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媚薬騒動編
13 先輩お手製のものは体内摂取したい男
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「(……なにが悲しくて顔のいい男と可愛い女の子が青春している所を見つめているのか俺は)」
魔法薬学の授業を終え、通常授業を終えた休み時間。1年が同じく魔法薬の授業をしていた事を調査済みであった俺は再び実験室へこっそり戻り、殆どの生徒が教室を去ってからカイリとモニカが媚薬を持って保管庫へ向かう姿が見えた。やはり、原作ゲーム通りの展開だ。
このままだと、彼らは俺が向かわせたゴロツキではない別件のゴロツキ(仮)に襲われてしまうのだろう。
今回はモグリソンを置いてきたし何か怪しい動きもしていなかったから、事件が起こっても俺は無関係だと言い切れそうでもある……が、なんらかのこの世界の予定調和によって俺がしたことにさせられかねない。俺が理不尽食い殺されエンドを迎えない為にも彼らが無事保管庫に入って保管庫から出てくる所を見届けないととてもじゃないが安心できないわけだ。『よく分からん死』が一番怖い。
俺はこの世界において、カイリの無事と俺の冤罪が増えていないかをヒロインとの好感度上昇イベントが起こる度に確認しないと安心できない身体になってしまったのだ。とんだ異世界転生ライフである。
そうこうしているうちに、カイリとヒロインのモニカが保管庫に何事も無く2人で入っていった。俺は2人の様子を確認するためさらに近づき、保管庫の扉の前でそっと聞き耳を立て中の様子を窺う。
「調合した媚薬はこっちに……あ、これって2年生の先輩方が調合された媚薬ですね」
「本当だ。ルーク先輩の名前が、書いてある」
「ルーク先輩、先に行われた授業でとても優秀な媚薬を作られたとお噂で聞きましたわ」
「そうなんだ。……先輩の、媚薬。先輩のえっちな、えきたい」
な、なんかイヤな言い方をするなぁ。カイリ・フェンディル。
俺と彼らの間は扉で隔たれている事から、彼らの姿を視認出来ないが妙にうっとりとした、俺が作ったであろう媚薬について触れているカイリの声に全身がぞわぞわする。
「先輩の、少しだけ飲んじゃ駄目かな?」
「いや駄目に決まってるだろう」
「ッせんぱい!」
「ルーク先輩?何故こちらに」
黙って見守る予定だったはずだが、様子のおかしいカイリのせいで思わず保管庫へ突入してしまった。
俺が保管庫に入ると、案の定カイリは俺が作った媚薬の瓶に手を伸ばしているところで大変危ない状態であった。俺が止めに入らなければ、カイリに俺の作ったえっちな液体を飲まれるところだった。
主人公が主人公たる無邪気な思考な故か、邪代表の俺には何を考えているのか分からない。
このエロゲー主人公にしては性格まで光属性すぎるカイリに、俺はなんだかんだと懐かれ始めていると思う。だが、懐くと先輩の作った媚薬を口に入れたくなる様な後輩普通にイヤである。
というか、クラスの女子と2人っきりな上に密室な状態で媚薬を飲もうとするなんてどうかしている。うらやまけしから……けしからん奴だ。
「偶々通りかかったら、お前達がよからぬ会話をしているから立ち寄ったまでだ」
「偶々な出会い、俺達多いですよね。嬉しいな、俺と先輩運命みたいなもので引き寄せられてるみたいで――」
「たまたまだ」
「……そういえば先輩。もう体調は問題ないですか?よければ引き続きお世話を、」
「結構」
「ふふ、残念」
魔法薬学の授業を終え、通常授業を終えた休み時間。1年が同じく魔法薬の授業をしていた事を調査済みであった俺は再び実験室へこっそり戻り、殆どの生徒が教室を去ってからカイリとモニカが媚薬を持って保管庫へ向かう姿が見えた。やはり、原作ゲーム通りの展開だ。
このままだと、彼らは俺が向かわせたゴロツキではない別件のゴロツキ(仮)に襲われてしまうのだろう。
今回はモグリソンを置いてきたし何か怪しい動きもしていなかったから、事件が起こっても俺は無関係だと言い切れそうでもある……が、なんらかのこの世界の予定調和によって俺がしたことにさせられかねない。俺が理不尽食い殺されエンドを迎えない為にも彼らが無事保管庫に入って保管庫から出てくる所を見届けないととてもじゃないが安心できないわけだ。『よく分からん死』が一番怖い。
俺はこの世界において、カイリの無事と俺の冤罪が増えていないかをヒロインとの好感度上昇イベントが起こる度に確認しないと安心できない身体になってしまったのだ。とんだ異世界転生ライフである。
そうこうしているうちに、カイリとヒロインのモニカが保管庫に何事も無く2人で入っていった。俺は2人の様子を確認するためさらに近づき、保管庫の扉の前でそっと聞き耳を立て中の様子を窺う。
「調合した媚薬はこっちに……あ、これって2年生の先輩方が調合された媚薬ですね」
「本当だ。ルーク先輩の名前が、書いてある」
「ルーク先輩、先に行われた授業でとても優秀な媚薬を作られたとお噂で聞きましたわ」
「そうなんだ。……先輩の、媚薬。先輩のえっちな、えきたい」
な、なんかイヤな言い方をするなぁ。カイリ・フェンディル。
俺と彼らの間は扉で隔たれている事から、彼らの姿を視認出来ないが妙にうっとりとした、俺が作ったであろう媚薬について触れているカイリの声に全身がぞわぞわする。
「先輩の、少しだけ飲んじゃ駄目かな?」
「いや駄目に決まってるだろう」
「ッせんぱい!」
「ルーク先輩?何故こちらに」
黙って見守る予定だったはずだが、様子のおかしいカイリのせいで思わず保管庫へ突入してしまった。
俺が保管庫に入ると、案の定カイリは俺が作った媚薬の瓶に手を伸ばしているところで大変危ない状態であった。俺が止めに入らなければ、カイリに俺の作ったえっちな液体を飲まれるところだった。
主人公が主人公たる無邪気な思考な故か、邪代表の俺には何を考えているのか分からない。
このエロゲー主人公にしては性格まで光属性すぎるカイリに、俺はなんだかんだと懐かれ始めていると思う。だが、懐くと先輩の作った媚薬を口に入れたくなる様な後輩普通にイヤである。
というか、クラスの女子と2人っきりな上に密室な状態で媚薬を飲もうとするなんてどうかしている。うらやまけしから……けしからん奴だ。
「偶々通りかかったら、お前達がよからぬ会話をしているから立ち寄ったまでだ」
「偶々な出会い、俺達多いですよね。嬉しいな、俺と先輩運命みたいなもので引き寄せられてるみたいで――」
「たまたまだ」
「……そういえば先輩。もう体調は問題ないですか?よければ引き続きお世話を、」
「結構」
「ふふ、残念」
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