだろう?寧ろ、足手まといにしかならない」
「兄上!」
ー兄上は聖女の意味を理解していないのか?ー
光の魔力を持ち、“浄化”と“治癒”の力を持っている者を聖女と呼び、聖女は神や女神に愛された者だ。
今回は聖女が2人で、能力は1人に一つずつ与えられているけど、それも何か理由があるのだろう。
兎に角、浄化ができないからと見下す理由にはならないし、見下す事などしてはいけないのだ。
「2人の聖女に能力を分けて与えたのは神であり、何か理由があっての事です。それに、コユキも立派な聖女です。コユキを見下すのは止めて下さい。兄上の言動で、コユキに対する批判的な噂が大きくなっているんです。その考えを改めて下さい」
「だから、改める必要はないだろう?こう言う状況になっても、神が私に罰を与えていないのだから、間違っていないと言う事なんだろう」
「な───っ………」
ーここ迄話の通じない人だっただろうか?ー
考えが甘い─と、父上が一度口にした事があった。それでも兄上が立太子したのは、第一王子であり、柔軟性があったからだ。
「コユキは聖女である前に、1人の女の子です。その女の子を王族である兄上が見下すと言う事が、どう言う意味を持ち、どんな事が起きるのか……それをよく考えて下さい。私はこれで、失礼します」
「何を…生意気な事を………」
ー何を言っても無駄だー
寧ろ、これ以上何か言えば、更にコユキに攻撃をして来る可能性がある。兄上が改める気がないのなら、私がコユキを護るしかない。きっと、ウィルやグウェインやアンバーも助けてくれるだろう。
「リッカルド様、ミリウス様とのお話は終わりましたか?」
「モモカ……」
兄上の執務室から出て自室へと戻る途中で、モモカに呼び止められた。
「リッカルド様も大変ですね。ハズレな聖女の小雪の相手をしないといけないなんて…」
「っ!」
モモカと話していると、チリチリと頭が痛くなるようになったのは、いつからだっただろうか?
「私が小雪に───」
「コユキは“ハズレ聖女”と呼ばれるような子ではない。モモカも、友人であり同じ聖女なら、そんな事を口にしない方が良い。兄上なら、執務室に居るよ。私は行く所があるから失礼するよ」
「はい……お気を付けて………」
笑っているようで笑っていない冷たい目をしているモモカに、何とか笑顔を返してから歩き出す。すると、暫くしてから背後でモモカが執務室へと歩き出す足音が聞こえて来ると、私の頭の痛みも無くなった。
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