あの子の肌の感触

私を抱いて

　一週間後の夜、僕たちは再び会った。二月も終わりに差し掛かっていた。この日はユウコのお気に入りのお店へ入った。丘の上にあるきれいでお洒落な雰囲気だった。
　二人用の個室に入った僕たちはビールを注文し、乾杯した。この日のユウコはおめかしをしていた。なんだか色っぽく見えた。ユウコが楽しそうにしている。元気になってよかった。僕はそう思いながらお酒を飲んでいた。
　会話を楽しみながら飲んで食べてあっというに時間が経った。「じゃあ、お会計してくるね」ユウコはレジへ向かった。そういえば、先週ユウコの家に送っている途中、何か言ってたような…。思い出そうとしたが思い出せなかった。「じゃあ、行こうか」そう言って店を出た。
　外には街の夜景が広がっていた。「きれいだな」僕は夜景に魅了された。「きれでしょ。食事が美味しいし、街の夜景も観られるから気に入ってるんだ」もしかしたらユウコはこの景色も観せたかったのかもしれない。しばらく二人で景色を眺めた。
　数分後、僕たちはその場所を後にした。「今日はありがとう。また遊びに行こうね」僕がお礼を言うとユウコがしがみつくように僕が帰るのを止め「帰らないで。もっと一緒にいたいよ。寂しい…」胸元でそう呟いた。僕はユウコを包み込んだ。
　僕たちはしばらく街を歩いた。ユウコが何かを見ている。目を向けるとそこはホテルだった。「ユウコ」僕は呼んだがユウコはそこから動かなかった。ユウコは僕の腕を引っ張るようにホテルへ入った。
　部屋に入った僕は思わず緊張した。このような場所に来るのは初めてだったからだ。「先、シャワー浴びてくるね」ユウコはシャワーを浴びに行った。十分ほどでユウコがタオルを巻いて出てきた。濡れた髪がさらに色気を出していた。僕もシャワーを浴び、ベッドへ向かった。
　タオルを取り、ベッドに座ったユウコ。僕は初めて見る女性の裸を舐めまわすように見た。乳頭はとてもきれいな色をしていた。ユウコの目は僕の瞳をまっすぐ見つめた。そして次の瞬間、目を閉じ口づけをした。ユウコの唇はとても柔らかかった。ユウコが僕の体を触り、興奮を誘う。数十秒後、ユウコは再び僕の瞳を見つめた。次の瞬間、僕はユウコをベッドに押し倒し、彼女の乳頭を湿らせた。かすかに喘ぐ声が聞こえた。
　僕はついに、ユウコと一つになった。体を前後に動かせば動かすほど僕の体に心地よい感覚が広がる。ユウコは髪を乱し、気持ち良さそうに声を上げていた。体を動かすスピード上げる僕。ユウコの声のトーンが上がる。そして、今にも何かが溢れ出てきそうだった。
　「あっ…」僕の体からしぶきを上げた液体はユウコのお腹まで飛んだ。ユウコはしばらくベッドから動かなかった。一分後、自身の体を拭いた。汗をものすごくかいた。僕はシャワーを浴びに行った。浴びてる最中、ユウコのやわらかい肌の感触が離れなかった。ベッドに戻ると、ユウコが座っていた。「ケンタ、上手だね」僕はユウコが何を言っているのか分からなかった。ユウコはそう言い残し、シャワーを浴びに行った。
　ユウコが戻り、僕たちはホテルを出た。ユウコは満ち足りた表情を浮かべていた。僕の前を歩いているユウコが時折僕の方を振り向いた。しかし、笑顔を見せるだけで何も言わなかった。
　僕は歩いてユウコを家まで送った。「おやすみ」そう言って僕はその場を後にした。ユウコは「うん」と言いながら僕を見送っていた。僕の体はまだ火照っていた。その夜はなかなか寝付けなかった。
　四月、僕は地元から離れた会社で働いている。仕事は忙しいが、充実した日々を過ごしている。ユウコとは入社してからも定期的に連絡を取っている。だが、恋人としてではなく、友人としてだ。たまに地元に戻ってユウコと会っても体の関係を持つことはなかった。「ケンタ、仕事順調？」「まあまあかな。ユウコは？」「私もまあまあかも」二人笑いながら話し、地平線の先を進んでいった。