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第三章
衝撃の告白【6】
しおりを挟む「てゆうか、俺の質問に答えてよ。誰に片想いしてるの? 俺じゃ、だめ? 俺、あなたのこと、本気で好きなんだ。好きすぎて、もうすぐ国外に行っちゃうよ、いなくなっちゃうよって嘘ついて、あなたの反応を見たいって思ったくらいで」
「ええぇーっ?」
——ドンっ!
「おわっ!」
「それっ、本当ですかっ?」
「ななっ、何っ?」
「今の! 嘘をついて、って部分です。その嘘の話、本当ですか? 嘘は本当っ?」
自分でもちょっと何を言ってるかわからないと思ったが、勢いのまま、乃亜はユージンに迫る。ここに他者がいれば、掃除用具入れのドアに相手を片手壁ドンで追い詰めた乃亜の鬼気迫る表情が見られたことだろう。
勢いがつきすぎて、大事に抱えていたはずのリナリアをもう片方の手で鷲掴みにしていたことに気づいたが、最早どうでもいい。
いや、花が可哀想だし、どうでもよくはないのだが、それどころではない、が正解。花弁をぶらぶらさせてユージンに触れさせるよりは鷲掴みが正解。
「どうなんですか? 海外に行かれる件、嘘だったんですかっ?」
「う……そうです。嘘つきました。すみません」
そして、最重要の正解を乃亜は得た。
「嘘? あれ、嘘?」
「ご、ごめんなさい。中国に撮影に行くのはほんとだけど、北京を拠点にアジア各国を巡るってのは大嘘です。もしかして、びっくりさせたなら……」
「良かったぁ」
「え?」
安堵のあまり、その場にくず折れそうになるのを何とか堪えると、自分より背の高いカメラマンの肩にぽすんっと頭を預ける形になった。
「それなら、会えますね。国内でなら、僕、いくらでも会いに行ける。というか、行きます! ああぁ、本当に良かったぁ」
「え? え? えーと、俺、実はもう出版社に掛け合って、関西支社メインで仕事もらえるよう話はつけてあるんですけど。それとは別に、嶋村さんが個人的に俺と会ってくれるってことですか? 俺の告白、オッケーってこと? え? 間違ってる?」
「いいえ、間違ってません」
相変わらずユージンの肩に額を乗せたまま、乃亜は低い笑いを零す。
自分もかなり鈍いが、金髪のカメラマンも相当なものではないか? と。
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