FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🐿️

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 奈緒が突然振り向いて、目をきらきら輝かせながら訊き返す。
「本当? やったぁ、遊 ぼう。わたし、高 校 に 入って… … から学校の お友達とあそぶの はじ めて だ。いつ遊ぶ? 明日遊ぶ? わたしが荏原 中延 まで 行 く よ」
「え……いや、いいよ。わたしが北千束まで行くから。うちのほうに来るのも大変だろうし。それに、いつも学校かバイトかの毎日だから、三か所をくるくる回るだけなの。だから、ほかのところにも行きたいし。そういえば、北千束って行ったことないんだよね」
「おいしいカフェがある」
「他は?」
「大きな道がある」
「他は?」
「駅がある」
「あるよね、それは。……他は?」
「分かんない」奈緒が首を傾げる。
 何も思いつかない様子の相貌に、南が声をかけた。
「そうだ、今度の日曜にでも遊ぼうか」
「日曜は無理」奈緒が即答する。
「そうなの、なにか用事?」
「杏奈ちゃんのうちに行く」
「なんで」
「わ た し の こ と で、杏奈ちゃんと 務君が “おぽのし” して く れる。から、わたしはありがとうと 伝えたい」
「廣飯んちってどこだっけ?」
「おおおかやま」
「どの辺?」
「分からない」
「住所は?」
「知らない」
「は? それでどう行くつもりなの?」
「訊く」
「誰に?」
「けいさつ」
「それで着くわけないよ。わたしが住所録調べて連れて行ってあげる」
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