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piece4 半分は本当のことを
みんなのコーディネート
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久しぶりに4人で集まれたので、まずはカフェでランチをしながら、ゆっくりお喋りを楽しむことになった。
拓真の誘導により、話題は日頃の皆のコーディネートになる。
「今日の悠里ちゃんはカジュアルだけど、彩奈ちゃんも悠里ちゃんも、いつもキレイ系で大人っぽいよね」
「あはは、そうでしょー! ウチら、よく一緒に買い物するもんね?」
向かいに座る悠里の顔を覗き込むようにして、彩奈が笑う。
今日の彩奈は、ネックと袖に軽くフリルがついたニットに、黒のミニスカートを合わせていた。
ニットの色合いは、モカ。
袖には程良いボリュームがあり、ラインがとても綺麗だ。
彩奈のダークカラーを入れた長い髪と赤メガネも相まって、上品さと色香を兼ね備えた、大人っぽいコーディネートに仕上がっている。
「へえ。やっぱ2人は、一緒に買い物行ってんだあ。服の趣味、合ってそうだもんね」
ニコニコと拓真は頷く。
「2人とも、いつもめっちゃオシャレだからさ!一緒に遊ぶときは、オレたちもちょっと気合い入るよね」
「俺は別に、いつも通りだけど」
笑いながら、剛士は拓真の頭を小突く。
「拓真くんとシバさんは、一緒に買い物行ったりするの? 2人は、結構イメージ違うよね?」
彩奈の言葉に、悠里も同意して頷いた。
「うん。2人ともお洒落だけど、買うお店は違っていそう」
拓真と剛士は、あまり服装に共通点は見受けられない。
拓真は、さすがはギターを弾くバンドマンといったところだ。
いつも、色や形に遊び心のあるデザインを軽快に着こなしている。
反対に剛士は、モノトーンを基調としたコーディネートが多い。
黒と白に、何か一色を足す程度の、落ち着いた色遣いやデザインを好むように見える。
服装で言えば、対照的なイメージの2人だ。
今日の拓真は、テラコッタ色のコートが印象的だ。
そこに白のパーカーと、ブラウンのチェックパンツを合わせている。
全体的に可愛らしいコーディネートだ。
剛士の方はモノトーンで、白のトレーナーに黒のスキニーパンツ。
トレーナーの下に着た紫のTシャツが、襟元と裾から少し見えているのが差し色になっている。
シンプルながらも、小慣れた着こなしだった。
女子2人の質問に、拓真が答える。
「オレとゴウも、割と一緒に行くよ、買い物!」
ね、と拓真は剛士に笑いかけた。
「お互いに、服選んであげたりもするし!」
「ふふっ」
2人のそんな姿を想像すると、可愛らしい。
思わず悠里は吹き出した。
「ゴウは、ほっといたら黒か白ばっかり選ぶからさあ。オレが色味を足してあげるわけ」
「だって黒とか白って、楽だろ」
合わせやすいという意味だろうか、剛士が苦笑混じりに応えている。
「ゴウさん、黒が似合うもんね」
悠里は微笑んで言った。
彩奈が、ニヤニヤ笑いを浮かべて口を挟む。
「そうそう、黒が似合ってる! だから悠里も、黒の毛糸でネックウォーマー編んだんだもんねー?」
ジャケットと共にハンガーに掛けてある、剛士のネックウォーマーを指し、彩奈は笑みを深めた。
「あ、彩奈……」
さすがに、目の前で言われてしまうと恥ずかしい。
悠里は赤く色づく頬を隠すように俯いた。
「はは、めちゃめちゃ嬉しかったぞ?」
剛士が笑って答える。
「どんな服装でも合うから、毎日使えるし」
「うんうん、ゴウってばホントに毎日付けてるよね! 何なら校内で付けてるときもある」
「寒いときにすぐ使えるんだから、いいだろ」
「悠里ちゃんを感じられるしね?」
「うっせ」
拓真と軽口の応酬をしながら、剛士は悠里の頭に手を伸ばした。
ぽんぽん、と撫でてから、ハッとしたように剛士が謝る。
「悪い。いつものクセで触っちゃった」
きょとんと、悠里は隣の彼を見上げる。
「髪結んでんのに、ごめんな」
髪型が崩れないかを心配してくれたのかと、悠里は微笑んだ。
「ふふ、大丈夫だよ? ルーズなのが可愛い三つ編みだから、触って?」
言ってしまってから、悠里は慌てて口を押さえる。
気にしないでというつもりだったのに、これでは頭を撫でて欲しいと、ねだっているようなものだ。
案の定、向かいに座っている親友2人が囃し立ててくる。
「シバさーん、悠里が撫でてってさー」
「ゴウ、優しくなー?」
「……はいよ」
真っ赤に染まってしまう悠里とは対照的に、剛士は涼しい顔で悠里の髪に触れる。
そうして、彼女にしか聞こえないように、耳元で囁いた。
「髪結んでんのも、可愛いな」
「ゴ、ゴウさん……」
耐えきれず、悠里は両手で顔を覆い隠す。
「お、ゴウ。なんて言ったの?」
「なになにー? 悠里がそんなに真っ赤になっちゃうことー?」
「はは、うっせ」
ますます揶揄ってくる友人たちの声も、それを軽くいなす剛士の声も、もはや悠里には届かなかった。
拓真の誘導により、話題は日頃の皆のコーディネートになる。
「今日の悠里ちゃんはカジュアルだけど、彩奈ちゃんも悠里ちゃんも、いつもキレイ系で大人っぽいよね」
「あはは、そうでしょー! ウチら、よく一緒に買い物するもんね?」
向かいに座る悠里の顔を覗き込むようにして、彩奈が笑う。
今日の彩奈は、ネックと袖に軽くフリルがついたニットに、黒のミニスカートを合わせていた。
ニットの色合いは、モカ。
袖には程良いボリュームがあり、ラインがとても綺麗だ。
彩奈のダークカラーを入れた長い髪と赤メガネも相まって、上品さと色香を兼ね備えた、大人っぽいコーディネートに仕上がっている。
「へえ。やっぱ2人は、一緒に買い物行ってんだあ。服の趣味、合ってそうだもんね」
ニコニコと拓真は頷く。
「2人とも、いつもめっちゃオシャレだからさ!一緒に遊ぶときは、オレたちもちょっと気合い入るよね」
「俺は別に、いつも通りだけど」
笑いながら、剛士は拓真の頭を小突く。
「拓真くんとシバさんは、一緒に買い物行ったりするの? 2人は、結構イメージ違うよね?」
彩奈の言葉に、悠里も同意して頷いた。
「うん。2人ともお洒落だけど、買うお店は違っていそう」
拓真と剛士は、あまり服装に共通点は見受けられない。
拓真は、さすがはギターを弾くバンドマンといったところだ。
いつも、色や形に遊び心のあるデザインを軽快に着こなしている。
反対に剛士は、モノトーンを基調としたコーディネートが多い。
黒と白に、何か一色を足す程度の、落ち着いた色遣いやデザインを好むように見える。
服装で言えば、対照的なイメージの2人だ。
今日の拓真は、テラコッタ色のコートが印象的だ。
そこに白のパーカーと、ブラウンのチェックパンツを合わせている。
全体的に可愛らしいコーディネートだ。
剛士の方はモノトーンで、白のトレーナーに黒のスキニーパンツ。
トレーナーの下に着た紫のTシャツが、襟元と裾から少し見えているのが差し色になっている。
シンプルながらも、小慣れた着こなしだった。
女子2人の質問に、拓真が答える。
「オレとゴウも、割と一緒に行くよ、買い物!」
ね、と拓真は剛士に笑いかけた。
「お互いに、服選んであげたりもするし!」
「ふふっ」
2人のそんな姿を想像すると、可愛らしい。
思わず悠里は吹き出した。
「ゴウは、ほっといたら黒か白ばっかり選ぶからさあ。オレが色味を足してあげるわけ」
「だって黒とか白って、楽だろ」
合わせやすいという意味だろうか、剛士が苦笑混じりに応えている。
「ゴウさん、黒が似合うもんね」
悠里は微笑んで言った。
彩奈が、ニヤニヤ笑いを浮かべて口を挟む。
「そうそう、黒が似合ってる! だから悠里も、黒の毛糸でネックウォーマー編んだんだもんねー?」
ジャケットと共にハンガーに掛けてある、剛士のネックウォーマーを指し、彩奈は笑みを深めた。
「あ、彩奈……」
さすがに、目の前で言われてしまうと恥ずかしい。
悠里は赤く色づく頬を隠すように俯いた。
「はは、めちゃめちゃ嬉しかったぞ?」
剛士が笑って答える。
「どんな服装でも合うから、毎日使えるし」
「うんうん、ゴウってばホントに毎日付けてるよね! 何なら校内で付けてるときもある」
「寒いときにすぐ使えるんだから、いいだろ」
「悠里ちゃんを感じられるしね?」
「うっせ」
拓真と軽口の応酬をしながら、剛士は悠里の頭に手を伸ばした。
ぽんぽん、と撫でてから、ハッとしたように剛士が謝る。
「悪い。いつものクセで触っちゃった」
きょとんと、悠里は隣の彼を見上げる。
「髪結んでんのに、ごめんな」
髪型が崩れないかを心配してくれたのかと、悠里は微笑んだ。
「ふふ、大丈夫だよ? ルーズなのが可愛い三つ編みだから、触って?」
言ってしまってから、悠里は慌てて口を押さえる。
気にしないでというつもりだったのに、これでは頭を撫でて欲しいと、ねだっているようなものだ。
案の定、向かいに座っている親友2人が囃し立ててくる。
「シバさーん、悠里が撫でてってさー」
「ゴウ、優しくなー?」
「……はいよ」
真っ赤に染まってしまう悠里とは対照的に、剛士は涼しい顔で悠里の髪に触れる。
そうして、彼女にしか聞こえないように、耳元で囁いた。
「髪結んでんのも、可愛いな」
「ゴ、ゴウさん……」
耐えきれず、悠里は両手で顔を覆い隠す。
「お、ゴウ。なんて言ったの?」
「なになにー? 悠里がそんなに真っ赤になっちゃうことー?」
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ますます揶揄ってくる友人たちの声も、それを軽くいなす剛士の声も、もはや悠里には届かなかった。
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