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第1章
第30話:部屋住み厄介叔父
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神歴1817年皇歴213年3月3日皇室系子爵館:ロジャー皇子視点
「ロジャー殿下、屋敷に滞在していただくだけでなく、領内の武器や防具を全て買い取って頂き、感謝の言葉もありません」
「いえ、いえ、私も実戦訓練ができて助かっています」
俺と配下の騎士たちが行っている、ゴブリンダンジョンの実戦訓練が満足できるレベルになるまで、子爵家の屋敷に泊めてもらう事にした。
領都にある宿に泊まっても良いのだが、それでは直接子爵にお金を渡せない。
領都の宿が他家のひも付きだったら、子爵に全くお金が入らない可能性もあったので、俺の家臣も身分に応じて子爵家の家臣宅に泊まらせている。
家臣の宿泊費も全部俺が払っている。
直臣となったバニングス家の者たちだけでなく、皇室から領地をもらっている護衛騎士とその家臣の分もだ。
子爵も、その家臣も、皇子である俺に失礼の無いように、精一杯のもてなしをしてくれているので、俺の分は1日5000ペクーニアを日払いしている。
騎士隊長で準男爵であるアントニオは1日3000ペクーニア。
騎士長で士爵であるウッディは1日2000ペクーニア。
騎士は、皇室直臣であろうと俺の直臣であろうと1日1000ペクーニア。
陪臣徒士は1日500ペクーニア。
それと、馬の厩舎を借りるのに餌代込みで1日500ペクーニア払っている。
食事込みの徒士と餌込みの馬が同じ金額なのは、少しだけ申し訳ない気がした。
「とんでもありません、殿下のお立場なら、もっと歓待してくれる家に泊まる事もできますし、礼金を払わずに済ます事もできます。
それなのに、我が家の歓待をはるかに超える礼金を払ってくださる。
1日で子爵家年収の5パーセントもです」
「5パーセントとはいっても、高額の食材を取り寄せていただいていますし、家臣の妻子も使っていただいています。
実際に子爵殿の利益になるのは2パーセント、3万ペクーニアほどでしょう?」
「その3万ペクーニアが我が家にはとても大きいのです。
これでようやく商人から借りている金を、利息だけでなく元本も返せます」
「そこまで追い込まれておられているのなら、子爵殿の家臣を私が召し抱えてあげましょうか?」
「え、本当でございますか?!
そうして頂けるなら非常に助かるのですが……残念ながら無理です。
もう辞めさせられる家臣は全て辞めさせているのです。
これ以上辞めさせてしまうと、皇国の軍役を守れなくなります」
「でしたら、家臣の子弟、行き場のない次男三男や娘を召し抱えてあげましょう。
そうすれば家臣の暮らしが少しは良くなるでしょう。
それとも、次男三男はゴブリンダンジョンで戦わせているから、いなくなると困るのですか?」
「家臣たちが暮らしに困っているのは事実ですし、良く知っています。
騎士や徒士とは名ばかりで、冒険者や農民と変わらない生活をしているのも知っています。
家臣の子弟子女が、養子にも嫁にも行けず、ろくな食事も与えられず、家のために毎日ダンジョンで狩りをさせられているのも知っています。
殿下が召し抱えてくださるというのなら、子爵として強権を発動してでも、その者たちを実家から独立させます!」
陪臣徒士たちを子爵家の家臣邸に泊まらせた事で、不幸な家族がいる事を知った。
だから子爵に、家臣の子弟子女を召し抱える提案を持ちかけたのだ。
長男が死んだ時のために、次男は最低限の生活をさせているが、3男以降は家畜よりも悪い生活をしていた。
最低限の生活をさせていた次男も、長男に男の子が生まれたら用なしだ。
親兄弟に情があれば良いが、そうでなければ次男も家畜以下のあつかいになる。
それに、情があっても子爵家が与える給金が少ないと、どうしようもない。
それに、俺も全くの役立たずを召し抱える気はない。
彼ら彼女らは、子爵家家臣の子弟子女なので、ゴブリンダンジョンで小銭を稼ぐことができるのだ。
親や長男の中には、命惜しさに自分はダンジョンに潜らず、次男以下の子供に潜らせて、命がけで集めてきた小銭を全部巻き上げるクソがいるのだ。
そんなクソ親やクソ兄から救い出す代わりに忠誠を誓ってもらう。
人間型モンスターとの実戦経験のある者を家臣にできれば、俺にも利がある。
打算的なのは分かっているが、お互い利があるのだから許されるだろう。
「ロジャー殿下、屋敷に滞在していただくだけでなく、領内の武器や防具を全て買い取って頂き、感謝の言葉もありません」
「いえ、いえ、私も実戦訓練ができて助かっています」
俺と配下の騎士たちが行っている、ゴブリンダンジョンの実戦訓練が満足できるレベルになるまで、子爵家の屋敷に泊めてもらう事にした。
領都にある宿に泊まっても良いのだが、それでは直接子爵にお金を渡せない。
領都の宿が他家のひも付きだったら、子爵に全くお金が入らない可能性もあったので、俺の家臣も身分に応じて子爵家の家臣宅に泊まらせている。
家臣の宿泊費も全部俺が払っている。
直臣となったバニングス家の者たちだけでなく、皇室から領地をもらっている護衛騎士とその家臣の分もだ。
子爵も、その家臣も、皇子である俺に失礼の無いように、精一杯のもてなしをしてくれているので、俺の分は1日5000ペクーニアを日払いしている。
騎士隊長で準男爵であるアントニオは1日3000ペクーニア。
騎士長で士爵であるウッディは1日2000ペクーニア。
騎士は、皇室直臣であろうと俺の直臣であろうと1日1000ペクーニア。
陪臣徒士は1日500ペクーニア。
それと、馬の厩舎を借りるのに餌代込みで1日500ペクーニア払っている。
食事込みの徒士と餌込みの馬が同じ金額なのは、少しだけ申し訳ない気がした。
「とんでもありません、殿下のお立場なら、もっと歓待してくれる家に泊まる事もできますし、礼金を払わずに済ます事もできます。
それなのに、我が家の歓待をはるかに超える礼金を払ってくださる。
1日で子爵家年収の5パーセントもです」
「5パーセントとはいっても、高額の食材を取り寄せていただいていますし、家臣の妻子も使っていただいています。
実際に子爵殿の利益になるのは2パーセント、3万ペクーニアほどでしょう?」
「その3万ペクーニアが我が家にはとても大きいのです。
これでようやく商人から借りている金を、利息だけでなく元本も返せます」
「そこまで追い込まれておられているのなら、子爵殿の家臣を私が召し抱えてあげましょうか?」
「え、本当でございますか?!
そうして頂けるなら非常に助かるのですが……残念ながら無理です。
もう辞めさせられる家臣は全て辞めさせているのです。
これ以上辞めさせてしまうと、皇国の軍役を守れなくなります」
「でしたら、家臣の子弟、行き場のない次男三男や娘を召し抱えてあげましょう。
そうすれば家臣の暮らしが少しは良くなるでしょう。
それとも、次男三男はゴブリンダンジョンで戦わせているから、いなくなると困るのですか?」
「家臣たちが暮らしに困っているのは事実ですし、良く知っています。
騎士や徒士とは名ばかりで、冒険者や農民と変わらない生活をしているのも知っています。
家臣の子弟子女が、養子にも嫁にも行けず、ろくな食事も与えられず、家のために毎日ダンジョンで狩りをさせられているのも知っています。
殿下が召し抱えてくださるというのなら、子爵として強権を発動してでも、その者たちを実家から独立させます!」
陪臣徒士たちを子爵家の家臣邸に泊まらせた事で、不幸な家族がいる事を知った。
だから子爵に、家臣の子弟子女を召し抱える提案を持ちかけたのだ。
長男が死んだ時のために、次男は最低限の生活をさせているが、3男以降は家畜よりも悪い生活をしていた。
最低限の生活をさせていた次男も、長男に男の子が生まれたら用なしだ。
親兄弟に情があれば良いが、そうでなければ次男も家畜以下のあつかいになる。
それに、情があっても子爵家が与える給金が少ないと、どうしようもない。
それに、俺も全くの役立たずを召し抱える気はない。
彼ら彼女らは、子爵家家臣の子弟子女なので、ゴブリンダンジョンで小銭を稼ぐことができるのだ。
親や長男の中には、命惜しさに自分はダンジョンに潜らず、次男以下の子供に潜らせて、命がけで集めてきた小銭を全部巻き上げるクソがいるのだ。
そんなクソ親やクソ兄から救い出す代わりに忠誠を誓ってもらう。
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