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誰かイケメン達を止めてくれませんか!!.41
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「あ、あのさ…、もしもの話だけど、もう一回とかって、してもいいかな?」
伊吹は恐る恐る尋ねた。
「え~、今したばっかりなのに~?」
みゆうは少し意地悪な表情で言った。
「でも伊吹の優しさに免じてもう一回だけね」
「え、本当に?」
伊吹はこどものようにはしゃいでしまった。
「もう、伊吹、喜びすぎ!」
「だ、だって、超気持ちよかったんだもん」
「ちょっと、わざわざそんなこと言わないでよ!恥ずかしくなっちゃうじゃん」
「ご、ゴメン。だって、ホントのことだから仕方ないじゃん。みゆうは痛かっただけかもしれないけど、僕は、そうだったの」
「もう、話はいいから、しよ」
みゆうの方から誘われ、伊吹はますます嬉しくなる。
一回だけという約束は簡単に破られ、伊吹が求めるままに、結局二人は数えきれないほど体を交わした。
疲れ果てて放心状態でベッドに横たわっているみゆうを、伊吹はかいがいしく世話した。
「もう、伊吹、いくらなんでもやりすぎ!」
みゆうは涙目で訴えた。
「ご、ごめん。何か、途中から、もう歯止めがきかなくなっちゃって。気がつきたらこんなことに…」
伊吹は謝るしかない。
ふらつくみゆうを抱きかかえ、バスルームにつれて行くと伊吹はみゆうの体を丁寧に洗ってあげた。
シャワーを終えたふたりは、ようやく落ち着いた時間をむかえていた。
「ありがとう、伊吹」
「い、いやあ、何て言ったらいいか。僕の方はきみのことが好きだから、こっちの方がありがとうって言いたいよ」
それにしても、今日こうして最後までいくことなど、伊吹は全く想像していなかった。
「ねえ、これからどうなるのかな?」
伊吹は最も気になる疑問を口にした。
「日記、見てみようか」
「うん、ちょっと待ってて」
みゆうはカバンの中から日記を取り出した。
テーブルの上に日記を置いて、鍵を開ける。
「何か変わってるかな?」
みゆうの気持ちは期待と不安が半分半分だ。
「早く、開けてみてよ」
伊吹とみゆうは結ばれたのだ。
きっと良い結果が待っているはずだ。
みゆうは鍵を開けると、ページをめくった。
めくるめくイケメン達との甘い出来事がつづられたページたち。
この数か月間の思い出が怒涛のように押し寄せてきて、みゆうの気持ちはかき乱された。
どれもこれもが夢の様だった。
魅力的なイケメン達はカッコよくて、優しくて、何よりいつもみゆうのことを幸せな気持ちにしてくれた。
そんな彼らとももうお別れだ。
ついに最後のページにたどり着いた。
特に変わったところは見つからない。
次のページをめくってみた。
しかし、そこにも何も書かれてはいない。
「何も変わってないよ。どうなっちゃうのかな?」
みゆうは不安げな表情で伊吹を見つめた。
「ちょ、ちょっと待って」
伊吹は日記を見つめて叫んだ。
みゆうも再び日記に視線を戻す。
今まではっきりと見えていた日記の文字が、徐々に薄くなりはじめている。
「え、これって!!」
「文字が消えていってる」
二人が見つめている間に、文字はどんどん薄くなり、最後には全て消えてしまった。
「全部きえちゃった」
「うん、そうだね」
「これで全部終わったんだ」
「そうだよ、もう彼らはやって来ない」
それを聞いたとたん、みゆうの瞳からは涙が溢れだした。
涙は後から後から溢れ出で、ついには嗚咽するほど泣いた。
伊吹はそんなみゆうの肩をずっと抱いていてくれた。
泣いて泣いて、泣き疲れて、みゆうはようやく泣き止んだ。
「あんなに大変な思いをしたのに、いざ会えなくなると思ったら、やっぱり悲しくなっちゃった」
みゆうは正直に告白した。
「そっか」
そんな身勝手なみゆうの言葉を伊吹はそのまま受け止めてくれた。
「ねえ、一つ質問していい?」
「うん?」
「今日のみゆうは何だか吹っ切れてるように見えたんだけど、何かあったの?」
伊吹は意外にちゃんとみゆうのことを観察しているようだ。
「吹っ切れたっていうか、ちゃんと現実的に考えてみたの。イケメン達に会えるのはもちろん嬉しいけど、いくら彼らに会っても未来はないんだって気がついたの。でも、正直めちゃくちゃ迷ったんだ。だって、これからの人生で二度とあんな有名人とあんなこと、できるチャンスなんてないんだもん。それなら、いっそ先のことなんて考えないで彼らと結ばれちゃおうかとも考えたよ」
「まあ、普通、会える人達じゃないからね」
「でもね、自分で書いた日記だけど、あの日記に書いてあることだけが信じられることだって気がついたんだ。つまり、彼らと結ばれるんじゃなくて、伊吹と結ばれる運命なんだろうなって」
「そ、それはそうなのかな、うん」
みゆうに見つめられて、伊吹は急にドギマギする。
「イケメン達が期限を設定したせいで、体の関係が先になっちゃったけど、きっと私は伊吹のことが好きになるんだろうなって」
「い、いやあ、そうなったら、そりゃあ僕は嬉しいけど」
伊吹は顔がにやけてしまうのがこらえきれずに困った。
「伊吹、こんな私ですがよろしくお願いします」
「こちらこそ」
みゆうと伊吹はどちらからともなくキスを交わした。
そして静かに日記を閉じた。
伊吹は恐る恐る尋ねた。
「え~、今したばっかりなのに~?」
みゆうは少し意地悪な表情で言った。
「でも伊吹の優しさに免じてもう一回だけね」
「え、本当に?」
伊吹はこどものようにはしゃいでしまった。
「もう、伊吹、喜びすぎ!」
「だ、だって、超気持ちよかったんだもん」
「ちょっと、わざわざそんなこと言わないでよ!恥ずかしくなっちゃうじゃん」
「ご、ゴメン。だって、ホントのことだから仕方ないじゃん。みゆうは痛かっただけかもしれないけど、僕は、そうだったの」
「もう、話はいいから、しよ」
みゆうの方から誘われ、伊吹はますます嬉しくなる。
一回だけという約束は簡単に破られ、伊吹が求めるままに、結局二人は数えきれないほど体を交わした。
疲れ果てて放心状態でベッドに横たわっているみゆうを、伊吹はかいがいしく世話した。
「もう、伊吹、いくらなんでもやりすぎ!」
みゆうは涙目で訴えた。
「ご、ごめん。何か、途中から、もう歯止めがきかなくなっちゃって。気がつきたらこんなことに…」
伊吹は謝るしかない。
ふらつくみゆうを抱きかかえ、バスルームにつれて行くと伊吹はみゆうの体を丁寧に洗ってあげた。
シャワーを終えたふたりは、ようやく落ち着いた時間をむかえていた。
「ありがとう、伊吹」
「い、いやあ、何て言ったらいいか。僕の方はきみのことが好きだから、こっちの方がありがとうって言いたいよ」
それにしても、今日こうして最後までいくことなど、伊吹は全く想像していなかった。
「ねえ、これからどうなるのかな?」
伊吹は最も気になる疑問を口にした。
「日記、見てみようか」
「うん、ちょっと待ってて」
みゆうはカバンの中から日記を取り出した。
テーブルの上に日記を置いて、鍵を開ける。
「何か変わってるかな?」
みゆうの気持ちは期待と不安が半分半分だ。
「早く、開けてみてよ」
伊吹とみゆうは結ばれたのだ。
きっと良い結果が待っているはずだ。
みゆうは鍵を開けると、ページをめくった。
めくるめくイケメン達との甘い出来事がつづられたページたち。
この数か月間の思い出が怒涛のように押し寄せてきて、みゆうの気持ちはかき乱された。
どれもこれもが夢の様だった。
魅力的なイケメン達はカッコよくて、優しくて、何よりいつもみゆうのことを幸せな気持ちにしてくれた。
そんな彼らとももうお別れだ。
ついに最後のページにたどり着いた。
特に変わったところは見つからない。
次のページをめくってみた。
しかし、そこにも何も書かれてはいない。
「何も変わってないよ。どうなっちゃうのかな?」
みゆうは不安げな表情で伊吹を見つめた。
「ちょ、ちょっと待って」
伊吹は日記を見つめて叫んだ。
みゆうも再び日記に視線を戻す。
今まではっきりと見えていた日記の文字が、徐々に薄くなりはじめている。
「え、これって!!」
「文字が消えていってる」
二人が見つめている間に、文字はどんどん薄くなり、最後には全て消えてしまった。
「全部きえちゃった」
「うん、そうだね」
「これで全部終わったんだ」
「そうだよ、もう彼らはやって来ない」
それを聞いたとたん、みゆうの瞳からは涙が溢れだした。
涙は後から後から溢れ出で、ついには嗚咽するほど泣いた。
伊吹はそんなみゆうの肩をずっと抱いていてくれた。
泣いて泣いて、泣き疲れて、みゆうはようやく泣き止んだ。
「あんなに大変な思いをしたのに、いざ会えなくなると思ったら、やっぱり悲しくなっちゃった」
みゆうは正直に告白した。
「そっか」
そんな身勝手なみゆうの言葉を伊吹はそのまま受け止めてくれた。
「ねえ、一つ質問していい?」
「うん?」
「今日のみゆうは何だか吹っ切れてるように見えたんだけど、何かあったの?」
伊吹は意外にちゃんとみゆうのことを観察しているようだ。
「吹っ切れたっていうか、ちゃんと現実的に考えてみたの。イケメン達に会えるのはもちろん嬉しいけど、いくら彼らに会っても未来はないんだって気がついたの。でも、正直めちゃくちゃ迷ったんだ。だって、これからの人生で二度とあんな有名人とあんなこと、できるチャンスなんてないんだもん。それなら、いっそ先のことなんて考えないで彼らと結ばれちゃおうかとも考えたよ」
「まあ、普通、会える人達じゃないからね」
「でもね、自分で書いた日記だけど、あの日記に書いてあることだけが信じられることだって気がついたんだ。つまり、彼らと結ばれるんじゃなくて、伊吹と結ばれる運命なんだろうなって」
「そ、それはそうなのかな、うん」
みゆうに見つめられて、伊吹は急にドギマギする。
「イケメン達が期限を設定したせいで、体の関係が先になっちゃったけど、きっと私は伊吹のことが好きになるんだろうなって」
「い、いやあ、そうなったら、そりゃあ僕は嬉しいけど」
伊吹は顔がにやけてしまうのがこらえきれずに困った。
「伊吹、こんな私ですがよろしくお願いします」
「こちらこそ」
みゆうと伊吹はどちらからともなくキスを交わした。
そして静かに日記を閉じた。
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