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一年生の二学期
第十話 対決
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抵抗むなしく、掴まれた喉に指が食い込む。苦しさに耐えかねて、奈緒は瞳を閉じ俯いた。その瞬間、この子の耳元で強烈なさく裂音が響いて、三つ編みの塊が頬を薙いだ。瞼を開けると、間近に魚子の顔が迫っていて、表情はとても歪んでいた。
なにが起こったか分からない様子の奈緒は、魚子が即座に向けた視線の先を見やる。それでも狭い視界に原因が入り込まないのか、目を泳がせて状況を把握しようと必死だ。
「戻ってこないからもしやと思って来てみたら、案の定これ?」
南の声だ。奈緒が左目の視野を声の出所に向けると、そこには屹立するいがぐり頭があった。
この子が瞳を閉じていたまさにその時、魚子の肩に手を置いた南は、ブレイズ頭が振り返ると同時に、左手の甲でその頬をひっぱたいたのだった。
ねじれた首を戻した魚子が、奈緒から手を放す。そして、新たに現れたこの女子へと向き直った。
それを待って、南が威嚇めいた声で告げる。
「何度もいじめるなって言ったよね、わたし」
「いじめてない」魚子が間髪入れずに返す。「先に手を出してきたのは成瀬だよ」
「いい加減にして。右半身動かない相手を三人掛かりでなんて卑怯でしょ。どんだけ臆病? 試合中の会話だってところどころ聞こえてきたけど、なにあれ? 廣飯が嫌がってるとかなんとかってさ。成瀬のこと孤立させるようなこと言って陥れようとして、なにが面白いの。どうせ、あれなんでしょ。わたしの悪口も吹き込んでるんでしょ」
そして暖乃へと視線を移し、
「深谷だって、見えない右や後からボールぶつけて喜んでるなんて最低。仲間のチームになった時くらい助けてあげようって思わないの」
そしてかおりを見て、
「相沢だってバレー部のくせに、あんな強いサーブばかり撃ってさ。ダンスかなんかやってるみたいだけど、そんなのしてる暇あったら、優しいサーブの練習でもしたら? 廣飯に訊いたら、ボールが左による癖があるからだって庇ってたけど、それならまっすぐ打つ練習しなよ、隅っこで音楽聞いていないでさ。どうせあれなんでしょ、ダンスだって遊び半分でしてるくらいでしょ。それなら部活に本腰入れたほうがいくらかまし」
それを聞くや否や、かおりはものすごい覇気を込めた瞳で南を睨み上げる。
なにが起こったか分からない様子の奈緒は、魚子が即座に向けた視線の先を見やる。それでも狭い視界に原因が入り込まないのか、目を泳がせて状況を把握しようと必死だ。
「戻ってこないからもしやと思って来てみたら、案の定これ?」
南の声だ。奈緒が左目の視野を声の出所に向けると、そこには屹立するいがぐり頭があった。
この子が瞳を閉じていたまさにその時、魚子の肩に手を置いた南は、ブレイズ頭が振り返ると同時に、左手の甲でその頬をひっぱたいたのだった。
ねじれた首を戻した魚子が、奈緒から手を放す。そして、新たに現れたこの女子へと向き直った。
それを待って、南が威嚇めいた声で告げる。
「何度もいじめるなって言ったよね、わたし」
「いじめてない」魚子が間髪入れずに返す。「先に手を出してきたのは成瀬だよ」
「いい加減にして。右半身動かない相手を三人掛かりでなんて卑怯でしょ。どんだけ臆病? 試合中の会話だってところどころ聞こえてきたけど、なにあれ? 廣飯が嫌がってるとかなんとかってさ。成瀬のこと孤立させるようなこと言って陥れようとして、なにが面白いの。どうせ、あれなんでしょ。わたしの悪口も吹き込んでるんでしょ」
そして暖乃へと視線を移し、
「深谷だって、見えない右や後からボールぶつけて喜んでるなんて最低。仲間のチームになった時くらい助けてあげようって思わないの」
そしてかおりを見て、
「相沢だってバレー部のくせに、あんな強いサーブばかり撃ってさ。ダンスかなんかやってるみたいだけど、そんなのしてる暇あったら、優しいサーブの練習でもしたら? 廣飯に訊いたら、ボールが左による癖があるからだって庇ってたけど、それならまっすぐ打つ練習しなよ、隅っこで音楽聞いていないでさ。どうせあれなんでしょ、ダンスだって遊び半分でしてるくらいでしょ。それなら部活に本腰入れたほうがいくらかまし」
それを聞くや否や、かおりはものすごい覇気を込めた瞳で南を睨み上げる。
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