上 下
27 / 49

~幕間「年齢について」~

しおりを挟む
※キャラクター同士のちょっとした会話です。
 ストーリーは進行しませんので、興味ない方は飛ばしてください~※


=幕間===


ハナ「せっかくなんで、自己紹介でもします?」

ヴィルクリフ「あー……いいけどよ。大した話なんて出来ねぇぜ?」

エリアス「そうねぇ……っていうか、ハナ、あんた記憶喪失なんでしょ? 紹介できるの?」

ハナ「あっ……ま、まあ、好きな食べ物とかならいけるんで……あの、みなさん、お年は?」

エリアス「年? あたしは二十四よ」

ヴィルクリフ「あー……オレは生まれがハッキリしねぇからなぁ……ま、エリアスと同じくらいじゃねぇか?」

ハナ「…………(年下だ、二人とも)」

エリアス「うーん……見た感じは確かに同年代っぽく見えるわね。っていうか、ブラウは十五って聞いてたけど、あんたずいぶん歳離れてるんじゃない」

ヴィルクリフ「ま、実の兄弟じゃねぇしな」

ハナ「えっ」

ヴィルクリフ「オレもブラウも、元は孤児だ。そもそも、顔も髪の色も、この肌の色だって、ちっとも似てねぇだろ?」

ハナ「……たしかに」

エリアス「国の兵士は、身元が確かな人しか入れないはずだけど……」

ヴィルクリフ「それが条件だったからな。オレに契約の紋章を刻むとき、ブラウにはきっちりした家と肩書きを、っていう」

エリアス「……そうだったの。長期休みの時も、家に帰らないで訓練してるから、どうしてなのかしらとは思っていたけど」

ヴィルクリフ「ま、あくまでハリボテの、名目上だけだったからな。……アイツ、それにオレのことは嫌ってたし」

ハナ「えっ……ヴィルクリフさんのことを?」

ヴィルクリフ「まぁ、オレが人殺しして金稼いでることは知ってたからな。殺しで稼いだ金なんかで飯を食いたくない、て怒られたこともあった」

エリアス「そう……あのブラウが……」

ハナ「し、知らなかったんですか? ヴィルクリフさんが、殺し屋をやりたくてやってるわけじゃない、ってこと……」

ヴィルクリフ「わざわざ言うのも変な話だろ? ブラウの為、なんて結局オレの自己満足だしな。アイツはなにも知らねぇよ。国の兵士になれたのだって、後ろ盾は用意してやったが、結局はブラウががんばったからだしな」

エリアス「……ブラウの剣技の実力はすごいわ。それはあたしが保障する」

ヴィルクリフ「ま、そういうこった。アイツはもう一人で生きてける力もあるし、目の上のたんこぶだったオレがいなくなって、かえって気も楽だろ」

ハナ「……ヴィルクリフさん」

ヴィルクリフ「悪ィ、湿っぽくするつもりはなかったんだが。オレの話はこんなとこだな。ハナ、お前、年は?」

ハナ「えっ……いや、記憶喪失なので……ワタクシ」

エリアス「まぁ、女性に年齢聞くのも野暮ってもんね。うちの姉も妹も、年齢はやっぱり気にしてたもの」

ヴィルクリフ「あー、お前んとこも兄弟がいんのか」

エリアス「うちは多いのよね。兄がひとり、姉がひとり、妹がふたり。あたしが丁度まん中よ」

ハナ「へぇぇ……エリアスさん、一番上っぽいのに」

エリアス「そう? ありがと。妹の世話をよくしてたからかしらね」

ヴィルクリフ「なんつーか、ハナ、お前は一人っ子っぽいよな」

ハナ「え、えへへ……そうですかね……(……当たってる)」

エリアス「うちの両親は仲がいいから……ま、変人だけど」

ハナ「……変人」

エリアス「まぁ、だから、二人とも覚悟しといてね。会った時、まぁ……驚くと思うから」

ヴィルクリフ「……どんな両親なんだよ……」


===幕間おわり=
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたおっさん、実は最強の癒しキャラでした

鈴木竜一
ファンタジー
 健康マニアのサラリーマン宮原優志は行きつけの健康ランドにあるサウナで汗を流している最中、勇者召喚の儀に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまう。飛ばされた先の世界で勇者になるのかと思いきや、スキルなしの上に最底辺のステータスだったという理由で、優志は自身を召喚したポンコツ女性神官リウィルと共に城を追い出されてしまった。  しかし、実はこっそり持っていた《癒しの極意》というスキルが真の力を発揮する時、世界は大きな変革の炎に包まれる……はず。  魔王? ドラゴン? そんなことよりサウナ入ってフルーツ牛乳飲んで健康になろうぜ! 【「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」1巻発売中です! こちらもよろしく!】  ※作者の他作品ですが、「おっさん、異世界でドラゴンを育てる。」がこのたび書籍化いたします。発売は3月下旬予定。そちらもよろしくお願いします。

転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?

N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、 生まれる世界が間違っていたって⁇ 自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈ 嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!! そう意気込んで転生したものの、気がついたら……… 大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い! そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!! ーーーーーーーーーーーーーー ※誤字・脱字多いかもしれません💦  (教えて頂けたらめっちゃ助かります…) ※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません

転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~

明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。

転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄
ファンタジー
【9月10日を持ちまして完結致しました。特別編執筆中です】 ある日、災害に巻き込まれて命を落とした少女ミナは異世界の女神に出会い、転生をさせてもらう事になった。 女神はミナの体を創造して問う。 「要望はありますか?」 ミナは「運だけ良くしてほしい」と望んだ。 迂闊で残念な少女ミナが剣と魔法のファンタジー世界で様々な人に出会い、成長していく物語。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

【完結】え、別れましょう?

須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」 「は?え?別れましょう?」 何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。  ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?  だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。   ※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。 ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...