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誰かイケメン達を止めてくれませんか!!.40

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「今度は、伊吹がして」

 それはつまり、伊吹がみゆうの中に入るということだ。

「う、うん」

 初めての経験。

 しかも好きな女の子と。

 ここから先は、幸いイケメン達もまだしていない。

 それだけがせめてもの救いだ。

「じゃあ、しよう」

「うん」

 みゆうはそういうとベッドに横になった。

 伊吹は今度はみゆうの体に覆いかぶさった。

 上から見下ろすと、何だか征服したような気持ちになるものだ。

 みゆうが自分のものになった様な気持ちになる。

 伊吹は自然と、みゆうに口づけをしていた。

 さっきも口づけをしたけれど、自分からのそれはまた違った感覚をもたらした。

 それはやはり征服欲だ。

 口づけの合間に漏れ出すみゆうの吐息が色っぽい。

 みゆうの乳房に触れてみた。

 先端を撫でているうちに、そこはだんだん硬くなった。

 感じてくれてる?

 そう思うと、伊吹は嬉しくなった。

 先端を少しキュッとつまむと、「んんっ」と反応が返ってくる。

 可愛い、たまらなく。

 腰のくびれをそっと撫でると、体がビクッと震えた。

 やっぱり可愛い。

 そのまま下腹をなぞりながら、みゆうの大切な部分へと手を移動させた。

 挿入するには、そこをちゃんと濡らしてあげなければ、女性を傷つけてしまう。

 伊吹は口づけを解くと、みゆうの太ももを押し開いた。

「あっ、伊吹…」

 ここまで積極的だったみゆうも、さすがにその場所に触れられることには抵抗があるのだろう。

 しかし、決して拒むことはない。

 伊吹は、白くて柔らかな太ももに口づけ、そのままみゆうの秘部に移動した。

 初めて見るその場所に、伊吹の興奮はMAXだ。

 しかし、パニクるわけにはいかない。

 欲望の赴くままに、伊吹はその場所を愛撫した。

 親密な関係にならなければ決して目にすることはない、ましてやこうして触れることなど無い場所だ。

 そう思うと、より愛おしさが増してくる。

 伊吹は、それを自分にさらけ出してくれているみゆうが愛おしくて愛おしくてしょうがなかった。

 その分、その場所を愛撫することが幸せで仕方がなかった。

 舌で、唇で、舐めたり、吸ったり、みゆうの反応を確かめながら、みゆうが気持ちイイことをしてあげたかった。

 自分の動きはぎこちないし、決してうまくはないだろう。

 しかし、そこに込めている思いだけは本物で、それはきっとみゆうにも伝わると信じている。

 次第に、みゆうの甘い声があがる様になり、その間隔が短くなっていく。

 みゆう、気持ちイイ?

 それはみゆうに直接たしかめなくても、そこからあふれ出ているたっぷりの愛液を見れば一目瞭然だった。

 自分のテクニックではいかせるなんてことは出来ないだろう。

 だから、みゆうが十分に濡れたら、挿入しようと伊吹は考えていた。



「みゆう、そろそろしようか」

「うん…」

 みゆうが一度抜いてくれたおかげで、じっくりとみゆうのことを愛撫してあげることができた。

 きっと、みゆうはその辺のこともお見通しだったのだろう。

 すばやく避妊具をつけ、伊吹はすっかり元気を取り戻した自身の先端を、みゆうの濡れた場所にあてがった。

 少しずつ押し進める。

「あ、伊吹のおっきい」

 うっ、大きいとか、みゆうの口から聞けるなんて…。

 か、感激…。

 しかし、そんなことで喜んでいる場合ではないのだ。

 たった一度抜いただけで、初めて挿入するという大事件に冷静に対応できるはずなどない。
 
 高ぶったままの伊吹はみゆうの中に入っただけで、瞬殺されてしまいそうなのだから。

 みゆうの話では、藤堂光がすでに一度挿入をしたらしいが、奥まで侵入するまえに拒んだということだった。

 だから、みゆうも男性自身を全て受け入れるのは初めてなのだ。

 受け入れるのに抵抗があるだろうし、痛みもあるだろう。

 しかし、ここは乗り越えてもらわなければならない。

 そして、伊吹自身も多少なりとも結ばれたと言える形にして終わりたい。

 さらに奥へと押し進める。

 ん、キツイ…。

 強引に行くべきか?

 いや、ゆっくりだ。

 出し入れを繰り返せば、みゆうの体もほぐれるだろう。

 大きなものが体内に侵入してくる恐怖で、みゆうの体は緊張しているように見える。

 伊吹はみゆうに優しく口づけをした。

 さっきから何度も交わしている口づけは、最初はつたないものだったが、徐々に伊吹の舌使いも滑らかになり、自分の気持ちを伝えることができている気がする。

 だから、今度は優しく優しくなだめるような口づけをした。

 それで、みゆうの緊張が少しでも和らげばと思ったのだ。

 そんな伊吹の気持ちは確かに伝わった様で、口づけに応じるみゆうの様子も幾分か和らいだようだ。

 そうして丁寧に口づけと挿入を繰り返し、伊吹はついにみゆうの最奥まで押し入った。

「全部入ったよ。大丈夫?」

 伊吹は優しく労わるように声をかけた。

「うん、だいじょうぶ」

 みゆうは少し恥ずかしそうに答えた。

 いや、参るな~、そんな表情、反則だよ。

「じゃ、じゃあ、ゆっくり動くね」

 ゆっくりと言ったのは、もちろんみゆうのためだが、自分のためでもある。

 そんなに早く動いたら、あっという間に達してしまうのは分かっていたから。

 伊吹はみゆうの中で少しずつ自身を前後させた。

 うっ、キツイッ…。

 みゆうの内壁と伊吹のそれの間に隙間は存在しない。

 そのため、少し動くだけで伊吹に与えられる刺激は想像以上に強いものだった。

 うわっ、ヤバい…、メチャクチャ気持ちイイ。

 伊吹は動かない訳にはいかないが、動けば強すぎる刺激が与えられる。

 こ、これじゃあ、持ってあと3回…。

 いや、何を考えてるんだ。

 今日の目的は長くすることじゃないだろう!

「んっ、あっ…」

 みゆうの口から吐息まじりの声が漏れた。

 え、エロい…。

 あ、もうダメ…、いく…。

 伊吹はみゆうの中で達した。

「ご、ゴメン、もういっちゃった…」

「ううん、そんなことより、私たち結ばれたんだよ」

 みゆうは嬉しそうに言った。

「そうだ、そうだった。僕、みゆうと、その、エッチ出来てることが嬉しくて、肝心なこと忘れてた」

「伊吹、可愛い」

 みゆうはクスッと笑った。

「か、可愛いとか言うなよ…」

 初めての経験で、みゆうのことを気持ちよくさせるとか、そんなことはとても無理だったけど、男としてみゆうのことを精一杯大切にしたつもりだ。

 みゆうはどう思っているかわからないけれど、正直、伊吹の気持ちはまだ高ぶったままで、許されるならもう一度、いや倒れるまでしていたい。

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