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一年生の二学期
第二十一話 日曜日の計画
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商店街に差し掛かったところで、奈緒が言った。
「あ、お菓子買っていこうかな。芋けんぴあるかな」
「やめなよ、これから夕飯でしょ。入らなくなるよ」南があしらうように答える。
「いいの。お菓子だから」
「意味わかんないよ。食べ残すともったいないでしょ。せっかくお母さんが作ってくれてるのに」
「じゃあ、パンにする。ここのパン美味しいの。動物クッキーぱん。なんかちょっとメロンパンの味」
「余計だめだよ。おなか溜まっちゃうじゃん」
「けちんぼ」奈緒が不機嫌になった。「ふんだ。いいもん。一人で買うから」
「だからだめだって」
「あはははは」
急に笑い出すこの子が、羨望の声を上げる。
「いいなぁ、荏原中延、いいなぁ」
「どうせ食べ物かなんかでしょ」
「ちがう。図書館があるでしょ。わたしよく行くの」
「図書館? そんなのあったけ?」
「あるよう、なんで分からないの?」
「わたしは本とは無縁なの」南が吐き捨てる。
「うそ、漫画は読むくせに」
「むぐ、鋭い」
奈緒は瞳を細めて想いに浸った様子で語り出す。
「わたしね、よく 本を借 り て 読むの。それでね、帰りに駅の、ち か く の 商店街に行って、反対側まで行って、帰って くるの。商店街大好き。わーいわーいってなって。 お菓子食べる」
「なによ、やっぱり甘いものなんじゃない」
「そうよ、なにか悪い?」奈緒が開き直った様子でツンとしてから、にわかに微笑む。
改札を抜けて戸越公園駅の構内に入ると、すぐに南が言った。
「今度遊ぼう」
「え」
「あ、お菓子買っていこうかな。芋けんぴあるかな」
「やめなよ、これから夕飯でしょ。入らなくなるよ」南があしらうように答える。
「いいの。お菓子だから」
「意味わかんないよ。食べ残すともったいないでしょ。せっかくお母さんが作ってくれてるのに」
「じゃあ、パンにする。ここのパン美味しいの。動物クッキーぱん。なんかちょっとメロンパンの味」
「余計だめだよ。おなか溜まっちゃうじゃん」
「けちんぼ」奈緒が不機嫌になった。「ふんだ。いいもん。一人で買うから」
「だからだめだって」
「あはははは」
急に笑い出すこの子が、羨望の声を上げる。
「いいなぁ、荏原中延、いいなぁ」
「どうせ食べ物かなんかでしょ」
「ちがう。図書館があるでしょ。わたしよく行くの」
「図書館? そんなのあったけ?」
「あるよう、なんで分からないの?」
「わたしは本とは無縁なの」南が吐き捨てる。
「うそ、漫画は読むくせに」
「むぐ、鋭い」
奈緒は瞳を細めて想いに浸った様子で語り出す。
「わたしね、よく 本を借 り て 読むの。それでね、帰りに駅の、ち か く の 商店街に行って、反対側まで行って、帰って くるの。商店街大好き。わーいわーいってなって。 お菓子食べる」
「なによ、やっぱり甘いものなんじゃない」
「そうよ、なにか悪い?」奈緒が開き直った様子でツンとしてから、にわかに微笑む。
改札を抜けて戸越公園駅の構内に入ると、すぐに南が言った。
「今度遊ぼう」
「え」
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