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会いたい気持ち
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病院までの道のりはわからない。
それでもいても立ってもいられなくて大きな門から外へ飛び出した。
途端に広い道路が広がっていて足を止める。
住宅街だからそれほど交通量はないけれど、こうして1人で外へ出たのは初めてで行き交う人々に驚いてしまった。
大丈夫。
1度公園まで散歩したことがあるんだから、それを思い出して歩けばいいだけだ。
でもあのときは関さんが一緒だった。
その思いを左右に首をふってかき消す。
1人でだって大丈夫。
大きな病院だから建物の隙間から見えるはずだ。
見えたら後はこの方角へ向けて歩いていけばいいだけ。
くじけてしまいそうになる心を叱責して足を前へ進める。
横断歩道にさしかかったとき、沢山の車が行きかいそのタイヤが目の前と通り過ぎていく光景に冷や汗が出た。
信号をよく見て渡れば大丈夫だとわかっていても、小さなこの体に気が付かずに突っ込んでくる車だってあるかもしれない。
グルグルと拘束で回転しているあのタイヤに巻き込まれてしまえば一発で終わってしまうだろう。
私が助けたこの子も、きっとこんな恐怖を味わっていたに違いない。
それでも自分の親や兄弟がいる場所へ向かおうとしていたんだろう。
湧き上がってくる恐怖心を押し込めて青信号を渡り始める。
数人の通行人たちが尚美へ好奇心の目を向けてはそのまま通り過ぎていった。
人々の足音や話声がとても大きく聞こえてきて、それだけでメマイを起こしてしまいそうになる。
それに加えて排気ガスの匂いが鼻腔を刺激して、鼻がバカになってしまいそうだ。
それでも足を前へ動かす。
信号はまだ青だ。
大丈夫、余裕で間に合う。
もう少しで向こう側へたどり着くと思ったそのときだった。
突然小さな両手が尚美の体を抱き上げていた。
そのまま抱っこされて見上げてみると息を切らした裕太くんの顔が見えた。
「早くこっちに!」
通行人の男性の声が聞こえてきたかと思って視線をせわしなく移動させると信号が点滅に変わっている。
裕太くんは私の体を抱っこしたまま歩道へと走ったのだった。
☆☆☆
「急に飛び出しちゃダメでしょ!」
義理妹さんに怒られている裕太くんはキュッと唇を引き結んでうつむいていた。
尚美はそんな裕太くんの顔を見上げている。
あれからすぐに家に連れ戻された尚美と裕太くんは義理妹さんにこっぴどく怒られることになってしまった。
ただ、怒られているのは裕太くんの方だけだったけれど。
自分を追いかけてきたことでこれほど怒られているのに、決してミーコのせいにはしない。
その分申し訳なさがこみ上げてくる。
同時に、自分は裕太くんにとってもうすでになくてはならない存在になっているのかもしれないと感じ始めていた。
まだまだ短い時間しか一緒に暮らしていないけれど、怒られる覚悟で外へ追いかけてくるほどに。
尚美は裕太くんの足にすりよるとごめんねと告げるために「ミャア」と一言鳴いたのだった。
☆☆☆
その日の夜になってようやく健一の弟が帰ってきた。
手術は無事に終わったようで、家族全員が安堵のため息を吐き出した。
よかった。
無事に終わったんだ。
また、一緒に暮らすことができるんだ!
そう思うと頭がクラリとした。
考えてみれば今日は朝からなにも食べていないし、なにも飲んでいない。
心配で心配でそれどことではなかったのだ。
でも、安心した今一気にそのつけが回ってきてしまった。
メマイを覚えた尚美はそのまま横倒しに倒れて、「ミーコ!?」と駆け寄ってくる裕太くんを安心させる暇もなく、意識を手放してしまったのだった。
それでもいても立ってもいられなくて大きな門から外へ飛び出した。
途端に広い道路が広がっていて足を止める。
住宅街だからそれほど交通量はないけれど、こうして1人で外へ出たのは初めてで行き交う人々に驚いてしまった。
大丈夫。
1度公園まで散歩したことがあるんだから、それを思い出して歩けばいいだけだ。
でもあのときは関さんが一緒だった。
その思いを左右に首をふってかき消す。
1人でだって大丈夫。
大きな病院だから建物の隙間から見えるはずだ。
見えたら後はこの方角へ向けて歩いていけばいいだけ。
くじけてしまいそうになる心を叱責して足を前へ進める。
横断歩道にさしかかったとき、沢山の車が行きかいそのタイヤが目の前と通り過ぎていく光景に冷や汗が出た。
信号をよく見て渡れば大丈夫だとわかっていても、小さなこの体に気が付かずに突っ込んでくる車だってあるかもしれない。
グルグルと拘束で回転しているあのタイヤに巻き込まれてしまえば一発で終わってしまうだろう。
私が助けたこの子も、きっとこんな恐怖を味わっていたに違いない。
それでも自分の親や兄弟がいる場所へ向かおうとしていたんだろう。
湧き上がってくる恐怖心を押し込めて青信号を渡り始める。
数人の通行人たちが尚美へ好奇心の目を向けてはそのまま通り過ぎていった。
人々の足音や話声がとても大きく聞こえてきて、それだけでメマイを起こしてしまいそうになる。
それに加えて排気ガスの匂いが鼻腔を刺激して、鼻がバカになってしまいそうだ。
それでも足を前へ動かす。
信号はまだ青だ。
大丈夫、余裕で間に合う。
もう少しで向こう側へたどり着くと思ったそのときだった。
突然小さな両手が尚美の体を抱き上げていた。
そのまま抱っこされて見上げてみると息を切らした裕太くんの顔が見えた。
「早くこっちに!」
通行人の男性の声が聞こえてきたかと思って視線をせわしなく移動させると信号が点滅に変わっている。
裕太くんは私の体を抱っこしたまま歩道へと走ったのだった。
☆☆☆
「急に飛び出しちゃダメでしょ!」
義理妹さんに怒られている裕太くんはキュッと唇を引き結んでうつむいていた。
尚美はそんな裕太くんの顔を見上げている。
あれからすぐに家に連れ戻された尚美と裕太くんは義理妹さんにこっぴどく怒られることになってしまった。
ただ、怒られているのは裕太くんの方だけだったけれど。
自分を追いかけてきたことでこれほど怒られているのに、決してミーコのせいにはしない。
その分申し訳なさがこみ上げてくる。
同時に、自分は裕太くんにとってもうすでになくてはならない存在になっているのかもしれないと感じ始めていた。
まだまだ短い時間しか一緒に暮らしていないけれど、怒られる覚悟で外へ追いかけてくるほどに。
尚美は裕太くんの足にすりよるとごめんねと告げるために「ミャア」と一言鳴いたのだった。
☆☆☆
その日の夜になってようやく健一の弟が帰ってきた。
手術は無事に終わったようで、家族全員が安堵のため息を吐き出した。
よかった。
無事に終わったんだ。
また、一緒に暮らすことができるんだ!
そう思うと頭がクラリとした。
考えてみれば今日は朝からなにも食べていないし、なにも飲んでいない。
心配で心配でそれどことではなかったのだ。
でも、安心した今一気にそのつけが回ってきてしまった。
メマイを覚えた尚美はそのまま横倒しに倒れて、「ミーコ!?」と駆け寄ってくる裕太くんを安心させる暇もなく、意識を手放してしまったのだった。
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