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第一章ー最初の1年ー
聖女とおまけ
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それからも色々話をしていたが、暫くすると、またメイド服を着た女の人が私達を迎えに来た。
今回の召還について説明する為、別室へと案内すると言う事だった。
部屋を出て、大きくて広い廊下をお城の奥へむかって進んで行く。時折すれ違う人が居るが、その人達が廊下の端に寄って軽く頭を下げて来るから、何だか申し訳ない気持ちになる。
ー私はただの巻き込まれなんだけどねー
一際大きい扉の前で、メイド服の人が立ち止まり、そこに居た2人の男性と言葉を交わす。ミヤさんが、そっと私の手を握ってくれる。
「どうやら、この部屋の中で話をするみたいよ。ここからは、あの2人の男性が案内してくれるみたい。あの金髪の人…多分攻略対象者の王子よ…。」
チラリと見ると、王子らしき人…いや、絶対王子だろう。絵に描いたような金髪碧眼に、肌は「陶器ですか?」と訊きたくなるような綺麗な白さ。コレで王子じゃなかったら、誰が王子なんだ!?と叫んでしまいそうだ。
「あー、多分、その後ろに控えてる銀髪の彼も攻略対象者だわ…あの王子の近衛だったかな?」
その彼を見る。
背が高いなと思った王子よりも更に背が高い。銀髪で長い髪を襟足で一つに束ねている。目は切れ長で、少し冷たい印象だ。
二人とも、所謂"イケメン"だ。攻略対象者だからだろうか?いや…ここに来てから、美男美女しか目にしてないような気がする…。辛いー。
フジさんとショウさんが王子と、少し何やら話した後、王子が銀髪の人に合図し、その大きな扉が音も無くゆっくりと押し開けられた。
部屋の中に入ると、予めミヤさん達から「多分、これからの流れは~」と聞かされていた通りの流れだった。
王族から神官、高位貴族が待ち構え、聖女召還に至った説明とステータスの確認。ステータスの確認については、この国の魔導師のトップの人が行った。勿論、聖女はミヤさんとフジさんとショウさんだ。私は、無事に?この召還に巻き込まれただけのモブと認定された。
「巻き込まれと言っても、ハルは私達にとって妹同然に可愛がってる子なので、私達と同じ様に対応して下さい。」
3人がそう言って、私を守ってくれる。
「勿論です。そもそも、こちら側の都合に巻き込んでしまっているだけで、聖女様方は勿論の事、ハル様にも何の非もありませんから。」
魔導師のトップの人が何か言った(ハル以外は、何言ってるか分からない)。言ったが…
ー何だろう…ハルと名前を呼ばれた時、少し胸がチクリとした。気のせいかな?ー
少し眉間に皺が寄る。
「セルレイン!!」
すると、王様らしき人が誰かの名前を大声で呼ぶ。
どうやら、魔導師のトップの人の名前らしい。呼ばれたその人は、ゆっくりと王様に振り返り
「▲☆○※○△★*」
と何か言って、元の場所に戻って行った。その様子を、ミヤさんは少し睨むように見詰めて居た。
とにかく、話しは全く分からなかったので、元の部屋に戻ってからミヤさん達から聞く事にしたが、どうやら、ゲーム通りの流れになるようだ。
聖女である3人は、これから聖女としての力を使えるように、魔導師達から指導を受ける。その訓練を半年から1年掛けて行い、聖女の力を安定して使えるようになれば、国中の穢れを浄化する旅に出る事になる。旅は穢れの状態にもよるが、だいたい1年から2年程らしい。これで約3年。この3年の間に誰とも恋愛にさえ発展しなければ、召還されたあの日、あの場所に還れると言う事だ。
「とにかく、3年。4人で頑張って乗り切って、4人で一緒に還ろうね!」
「そうだ、ハル。さっき、あの魔導師の人に名前を呼ばれたでしょう?何か…変な感じしなかった?」
「あ、変な感じと言うか…胸がちょっとチクリとしたと言うか…」
「やっぱり!」
そう言って、ミヤさんが腕を組んで眉間に皺を寄せる。
「この世界にはね、名前で相手を縛る魔術があるのよ。」
「名前で縛る?」
「そう。日本でも昔はあったんだけどね。真名で相手を縛るのよ。言いなりにさせるって言うのかな?あの魔導師、その魔術をハルに掛けようとしたのよ。真名で相手を縛るなんて…禁忌に近い筈なのに!」
「えっ!?」
「勿論、"ハル"は真名じゃないし、王様がすぐに止めたから、何ともなかったんだけどね。本当に胸くそ悪いわ。後できっちり抗議してやるわ!」
流石、警察官のミヤさん…。犯罪は駄目ですね。
でも、だから私に本名を言うなって言ってたんだ…。本当に怖い世界だなぁ…。
「自分の名前が言えないとか、呼んでもらえないって寂しいけど、暫くは我慢…ですね?」
「そうね…。でも、日本に還ったらいっぱい呼んであげるわ!」
そう言って、フジさんがギュウギュウと私に抱き付いてくる。
「「あー、フジだけ狡いー!」」
ショウさんとミヤさんが更に抱き付いて来て、4人でギュウギュウと抱き付きあった。
ー巻き込まれた事は辛いけど、一緒に召還された人がこの3人で良かったー
そう思いながら、3人に抱き付いた。
今回の召還について説明する為、別室へと案内すると言う事だった。
部屋を出て、大きくて広い廊下をお城の奥へむかって進んで行く。時折すれ違う人が居るが、その人達が廊下の端に寄って軽く頭を下げて来るから、何だか申し訳ない気持ちになる。
ー私はただの巻き込まれなんだけどねー
一際大きい扉の前で、メイド服の人が立ち止まり、そこに居た2人の男性と言葉を交わす。ミヤさんが、そっと私の手を握ってくれる。
「どうやら、この部屋の中で話をするみたいよ。ここからは、あの2人の男性が案内してくれるみたい。あの金髪の人…多分攻略対象者の王子よ…。」
チラリと見ると、王子らしき人…いや、絶対王子だろう。絵に描いたような金髪碧眼に、肌は「陶器ですか?」と訊きたくなるような綺麗な白さ。コレで王子じゃなかったら、誰が王子なんだ!?と叫んでしまいそうだ。
「あー、多分、その後ろに控えてる銀髪の彼も攻略対象者だわ…あの王子の近衛だったかな?」
その彼を見る。
背が高いなと思った王子よりも更に背が高い。銀髪で長い髪を襟足で一つに束ねている。目は切れ長で、少し冷たい印象だ。
二人とも、所謂"イケメン"だ。攻略対象者だからだろうか?いや…ここに来てから、美男美女しか目にしてないような気がする…。辛いー。
フジさんとショウさんが王子と、少し何やら話した後、王子が銀髪の人に合図し、その大きな扉が音も無くゆっくりと押し開けられた。
部屋の中に入ると、予めミヤさん達から「多分、これからの流れは~」と聞かされていた通りの流れだった。
王族から神官、高位貴族が待ち構え、聖女召還に至った説明とステータスの確認。ステータスの確認については、この国の魔導師のトップの人が行った。勿論、聖女はミヤさんとフジさんとショウさんだ。私は、無事に?この召還に巻き込まれただけのモブと認定された。
「巻き込まれと言っても、ハルは私達にとって妹同然に可愛がってる子なので、私達と同じ様に対応して下さい。」
3人がそう言って、私を守ってくれる。
「勿論です。そもそも、こちら側の都合に巻き込んでしまっているだけで、聖女様方は勿論の事、ハル様にも何の非もありませんから。」
魔導師のトップの人が何か言った(ハル以外は、何言ってるか分からない)。言ったが…
ー何だろう…ハルと名前を呼ばれた時、少し胸がチクリとした。気のせいかな?ー
少し眉間に皺が寄る。
「セルレイン!!」
すると、王様らしき人が誰かの名前を大声で呼ぶ。
どうやら、魔導師のトップの人の名前らしい。呼ばれたその人は、ゆっくりと王様に振り返り
「▲☆○※○△★*」
と何か言って、元の場所に戻って行った。その様子を、ミヤさんは少し睨むように見詰めて居た。
とにかく、話しは全く分からなかったので、元の部屋に戻ってからミヤさん達から聞く事にしたが、どうやら、ゲーム通りの流れになるようだ。
聖女である3人は、これから聖女としての力を使えるように、魔導師達から指導を受ける。その訓練を半年から1年掛けて行い、聖女の力を安定して使えるようになれば、国中の穢れを浄化する旅に出る事になる。旅は穢れの状態にもよるが、だいたい1年から2年程らしい。これで約3年。この3年の間に誰とも恋愛にさえ発展しなければ、召還されたあの日、あの場所に還れると言う事だ。
「とにかく、3年。4人で頑張って乗り切って、4人で一緒に還ろうね!」
「そうだ、ハル。さっき、あの魔導師の人に名前を呼ばれたでしょう?何か…変な感じしなかった?」
「あ、変な感じと言うか…胸がちょっとチクリとしたと言うか…」
「やっぱり!」
そう言って、ミヤさんが腕を組んで眉間に皺を寄せる。
「この世界にはね、名前で相手を縛る魔術があるのよ。」
「名前で縛る?」
「そう。日本でも昔はあったんだけどね。真名で相手を縛るのよ。言いなりにさせるって言うのかな?あの魔導師、その魔術をハルに掛けようとしたのよ。真名で相手を縛るなんて…禁忌に近い筈なのに!」
「えっ!?」
「勿論、"ハル"は真名じゃないし、王様がすぐに止めたから、何ともなかったんだけどね。本当に胸くそ悪いわ。後できっちり抗議してやるわ!」
流石、警察官のミヤさん…。犯罪は駄目ですね。
でも、だから私に本名を言うなって言ってたんだ…。本当に怖い世界だなぁ…。
「自分の名前が言えないとか、呼んでもらえないって寂しいけど、暫くは我慢…ですね?」
「そうね…。でも、日本に還ったらいっぱい呼んであげるわ!」
そう言って、フジさんがギュウギュウと私に抱き付いてくる。
「「あー、フジだけ狡いー!」」
ショウさんとミヤさんが更に抱き付いて来て、4人でギュウギュウと抱き付きあった。
ー巻き込まれた事は辛いけど、一緒に召還された人がこの3人で良かったー
そう思いながら、3人に抱き付いた。
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