#秒恋2 2人の日常を積み重ねて。〜恋のトラウマ、ゆっくりと乗り越えよう〜

ReN

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おまけのお話 剛士と拓真

前に進みたいから

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拓真が楽しそうに問う。
「手ぇ広げてきた悠里ちゃん。ぶっちゃけ、めちゃくちゃ可愛かったでしょ?」

「……ぶっちゃけ、めちゃくちゃ抱きしめたかったわ」
照れ隠しに、拓真の言い回しを借りながら答える。

「抱きしめなかったの?」
「こんなカッコ悪い状況じゃ、無理だろ」
「そうかなあ。絶対イケたっしょ」

小さく笑い、剛士は言った。
「……それは、俺がちゃんと過去と向き合って、解決させてからだな」

うーん、と拓真が唸る。
『でもさ。今すぐに悠里ちゃんと付き合ったとしても、何も問題ないよね?』

ゴウと元カノは、あのときにキッパリ別れてるんだしさ、と拓真は言った。
『それでもやっぱりゴウは、過去と向き合うのが先だって思うわけ?』

「……うん」
少しの沈黙を置き、剛士は頷いた。

「ここで逃げてたら、同じことの繰り返しになるからさ。この先、あの人に接触されるたびに動揺して悠里を傷つけるなんて、絶対に嫌だ」

うーん、まぁそれはなあ、と拓真が半分は理解するというように応えた。

『でもさ。元カノとの接触を徹底的に避けるのは、ダメなの?』
「多分別れたとき、そうやって逃げたから、今こうなってるのかなと思うんだ」
『ああ~、なるほどねぇ』

エリカのことを考えてしまうと、まだ胸が鈍く痛む。
こんな状態で、悠里を求めるわけにはいかないと、思う。


「俺の中で何かがまだ、上手く終わらせられてないんだと思う。多分、あの人の中でも。だからちゃんと互いに向き合って……終わらせないと」

『元カノと、またいつか話すってこと?』
「……そうだな」

『それは、』
念を押すように、拓真が問いかけた。
『元カノへの未練ではないんだな?』

「うん」
剛士はしっかりと答えた。
「俺は悠里と、前に進みたいから」


『……うん』
嬉しそうに、拓真が頷いた。
『お前がそう思えるんなら、きっと大丈夫だよ』

剛士の肩を叩いてくれるような、温かく力強い声だった。
励まされた気がした。

『……ま、お前が元カノに流されようもんなら、オレがぶん殴って止めてやるよ』
冗談めかして拓真が言う。

カラオケでの前科もある剛士は、苦笑いするしかなかった。
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