43 / 82
日記
32
しおりを挟む横文字が出たので、外国の話だとばかり思っていたが、日本でも、幼児や少年少女を愛でることは珍しくないらしく、ほんの数十年前までは十代前半で嫁いで性交を行う少女も多くいただろうとさらりと言ってのけた。他国の原住民などだと、未だに当たり前に行われていることだろうとも言った。
俺はどうにも受け入れられなかったが、確か婆さんも十三かそこらで、二十の爺さんに嫁いだのじゃなかったかと思い出したら、急に納得できた。
婆さんからそれを聞かされたときは、法律を無視しているじゃないかと驚いたが、よくよく考えてみれば、親が子の結婚を決めるのが当たり前の時代だし、年齢についても、うるさく言われだしたのは最近のことなのかもしれないと思った。
だが、何か違う気がして、
「いや、百さん、待て。それは児童性愛者とは言えないんじゃないか。富国強兵、産めよ増やせよの時代なのだから、若年層での婚姻と出産が推奨されたというだけのことではないのか。お前さんの言う異常な性的嗜好は関係ないだろう」
と意見すると、鳴神は、
「人が決めた規範の中で、正式に伴侶として迎えて、その後に行為に及んでいるから、性的嗜好が無関係だというのはおかしな了見だね。良さん、考えてみなよ、抱けるということは、しっかり欲情できているってことだ。それは相手を性の対象として見ているってことだろう。これを児童性愛と言わずしてなんと言うってのさ。そもそも、欲情しなければ手は出さんだろう。それでも否定して、お国の政策だから仕方なくなんて言われたら、無理やり性欲を奮い立たせて幼い嫁さんを子供の生産工場として扱ったってことになる。それは女性の人権を無視した別の問題に発展する。論外だよ。いいかい、もしペドファイルでないのなら、嫁さんに欲情できるようになるまでは手を出さず、外に女を作って処理していたはずだ。それが不義だと言うなら、自慰で済ませたはずだと言おう。どのような理由であれ、子供を抱けるのはペドファイルだよ」
と言った。確かに、十四やそこらで子を産むという話が祖父母の代ではざらにある。同年代ならともかくそうではないというのが胆だ。
鳴神の説明によれば、ペドファイル自体は、自覚していない者を含めれば大勢いるだろうとのことである。
だが、それは問題ではないと鳴神は言った。では何が問題なのかと問うと、
「そんなこと、訊かなくたって分かるだろう。社会を生きるものは皆同じだ。性的欲求と暴力の自制が出来るか否かだよ。言わずもがな、強姦は暴力行為だよ」
と、鳴神は呆れたように答え、
「もし、ペドファイルが性的欲求を自制し、且つ暴力を振るわない場合は、傍目には単なる子供好きでしかないんだよ。非接触を誓い、子供を見守るだけで心を満たして日常生活を送るペドファイルは大勢いる。彼らは子供を愛するがゆえに、命をかけて守ろうとするし、子供に理不尽な苦痛を与えたりもしない。いわば、完璧な子供の守護者だ」
と、続けて言ったので、俺は唸ってしまった。
「なるほど。だとしたら、むしろ模範的な人間といっても構わんな」
そう、俺が思うままを言うと鳴神が頷いて、
「先に男がペドファイルであると言ったが、偏見をなくせば、そこには問題がないということが分かってもらえたと思う。では、男の何が問題であったかといえば、性格や性質と呼ばれる部分だ。倫理観が時代にそぐわないんだよ。欲情したら、相手の苦痛は一切関係ない。無理に犯す。ペドファイルなので当然、欲求を満たす対象は子供になる。強姦、性的虐待、言うまでもなく暴力、犯罪だ」
ところがだ、被害者は泣き寝入りするんだよ。と、おかしなことを言う。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
霊和怪異譚 野花と野薔薇
野花マリオ
ホラー
その“語り”が始まったとき、世界に異変が芽吹く。
静かな町、ふとした日常、どこにでもあるはずの風景に咲きはじめる、奇妙な花々――。
『霊和怪異譚 野花と野薔薇』は、不思議な力を持つ語り部・八木楓と鐘技友紀以下彼女達が語る怪異を描く、短編連作形式の怪異譚シリーズ。
一話ごとに異なる舞台、異なる登場人物、異なる恐怖。それでも、語りが始まるたび、必ず“何か”が咲く――。
語られる怪談はただの物語ではない。
それを「聞いた者」に忍び寄る異変、染みわたる不安。
やがて読者自身の身にも、“あの花”が咲くかもしれない。
日常にひっそりと紛れ込む、静かで妖しいホラー。
あなたも一席、語りを聞いてみませんか?
完結いたしました。
タイトル変更しました。
旧 彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる
※この物語はフィクションです。実在する人物、企業、団体、名称などは一切関係ありません。
エブリスタにも公開してますがアルファポリス の方がボリュームあります。
表紙イラストは生成AI
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百の話を語り終えたなら
コテット
ホラー
「百の怪談を語り終えると、なにが起こるか——ご存じですか?」
これは、ある町に住む“記録係”が集め続けた百の怪談をめぐる物語。
誰もが語りたがらない話。語った者が姿を消した話。語られていないはずの話。
日常の隙間に、確かに存在した恐怖が静かに記録されていく。
そして百話目の夜、最後の“語り手”の正体が暴かれるとき——
あなたは、もう後戻りできない。
■1話完結の百物語形式
■じわじわ滲む怪異と、ラストで背筋が凍るオチ
■後半から“語られていない怪談”が増えはじめる違和感
最後の一話を読んだとき、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる