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第4章 樹聖エルフ王国編
第97話 デッドライン
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今後の攻略は部屋を覗くだけにしよう。
襲われないのなら素通り出来る。
たいぶ下にきたはずだ。
むっ、縦穴がある。
近道か。
覗くと底が見えないほど深い。
小石を放り込むとしばらく経ってからポチャンと水音がした。
なんだ井戸か。
ぬっとシューターアントが出てくる。
いきなり出てくるなよ。
ビビるだろ。
シューターアントは葉っぱを壁に塗りたっくった場所に行くと水を吹き始めた。
こいつは外敵に対処するだけではなく。
水汲みも仕事なんだな。
シューターアントを見ていてもしょうがないので近くの部屋に入る。
そこはキノコの貯蔵庫だった。
山と積まれているキノコ。
これが食用に出来たら一財産なんだけどな。
「リンナ、どうした?」
リンナが熱心にキノコの山を見ていたので声を掛けた。
「薬が作れないかと思って」
「麻薬を作るとは言わないよな」
「ある意味、正解よ。痛み止めに使えないかと思って」
「そんな事ができるのか」
「もちろん研究が必要よ。毒と薬は表裏一体なの」
「へぇ、なるほど」
「薬も摂り過ぎると害になるのよ。最悪死ぬわ。体に良いと言われている野菜にだって毒があるから」
「少量なら薬で大量だと毒か。勉強になったよ」
「帰りにまだあったら持って帰りましょ」
「そうだな、先を急ぐか」
次に覗いた部屋はさなぎの部屋だった。
たまにピクピクと動くさなぎは不気味だ。
全滅させると時間を取られるから、この部屋は後からくる兵士に任せよう。
次の部屋はワーカーアントの部屋だった。
大量に居るワーカーアントがむしゃむしゃとキノコをむさぼっていた。
攻撃しようとレイピアを抜きかかったリンナの腕を押さえる。
「駄目だ。先を急ごう。こいつらなら新兵にも倒せる」
「そうね」
次部屋は肉団子の貯蔵庫だった。
ワーカーアントが肉団子を咥え部屋の外に出る。
後をつけると幼虫の部屋だった。
ワーカーアントの幼虫より一回り大きい幼虫が口を開けて肉団子を催促している。
きっとソルジャーアントの幼虫だな。
この事から下に潜るほど幼虫の格があがると考えられる。
この辺りの部屋はどこもソルジャーアントの幼虫部屋だろう。
俺達は更に下へ下へと降りていく事にした。
降りる事、体感で300メートラ。
入り口が一際大きい部屋があった。
その部屋は蟻蜜の部屋だった。
ワーカーアントの口から蟻蜜が零れる。
それを腹が黄金色に透き通った腹の大きいミリタリーアントが舐める。
まるでこの形はフラスコだな。
このフラスコアントは動けないみたいだ。
ワーカーアントが甲斐甲斐しく世話をしていた。
その時、ソルジャーアントより二回り大きいミリタリーアントが入ってくる。
そして、フラスコアントを一匹咥え部屋の外に連れ出した。
どこに行くのだろう。
後をつけるとそのミリタリーアントは下へ下へと降りていく。
行った先に屍骸のバリケードがある。
見ると兵士の遺体だ。
ここから先はやばい。
勘が警鐘を鳴らす。
ここは一時撤退だ。
「リンナ、ここはやばい。少し戻ろう」
「そうね。少し分かった事があるわ」
さっきの現場から上に上がった空の部屋でリンナと話し合う事にした。
「なんとなく殺気とは違うのだけど、何かを感じたよ」
「ええ、私はもっとずっと前から感じていたわ」
「なんだろうな」
「死体を見たけど、外傷が全く無かったわ。そして、顔がみんな苦悶の表情よ」
「毒かな」
「その可能性はあるけど、臭いがしなかった。それに毒なら空気が運んでくるから、少し離れたぐらいでは毒に侵されるわ」
「うーん、なんだろう」
「この感じは強烈な飢えね」
そうか、魔力か。
どこも魔力が濃いから一律だと思っていた。
薬も過ぎれば毒になるだったっけ。
正にその通りだな。
ミリタリーアントはどうやって魔力中毒を防いでいるのだろう。
そうだ、ジェネラルアントは毒魔力ゴーレムを弾くのだったな。
なら自然界の魔力も弾くはずだ。
魔力防護のスキルは防御の為のスキルではなくて環境に適応した結果か。
待てよ。
ヴァレオさんはどうやって最深部に達した。
そうか、リンナは魔力の声が不完全ながら聞こえる。
親類のヴァレオさんにも同じ事ができたんじゃないのか。
もっと能力が強くて魔力に命令できた。
それなら納得出来る。
俺も魔力に命令して自分の周りだけ薄くすればいいのか。
やってみよう。
「魔力よ薄くなれ!」
『おう』
俺の周りの魔力が薄くなっていくのが魔力視で分かる。
リンナの周りも魔力が薄くなっていく。
ライタが気をきかしてくれたようだ。
「今の何? 言葉で魔力に命令したの?」
「秘術のうちの一つさ。それより、感触はどうだ」
「快適よ。地上に戻ったみたいだわ」
「よし、リベンジだ」
俺達は屍骸で区切られたデッドラインを越えた。
うん、なんとも無いや。
部屋があったので入ると幼虫がいて、フラスコアントを持って行ったミリタリーアントが居る。
フラスコアントのお尻を舐めさせ蜜を与えているようだ。
よく見ると幼虫もワーカーアントの幼虫より二回り以上、大きい。
もしかしてジェネラルアントの幼虫じゃないだろうか。
数もこの部屋に三匹しか居ない。
ジェネラルアントの幼虫がいるってことは終わりが近いって事だな。
部屋は繋がっていて次の部屋にはソルジャーアントの幼虫ぐらいのが十匹ぐらいいる。
これはフラスコアントを持っていったミリタリーアントの幼虫だろう。
ハイワーカーアントと名付けた。
ここからは虱潰しに部屋を見て回ろう。
襲われないのなら素通り出来る。
たいぶ下にきたはずだ。
むっ、縦穴がある。
近道か。
覗くと底が見えないほど深い。
小石を放り込むとしばらく経ってからポチャンと水音がした。
なんだ井戸か。
ぬっとシューターアントが出てくる。
いきなり出てくるなよ。
ビビるだろ。
シューターアントは葉っぱを壁に塗りたっくった場所に行くと水を吹き始めた。
こいつは外敵に対処するだけではなく。
水汲みも仕事なんだな。
シューターアントを見ていてもしょうがないので近くの部屋に入る。
そこはキノコの貯蔵庫だった。
山と積まれているキノコ。
これが食用に出来たら一財産なんだけどな。
「リンナ、どうした?」
リンナが熱心にキノコの山を見ていたので声を掛けた。
「薬が作れないかと思って」
「麻薬を作るとは言わないよな」
「ある意味、正解よ。痛み止めに使えないかと思って」
「そんな事ができるのか」
「もちろん研究が必要よ。毒と薬は表裏一体なの」
「へぇ、なるほど」
「薬も摂り過ぎると害になるのよ。最悪死ぬわ。体に良いと言われている野菜にだって毒があるから」
「少量なら薬で大量だと毒か。勉強になったよ」
「帰りにまだあったら持って帰りましょ」
「そうだな、先を急ぐか」
次に覗いた部屋はさなぎの部屋だった。
たまにピクピクと動くさなぎは不気味だ。
全滅させると時間を取られるから、この部屋は後からくる兵士に任せよう。
次の部屋はワーカーアントの部屋だった。
大量に居るワーカーアントがむしゃむしゃとキノコをむさぼっていた。
攻撃しようとレイピアを抜きかかったリンナの腕を押さえる。
「駄目だ。先を急ごう。こいつらなら新兵にも倒せる」
「そうね」
次部屋は肉団子の貯蔵庫だった。
ワーカーアントが肉団子を咥え部屋の外に出る。
後をつけると幼虫の部屋だった。
ワーカーアントの幼虫より一回り大きい幼虫が口を開けて肉団子を催促している。
きっとソルジャーアントの幼虫だな。
この事から下に潜るほど幼虫の格があがると考えられる。
この辺りの部屋はどこもソルジャーアントの幼虫部屋だろう。
俺達は更に下へ下へと降りていく事にした。
降りる事、体感で300メートラ。
入り口が一際大きい部屋があった。
その部屋は蟻蜜の部屋だった。
ワーカーアントの口から蟻蜜が零れる。
それを腹が黄金色に透き通った腹の大きいミリタリーアントが舐める。
まるでこの形はフラスコだな。
このフラスコアントは動けないみたいだ。
ワーカーアントが甲斐甲斐しく世話をしていた。
その時、ソルジャーアントより二回り大きいミリタリーアントが入ってくる。
そして、フラスコアントを一匹咥え部屋の外に連れ出した。
どこに行くのだろう。
後をつけるとそのミリタリーアントは下へ下へと降りていく。
行った先に屍骸のバリケードがある。
見ると兵士の遺体だ。
ここから先はやばい。
勘が警鐘を鳴らす。
ここは一時撤退だ。
「リンナ、ここはやばい。少し戻ろう」
「そうね。少し分かった事があるわ」
さっきの現場から上に上がった空の部屋でリンナと話し合う事にした。
「なんとなく殺気とは違うのだけど、何かを感じたよ」
「ええ、私はもっとずっと前から感じていたわ」
「なんだろうな」
「死体を見たけど、外傷が全く無かったわ。そして、顔がみんな苦悶の表情よ」
「毒かな」
「その可能性はあるけど、臭いがしなかった。それに毒なら空気が運んでくるから、少し離れたぐらいでは毒に侵されるわ」
「うーん、なんだろう」
「この感じは強烈な飢えね」
そうか、魔力か。
どこも魔力が濃いから一律だと思っていた。
薬も過ぎれば毒になるだったっけ。
正にその通りだな。
ミリタリーアントはどうやって魔力中毒を防いでいるのだろう。
そうだ、ジェネラルアントは毒魔力ゴーレムを弾くのだったな。
なら自然界の魔力も弾くはずだ。
魔力防護のスキルは防御の為のスキルではなくて環境に適応した結果か。
待てよ。
ヴァレオさんはどうやって最深部に達した。
そうか、リンナは魔力の声が不完全ながら聞こえる。
親類のヴァレオさんにも同じ事ができたんじゃないのか。
もっと能力が強くて魔力に命令できた。
それなら納得出来る。
俺も魔力に命令して自分の周りだけ薄くすればいいのか。
やってみよう。
「魔力よ薄くなれ!」
『おう』
俺の周りの魔力が薄くなっていくのが魔力視で分かる。
リンナの周りも魔力が薄くなっていく。
ライタが気をきかしてくれたようだ。
「今の何? 言葉で魔力に命令したの?」
「秘術のうちの一つさ。それより、感触はどうだ」
「快適よ。地上に戻ったみたいだわ」
「よし、リベンジだ」
俺達は屍骸で区切られたデッドラインを越えた。
うん、なんとも無いや。
部屋があったので入ると幼虫がいて、フラスコアントを持って行ったミリタリーアントが居る。
フラスコアントのお尻を舐めさせ蜜を与えているようだ。
よく見ると幼虫もワーカーアントの幼虫より二回り以上、大きい。
もしかしてジェネラルアントの幼虫じゃないだろうか。
数もこの部屋に三匹しか居ない。
ジェネラルアントの幼虫がいるってことは終わりが近いって事だな。
部屋は繋がっていて次の部屋にはソルジャーアントの幼虫ぐらいのが十匹ぐらいいる。
これはフラスコアントを持っていったミリタリーアントの幼虫だろう。
ハイワーカーアントと名付けた。
ここからは虱潰しに部屋を見て回ろう。
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