11 / 13
危険
しおりを挟む
エイミとグリーンのふたりと過ごす時間は楽しくてあっという間に夜になっていた。
「この後どうする?」
エイミの言葉に焦りが生まれる。
またあの家に戻らないといけない。リビングで寝ているお母さんを見て絶望的な気分にならなきゃいけない。あの、ジメジメとした布団で寝なきゃいけない。
そう思うと帰りたくなかった。
そんな気持ちが通じたのか、グリーンが私の顔を覗き込んできた。
「もしかして、帰りたくないとか?」
図星をつかれて「まぁ……ね」と、苦笑いを浮かべる。
深く理由を聞かれるかと思ったが、ふたりはそれ以上なにも聞いてこなかった。
「それじゃあさ、今日は私達の友達の家に泊まらない?」
エイミからの提案に「友達?」と聞き返す。
「うん。私達も家に帰りたくないときによく泊めてもらってんの。アパート暮らしなんだけど、ここからも近いし」
エイミはそう言いながらスマホを操作して誰かと連絡を取り合っている。
「本人は大丈夫だって言ってるけど、どうする?」
そう聞かれて返答に詰まる。知らない人の家に押しかけて行って泊まるなんて、さすがに抵抗があった。
「嫌なら別にいいんだよ? 私らは今日その子に家に泊まるけど、真美は帰る?」
あの家に帰るか、それともエイミたちと一緒に泊まるか。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。もう、あの家には帰りたくない。それに、エイミとグリーンが一緒ならきっと大丈夫だ。
私の決意はすぐについた。
「私、一緒に泊まる」
そう言った瞬間、ふたりがニヤリと笑ったのを私は気が付かなかったのだった。
☆☆☆
二階建てのアパートはとても古くて外階段は錆びて歩く度に嫌な音を立てた。
ここへ来るまでに夜は一層深くなり、街頭がなければ歩くことも難しい真夜中になっていた。
「ボロアパートでごめんね」
グリーンが私を気遣って声を駆けてくれる。
どこでもいい。あの家以外なら、どこで寝たってきっと天国だ。
「ここが友達の部屋」
エイミが二階の一番奥の部屋で立ち止まり、チャイムを鳴らした。壁が薄いのか、その安っぽい音が外まで聞こえてくる。
しばらく待っていると中から鍵が開く音が聞こえてきた。
「ほら真美。挨拶挨拶」
相手が出てくる前にグリーンに背中を押されて玄関の前に移動する。そしてドアが開いたそのとき……。
「いらっしゃい」
耳に沢山のピアスがついた男が立っていた。その後ろには金髪の男。
どこかで見覚えがあると思っていたら、昨日ナンパしてきた二人組みだと気がついた。
「この子がお金持ちで可愛い子? 確かに可愛いね」
化粧をしている私の顔をジロジロと眺め回してピアス男が言う。
なにかを考えるよりも先にサッと血の気が引いた。逃げなきゃ!
咄嗟に思うけれど、真後ろにはグリーン、横にはエイミが立っていて逃げられない。
「そうだよ。悪くないでしょ?」
エイミが自慢気に鼻をふくらませる。
「あ、あのやっぱり私帰るね」
「何言ってんの。夜はまだこれからっしょ?」
金髪頭が腕を伸ばして掴んできた。
「いや!」
無意識に振り払い、エイミの体を突き飛ばして走り出す。
「逃がすな!」
「くそっ」
後方から男たちが追いかけてくる足音がする。
錆びた階段を一気に駆け下りて暗い夜道を全力で走る。
やがて後ろから追いかけてくる音は聞こえなくなったけれど、走っても走ってもすぐ後ろにあいつらがいる気がして、家まで足を緩めることができなかったのだった。
☆☆☆
「お父さん! お母さん!」
勢いよく玄関を開けて叫ぶ。
「お父さん、お母さん聞いて!」
叫びながら家の中の電気をつけていく。
廊下、キッチン、リビング、寝室。だけど誰もどこにもいない。
ここまで走ってきたことで呼吸する度に肺が痛くて、今にも倒れてしまいそうだ。
「ねぇ、ふたりとも、いないの!?」
家の中はとても静かで人の気配が感じられない。ゴミばかりの中で、小さな虫が動く音だけが聞こえてくる。
一度冷静になって玄関へ戻り、厳重に鍵をかける。それからまた家の中を探してまわった。
トイレ、お風呂、二階の物置。でも、やっぱり誰もいない。
「なんでこんなときに誰もいないの!?」
誰かに話を聞いて欲しい。危険な目に遭ったんだから、助けて欲しい。
再びキッチンへ戻ってくるとテーブルに白い紙が広げて置かれていることに気がついた。その上には銀色の指輪が大小ひとつずつ置かれている。
「え?」
紙に書かれている文字に視線を走らせて思わず呟く。それは離婚届だったのだ。すでにふたりの名前が書かれて、ハンコも押されている。
「嘘でしょ!?」
離婚届を乱暴に握りしめた拳が小刻みに震えている。
元々私が無理やりくっつけたふたりだ。性格が合わないのは仕方のないことだった。
だけど、なにもこんなときにこんなものを置いて、ふたりともいなくなることないじゃん!
これから先の私はどうなるの?
お父さんに引き取られても、お母さんに引き取られても結局は孤独だ。今の親戚に知っている人はひとりもいないし、もしも施設に入ることになったら……!?
今まで両親と一緒に暮らしてきた私には、そこがそんな場所なのか検討もつかない。
少し落ち着いてきていた心拍がまた上がってくる。
私は泣き出してしまいそうになるのを必死で堪えてスマホを操作した。
まずはお母さんからだ。電話をかけると、案外すぐに出てくれた。
「お母さん!? 離婚って、どういうこと!?」
『真美、あんた今日は家に帰ってきたんだ』
それは鼻で笑うような声だった。
『そうよ。私とお父さんは離婚することになったの、あんたも今まで通り自由にすればいいから』
「待ってよ……なに無責任なこと言ってんの!?」
『はぁ? 今更なに言ってるの? ほとんど家に帰ってこなかったのはあんたでしょ。荷物はまた今度取りに行くから、またね』
「ちょっと!」
私が次の言葉を言うよりも先に電話は切られてしまっていた。私は信じられない気持ちでスマホを見つめる。こんな風に突き放されるなんて思ってもいなかった。
確かに私は自由にしていたけれど、でもだからってこんな扱いしなくてもいいのに!
やっぱりお母さんじゃダメだ。お父さんに連絡しなきゃ!
電話をかけると、こちらもすぐに繋がった。
『真美か、どうした?』
「お父さん離婚って嘘だよね? それに私今すごく怖いことがあったの。話を聞いてほしいの」
『急にしおらしい声を出してどうしたんだ? お前はなんでもお金で解決してきただろう?』
「変な男たちに襲われそうになって」
『それは大変だ。でも、それもお金で解決できるだろ?』
「でもっ!」
『お父さん今忙しいから、切るぞ』
「ちょっと待って! 離婚って本気で考えてるの!?」
『真美……』
ゴクリと唾を飲んで次の言葉を待つ。どうかふたりの気の迷いでありますように。
『そんなの、当然の結果だろう?』
お父さんは最後にそう言って、電話を切ったのだった。
「この後どうする?」
エイミの言葉に焦りが生まれる。
またあの家に戻らないといけない。リビングで寝ているお母さんを見て絶望的な気分にならなきゃいけない。あの、ジメジメとした布団で寝なきゃいけない。
そう思うと帰りたくなかった。
そんな気持ちが通じたのか、グリーンが私の顔を覗き込んできた。
「もしかして、帰りたくないとか?」
図星をつかれて「まぁ……ね」と、苦笑いを浮かべる。
深く理由を聞かれるかと思ったが、ふたりはそれ以上なにも聞いてこなかった。
「それじゃあさ、今日は私達の友達の家に泊まらない?」
エイミからの提案に「友達?」と聞き返す。
「うん。私達も家に帰りたくないときによく泊めてもらってんの。アパート暮らしなんだけど、ここからも近いし」
エイミはそう言いながらスマホを操作して誰かと連絡を取り合っている。
「本人は大丈夫だって言ってるけど、どうする?」
そう聞かれて返答に詰まる。知らない人の家に押しかけて行って泊まるなんて、さすがに抵抗があった。
「嫌なら別にいいんだよ? 私らは今日その子に家に泊まるけど、真美は帰る?」
あの家に帰るか、それともエイミたちと一緒に泊まるか。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。もう、あの家には帰りたくない。それに、エイミとグリーンが一緒ならきっと大丈夫だ。
私の決意はすぐについた。
「私、一緒に泊まる」
そう言った瞬間、ふたりがニヤリと笑ったのを私は気が付かなかったのだった。
☆☆☆
二階建てのアパートはとても古くて外階段は錆びて歩く度に嫌な音を立てた。
ここへ来るまでに夜は一層深くなり、街頭がなければ歩くことも難しい真夜中になっていた。
「ボロアパートでごめんね」
グリーンが私を気遣って声を駆けてくれる。
どこでもいい。あの家以外なら、どこで寝たってきっと天国だ。
「ここが友達の部屋」
エイミが二階の一番奥の部屋で立ち止まり、チャイムを鳴らした。壁が薄いのか、その安っぽい音が外まで聞こえてくる。
しばらく待っていると中から鍵が開く音が聞こえてきた。
「ほら真美。挨拶挨拶」
相手が出てくる前にグリーンに背中を押されて玄関の前に移動する。そしてドアが開いたそのとき……。
「いらっしゃい」
耳に沢山のピアスがついた男が立っていた。その後ろには金髪の男。
どこかで見覚えがあると思っていたら、昨日ナンパしてきた二人組みだと気がついた。
「この子がお金持ちで可愛い子? 確かに可愛いね」
化粧をしている私の顔をジロジロと眺め回してピアス男が言う。
なにかを考えるよりも先にサッと血の気が引いた。逃げなきゃ!
咄嗟に思うけれど、真後ろにはグリーン、横にはエイミが立っていて逃げられない。
「そうだよ。悪くないでしょ?」
エイミが自慢気に鼻をふくらませる。
「あ、あのやっぱり私帰るね」
「何言ってんの。夜はまだこれからっしょ?」
金髪頭が腕を伸ばして掴んできた。
「いや!」
無意識に振り払い、エイミの体を突き飛ばして走り出す。
「逃がすな!」
「くそっ」
後方から男たちが追いかけてくる足音がする。
錆びた階段を一気に駆け下りて暗い夜道を全力で走る。
やがて後ろから追いかけてくる音は聞こえなくなったけれど、走っても走ってもすぐ後ろにあいつらがいる気がして、家まで足を緩めることができなかったのだった。
☆☆☆
「お父さん! お母さん!」
勢いよく玄関を開けて叫ぶ。
「お父さん、お母さん聞いて!」
叫びながら家の中の電気をつけていく。
廊下、キッチン、リビング、寝室。だけど誰もどこにもいない。
ここまで走ってきたことで呼吸する度に肺が痛くて、今にも倒れてしまいそうだ。
「ねぇ、ふたりとも、いないの!?」
家の中はとても静かで人の気配が感じられない。ゴミばかりの中で、小さな虫が動く音だけが聞こえてくる。
一度冷静になって玄関へ戻り、厳重に鍵をかける。それからまた家の中を探してまわった。
トイレ、お風呂、二階の物置。でも、やっぱり誰もいない。
「なんでこんなときに誰もいないの!?」
誰かに話を聞いて欲しい。危険な目に遭ったんだから、助けて欲しい。
再びキッチンへ戻ってくるとテーブルに白い紙が広げて置かれていることに気がついた。その上には銀色の指輪が大小ひとつずつ置かれている。
「え?」
紙に書かれている文字に視線を走らせて思わず呟く。それは離婚届だったのだ。すでにふたりの名前が書かれて、ハンコも押されている。
「嘘でしょ!?」
離婚届を乱暴に握りしめた拳が小刻みに震えている。
元々私が無理やりくっつけたふたりだ。性格が合わないのは仕方のないことだった。
だけど、なにもこんなときにこんなものを置いて、ふたりともいなくなることないじゃん!
これから先の私はどうなるの?
お父さんに引き取られても、お母さんに引き取られても結局は孤独だ。今の親戚に知っている人はひとりもいないし、もしも施設に入ることになったら……!?
今まで両親と一緒に暮らしてきた私には、そこがそんな場所なのか検討もつかない。
少し落ち着いてきていた心拍がまた上がってくる。
私は泣き出してしまいそうになるのを必死で堪えてスマホを操作した。
まずはお母さんからだ。電話をかけると、案外すぐに出てくれた。
「お母さん!? 離婚って、どういうこと!?」
『真美、あんた今日は家に帰ってきたんだ』
それは鼻で笑うような声だった。
『そうよ。私とお父さんは離婚することになったの、あんたも今まで通り自由にすればいいから』
「待ってよ……なに無責任なこと言ってんの!?」
『はぁ? 今更なに言ってるの? ほとんど家に帰ってこなかったのはあんたでしょ。荷物はまた今度取りに行くから、またね』
「ちょっと!」
私が次の言葉を言うよりも先に電話は切られてしまっていた。私は信じられない気持ちでスマホを見つめる。こんな風に突き放されるなんて思ってもいなかった。
確かに私は自由にしていたけれど、でもだからってこんな扱いしなくてもいいのに!
やっぱりお母さんじゃダメだ。お父さんに連絡しなきゃ!
電話をかけると、こちらもすぐに繋がった。
『真美か、どうした?』
「お父さん離婚って嘘だよね? それに私今すごく怖いことがあったの。話を聞いてほしいの」
『急にしおらしい声を出してどうしたんだ? お前はなんでもお金で解決してきただろう?』
「変な男たちに襲われそうになって」
『それは大変だ。でも、それもお金で解決できるだろ?』
「でもっ!」
『お父さん今忙しいから、切るぞ』
「ちょっと待って! 離婚って本気で考えてるの!?」
『真美……』
ゴクリと唾を飲んで次の言葉を待つ。どうかふたりの気の迷いでありますように。
『そんなの、当然の結果だろう?』
お父さんは最後にそう言って、電話を切ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
緑色の友達
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。
こちらは小説家になろうにも投稿しております。
表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。
ホントのキモチ!
望月くらげ
児童書・童話
中学二年生の凜の学校には人気者の双子、樹と蒼がいる。
樹は女子に、蒼は男子に大人気。凜も樹に片思いをしていた。
けれど、大人しい凜は樹に挨拶すら自分からはできずにいた。
放課後の教室で一人きりでいる樹と出会った凜は勢いから告白してしまう。
樹からの返事は「俺も好きだった」というものだった。
けれど、凜が樹だと思って告白したのは、蒼だった……!
今さら間違いだったと言えず蒼と付き合うことになるが――。
ホントのキモチを伝えることができないふたり(さんにん?)の
ドキドキもだもだ学園ラブストーリー。
【完結】またたく星空の下
mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】
※こちらはweb版(改稿前)です※
※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※
◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇
主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。
クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。
そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。
シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。
9日間
柏木みのり
児童書・童話
サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。
大事なのは最後まで諦めないこと——and take a chance!
(also @ なろう)
トウシューズにはキャラメルひとつぶ
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。
小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。
あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。
隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。
莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。
バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる