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媚薬騒動編
12 胸くそエンドでは抜けない男
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2年で媚薬のテストが間近という事は、もうすぐ1年生も媚薬の調合の授業が行われるだろう。この媚薬調合にも、勿論主人公サイドには重要なイベントが起こる。
原作ゲームの悪役令息ルーク・アルバンベルトは、懲りずに今回も主人公を卑劣なやり方で追い込もうとする。
主人公はヒロインの1人でもある、クラス委員長で商家の娘のモニカ・ラッセンテルと、魔法薬の授業を終えて、クラス全員分の媚薬を保管庫へ運ぶように教師に言い渡され2人で人の出入りが少ない別館にある保管庫へ向かうのだ。
そう、今回の媚薬調合イベントはモニカ専用の好感度上昇イベントだ。
保管庫に到着すると、ルークがストリートで適当に見繕った大柄の中年男性2人がモニカと主人公を部屋に閉じ込めた。
その後の行動についてルークは男たちへ主人公には抵抗出来なくなる程の暴力を、そして共に行動していた主人公と懇意な女生徒には辱めを行うようにと命令を下していた。
この章のバッドエンドでは、保管庫は多くの魔法薬品が保管されている危険な場所である事から、この部屋には被害を出さない為安全に配慮し、強力な魔力封じの呪文が施されている。しかし、その学園側の安全策のせいで、保管庫に閉じ込められた魔力の強い2人はただの無力な男女となるわけだ。
経験の浅い生徒が魔力なしの状態でストリート出身の大男らに力で勝てるはずも無く、モニカ・ラッセンテルは男達に主人公の前で辱めを受け、命こそ助かるが精神的ショックで学園に通えず塞ぎ込むようになり、主人公は男らから全治数ヶ月の重傷を負う。
その治療のため、幾つかの魔法試験を受けられなかった事から進級もできなくなった。またモニカと主人公を襲った犯人らは逃亡し捕まらなかった事から「実はモニカを襲った本当の犯人は……」と一連の事件が起こった当初は同情されていたが、徐々に主人公が企てた事では無いかとあらぬ噂を立てだした者もでて、次第に学園自体に居づらくなり孤独エンドを迎える。人の不幸で抜けない男代表の俺としては、ただただ苦しいエンディングである。
ちなみに問題なくヒロインの好感度を一定数上げていた場合の通常ルートでは、主人公がヒロインのピンチに覚醒し、魔力封じでは抑えられない程の魔力を手に入れ、ヒロインに襲いかかる大男にその強大な魔力を打ち放しピンチを脱する。
その後は、衝撃により保管庫にあった媚薬らが主人公とヒロインにふりかかり、ヒロインによる助けてくれたお礼という名のご奉仕が開始するといったものだ。こちらのルートは勿論めちゃくちゃお世話になった。いやまぁ、勿論そういう意味で。
当たり前だが、俺はゲームのルークじゃないので今回もカイリを陥れようとも思わないし、どこぞの男を雇う予定はない。俺の命のため、抜けないエンディング回避の為だ。
「でもどうせ何か起こるんだろうなぁ」
「今日のルーク様、涙を流したり何かを呟いていたりお悩みごとが多そうだ……良いカウンセリングが無いか父上に手紙を出そう」
「モグリソン聞こえてるからな」
誰が精神不安定だ。余計な気遣いを企みながら、善意100%の顔をしてこちらを見ているモグリソンの額を指で突くと何故か逆に嬉しそうな顔をされた。怖い。
モグリソン、元々ゲームではモブ生徒だったせいか全体の印象が薄いのだが実際彼の顔自体の造形は悪くない。カイリほどでは無いが、ブラウンの髪に端正な顔立ちとむしろ良い方だ。だが、思考がルークファーストすぎな残念男の為、ご令嬢が寄ってくる事はなく前回の魔獣騒動から輪をかけて俺にべったりな男である。
「そうだ。この後、俺は1人で行動するがついてくるなよ」
「え……」
「傷ついた顔をしても駄目だからな」
魔獣の森の一件以来、忠犬度が増してもはやストーカー化してきているモグリソンに念のため釘を刺すとあからさまに傷つきましたという顔をして落ち込む。
この後、俺は極秘ミッションにあたるのだ。前回はモグリソンが余計な事をしたせいで、めちゃくちゃになった。もう心を入れ替えた様子ではあるが、念のためコイツは絶対に置いていく。俺の長生きのんびり異世界ライフのために。
原作ゲームの悪役令息ルーク・アルバンベルトは、懲りずに今回も主人公を卑劣なやり方で追い込もうとする。
主人公はヒロインの1人でもある、クラス委員長で商家の娘のモニカ・ラッセンテルと、魔法薬の授業を終えて、クラス全員分の媚薬を保管庫へ運ぶように教師に言い渡され2人で人の出入りが少ない別館にある保管庫へ向かうのだ。
そう、今回の媚薬調合イベントはモニカ専用の好感度上昇イベントだ。
保管庫に到着すると、ルークがストリートで適当に見繕った大柄の中年男性2人がモニカと主人公を部屋に閉じ込めた。
その後の行動についてルークは男たちへ主人公には抵抗出来なくなる程の暴力を、そして共に行動していた主人公と懇意な女生徒には辱めを行うようにと命令を下していた。
この章のバッドエンドでは、保管庫は多くの魔法薬品が保管されている危険な場所である事から、この部屋には被害を出さない為安全に配慮し、強力な魔力封じの呪文が施されている。しかし、その学園側の安全策のせいで、保管庫に閉じ込められた魔力の強い2人はただの無力な男女となるわけだ。
経験の浅い生徒が魔力なしの状態でストリート出身の大男らに力で勝てるはずも無く、モニカ・ラッセンテルは男達に主人公の前で辱めを受け、命こそ助かるが精神的ショックで学園に通えず塞ぎ込むようになり、主人公は男らから全治数ヶ月の重傷を負う。
その治療のため、幾つかの魔法試験を受けられなかった事から進級もできなくなった。またモニカと主人公を襲った犯人らは逃亡し捕まらなかった事から「実はモニカを襲った本当の犯人は……」と一連の事件が起こった当初は同情されていたが、徐々に主人公が企てた事では無いかとあらぬ噂を立てだした者もでて、次第に学園自体に居づらくなり孤独エンドを迎える。人の不幸で抜けない男代表の俺としては、ただただ苦しいエンディングである。
ちなみに問題なくヒロインの好感度を一定数上げていた場合の通常ルートでは、主人公がヒロインのピンチに覚醒し、魔力封じでは抑えられない程の魔力を手に入れ、ヒロインに襲いかかる大男にその強大な魔力を打ち放しピンチを脱する。
その後は、衝撃により保管庫にあった媚薬らが主人公とヒロインにふりかかり、ヒロインによる助けてくれたお礼という名のご奉仕が開始するといったものだ。こちらのルートは勿論めちゃくちゃお世話になった。いやまぁ、勿論そういう意味で。
当たり前だが、俺はゲームのルークじゃないので今回もカイリを陥れようとも思わないし、どこぞの男を雇う予定はない。俺の命のため、抜けないエンディング回避の為だ。
「でもどうせ何か起こるんだろうなぁ」
「今日のルーク様、涙を流したり何かを呟いていたりお悩みごとが多そうだ……良いカウンセリングが無いか父上に手紙を出そう」
「モグリソン聞こえてるからな」
誰が精神不安定だ。余計な気遣いを企みながら、善意100%の顔をしてこちらを見ているモグリソンの額を指で突くと何故か逆に嬉しそうな顔をされた。怖い。
モグリソン、元々ゲームではモブ生徒だったせいか全体の印象が薄いのだが実際彼の顔自体の造形は悪くない。カイリほどでは無いが、ブラウンの髪に端正な顔立ちとむしろ良い方だ。だが、思考がルークファーストすぎな残念男の為、ご令嬢が寄ってくる事はなく前回の魔獣騒動から輪をかけて俺にべったりな男である。
「そうだ。この後、俺は1人で行動するがついてくるなよ」
「え……」
「傷ついた顔をしても駄目だからな」
魔獣の森の一件以来、忠犬度が増してもはやストーカー化してきているモグリソンに念のため釘を刺すとあからさまに傷つきましたという顔をして落ち込む。
この後、俺は極秘ミッションにあたるのだ。前回はモグリソンが余計な事をしたせいで、めちゃくちゃになった。もう心を入れ替えた様子ではあるが、念のためコイツは絶対に置いていく。俺の長生きのんびり異世界ライフのために。
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