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第二章
織田信雄無能
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「甲斐信濃の上杉方」
真田昌幸:上田城(一旦上杉家に下るも、後北条家に攻められて降伏)
栗田民部介:水内郡
香坂一族:更級郡西山部
村上景国:海津城の城代
屋代秀正:海津城の副将
香坂昌元:海津城の城将
小幡虎昌:海津城の城将
遠山丹波守:更級郡八幡(上州沼田に在城)
小田切四郎太郎:塩田郷の内下郷・中郷・本郷三カ村の内千五百貫文
板屋光胤:上杉家の目付
「甲斐信濃の北条方」
岡部正綱:甲斐河内領菅沼城
小笠原貞慶:深志城
大道寺政繁:小諸城
大井摂元:甲斐奈神社
大村忠堯:浄居寺城
諏訪頼忠:諏訪高島城
木曾義昌:木曽福島城
「サッサと何とかしろ、入庵」
「三介様、何とかしろと申されてと、全ては三介様が命じられたことですぞ」
「余は城に籠城するなどと申した覚えはない」
「このまま進めば、雪が降るまでに尾張には戻れませんと申し上げたではありませんか」
「勝てば問題などかったのだ。それを貴様らは、一度ならず二度までも、北条などに負けおって」
「我らの所為で負けた訳ではありません。三介様が勝手に采配を振るった結果ではありませんか」
「兵共が弱すぎるのじゃ」
織田信雄と滝川一益達の関係は最悪だった。
出陣直後、前回の二の舞を恐れた一益達は、後方に去就定かでない者を置く事を強硬に反対した。
信雄も信長亡き後に裏切った者を許す気がなかった。
その為、徳川家康を通じて再び臣従を願い出た木曾義昌を、容赦せずに攻撃した。
だが木曽福島城に籠城した木曾義昌は頑強に抵抗し、攻め滅ぼすのに二カ月もかかってしまった。
ここで進撃を止めていればよかったのだが、信雄が頑強に進軍を言い張り、仕方なく守備兵を木曽福島城に残し、筑摩郡から安曇郡に進んだのだ。
だが信濃安曇郡には、徳川家康から北条に寝返った小笠原貞慶がいた。
信雄軍一万三千兵が包囲しても、頑として降伏しなかった。
ここに後北条家軍四万三千兵が援軍に急行してきた。
後北条家は戦国を生き抜いてきただけあって、密かに同盟している徳川家を全く信用していなかった。
御坂峠の一万兵を動かさず、徳川家の動き次第では、駿河に攻め込む気配まで見せた。
それだけではなく、箱根にも兵を移動させ、駿河に侵攻する気配を見せていた。
徳川家康はここでも我慢を重ね、造成の推移を見守っていた。
後北条家が強大になり過ぎ、領地を囲まれてしまうのは問題だ。
同時に再び織田家の属国扱いされる気もない。
そしてここで無能な織田信雄が兵力さも考えず、滝川一益や家老の諫言も無視して、後北条家の大軍を相手に正面から戦うと言う愚を犯した。
大敗した信雄は真っ先に逃げ出し、木曽福島城に逃げ込んだ。
多くの兵が討ち死にし、生きて城に辿り着いた将兵は半数を切っていた。
真田昌幸:上田城(一旦上杉家に下るも、後北条家に攻められて降伏)
栗田民部介:水内郡
香坂一族:更級郡西山部
村上景国:海津城の城代
屋代秀正:海津城の副将
香坂昌元:海津城の城将
小幡虎昌:海津城の城将
遠山丹波守:更級郡八幡(上州沼田に在城)
小田切四郎太郎:塩田郷の内下郷・中郷・本郷三カ村の内千五百貫文
板屋光胤:上杉家の目付
「甲斐信濃の北条方」
岡部正綱:甲斐河内領菅沼城
小笠原貞慶:深志城
大道寺政繁:小諸城
大井摂元:甲斐奈神社
大村忠堯:浄居寺城
諏訪頼忠:諏訪高島城
木曾義昌:木曽福島城
「サッサと何とかしろ、入庵」
「三介様、何とかしろと申されてと、全ては三介様が命じられたことですぞ」
「余は城に籠城するなどと申した覚えはない」
「このまま進めば、雪が降るまでに尾張には戻れませんと申し上げたではありませんか」
「勝てば問題などかったのだ。それを貴様らは、一度ならず二度までも、北条などに負けおって」
「我らの所為で負けた訳ではありません。三介様が勝手に采配を振るった結果ではありませんか」
「兵共が弱すぎるのじゃ」
織田信雄と滝川一益達の関係は最悪だった。
出陣直後、前回の二の舞を恐れた一益達は、後方に去就定かでない者を置く事を強硬に反対した。
信雄も信長亡き後に裏切った者を許す気がなかった。
その為、徳川家康を通じて再び臣従を願い出た木曾義昌を、容赦せずに攻撃した。
だが木曽福島城に籠城した木曾義昌は頑強に抵抗し、攻め滅ぼすのに二カ月もかかってしまった。
ここで進撃を止めていればよかったのだが、信雄が頑強に進軍を言い張り、仕方なく守備兵を木曽福島城に残し、筑摩郡から安曇郡に進んだのだ。
だが信濃安曇郡には、徳川家康から北条に寝返った小笠原貞慶がいた。
信雄軍一万三千兵が包囲しても、頑として降伏しなかった。
ここに後北条家軍四万三千兵が援軍に急行してきた。
後北条家は戦国を生き抜いてきただけあって、密かに同盟している徳川家を全く信用していなかった。
御坂峠の一万兵を動かさず、徳川家の動き次第では、駿河に攻め込む気配まで見せた。
それだけではなく、箱根にも兵を移動させ、駿河に侵攻する気配を見せていた。
徳川家康はここでも我慢を重ね、造成の推移を見守っていた。
後北条家が強大になり過ぎ、領地を囲まれてしまうのは問題だ。
同時に再び織田家の属国扱いされる気もない。
そしてここで無能な織田信雄が兵力さも考えず、滝川一益や家老の諫言も無視して、後北条家の大軍を相手に正面から戦うと言う愚を犯した。
大敗した信雄は真っ先に逃げ出し、木曽福島城に逃げ込んだ。
多くの兵が討ち死にし、生きて城に辿り着いた将兵は半数を切っていた。
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