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もう君を絶対に離さない.25
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しかし他の男がそうなら、きっと軽蔑しただろうに、野崎が自分の胸や体に興奮したことは、瑠璃子に喜びをもたらした。
結局人は自分勝手な生き物なのだ・・・。
そして自分はその中でもかなり自分勝手であることを再確認させられた。
野崎は瑠璃子に対していつも真摯に接してくれていたのに、それに対して自分がした行為は裏切りにも近いものだった。
本当に自分はどうしたかったのだろう。
あんなことをしてしまって、そして野崎が部を辞めて、次から次へと色んなことが起こりすぎて、頭が混乱してうまく考えられない。
だけど、このままでは自分はこのことを一生後悔しそうで・・・。
瑠璃子は野崎の家を再び訪れることを決めた。
もちろん追い返されることを覚悟で。
野崎が自分のスマホに位置情報を入力してくれたおかげで、迷うことなく家まで行ける。
瑠璃子は家にいるかどうかも分からない野崎に会うべく、電車に飛び乗った。
野崎のアパートに到着した瑠璃子は、その勢いのまま階段を駆け上がるとチャイムを押した。
しかし、野崎はまだ帰宅していない様で応答はない。
瑠璃子は部屋の前で待つかどうか迷った。
こんな行き当たりばったりの行動はしたことがない。
野崎が帰ってくるまでここで待つことは苦痛ではない。
だけど、彼女でもない瑠璃子が野崎の部屋の前に長い時間立っていて、もし同じアパートの人に見られたり、最悪なのは彼女と鉢合わせた時、野崎君に迷惑をかけてしまうことになりはしないかということが気になった。
他に方法があるだろうか・・・。
だが瑠璃子の心配は無駄に終わった。
瑠璃子が立っている場所から野崎らしき人物がアパートに向かって歩いて来るのが見えたからだ。
隠れた方がいいだろうか。
瑠璃子がいるのに気づいたら、野崎はどこかへ行ってしまうかもしれない。
瑠璃子はコンクリートでできた階段の壁の影に身をひそめた。
こんなずるい手を使ってまで無理に野崎に会うことで、さらに野崎は瑠璃子のことをいやな奴だと思うかもしれない。
だけど、瑠璃子はどうしても野崎に会いたかった。
階段を上ってくる足音が近づいてくる。
瑠璃子の体が緊張でこわばる。
ついに野崎が階段を上り切り、瑠璃子の存在に気づいた。
「笠原さん・・・」
「あの・・・、この間のことは本当にごめんなさい。あんなことしておいて図々しいことは分かってます。でも、最後に少しだけお話を聞いてもらえませんか」
瑠璃子は真剣な表情で野崎に頭をさげた。
野崎はこれまでに、瑠璃子のような激しく自己中心的な人間と親しくなったことはなかった。
だから、いくら瑠璃子が必死でに言葉を重ねても、野崎にはそれがどうしても嘘くさく感じられてしまう。
「少しだけなら・・・」
そう思っていても、どう断っていいのかが分からなくて、つい瑠璃子の申し出を受け入れてしまった。
「え、いいの?」
そう問われても、本当はどうすればいいのか分からない。
「せっかく来てもらって、立ち話っていうのもアレだから・・・」
野崎は最低限人として当たり前なことをしようと思った。
結局人は自分勝手な生き物なのだ・・・。
そして自分はその中でもかなり自分勝手であることを再確認させられた。
野崎は瑠璃子に対していつも真摯に接してくれていたのに、それに対して自分がした行為は裏切りにも近いものだった。
本当に自分はどうしたかったのだろう。
あんなことをしてしまって、そして野崎が部を辞めて、次から次へと色んなことが起こりすぎて、頭が混乱してうまく考えられない。
だけど、このままでは自分はこのことを一生後悔しそうで・・・。
瑠璃子は野崎の家を再び訪れることを決めた。
もちろん追い返されることを覚悟で。
野崎が自分のスマホに位置情報を入力してくれたおかげで、迷うことなく家まで行ける。
瑠璃子は家にいるかどうかも分からない野崎に会うべく、電車に飛び乗った。
野崎のアパートに到着した瑠璃子は、その勢いのまま階段を駆け上がるとチャイムを押した。
しかし、野崎はまだ帰宅していない様で応答はない。
瑠璃子は部屋の前で待つかどうか迷った。
こんな行き当たりばったりの行動はしたことがない。
野崎が帰ってくるまでここで待つことは苦痛ではない。
だけど、彼女でもない瑠璃子が野崎の部屋の前に長い時間立っていて、もし同じアパートの人に見られたり、最悪なのは彼女と鉢合わせた時、野崎君に迷惑をかけてしまうことになりはしないかということが気になった。
他に方法があるだろうか・・・。
だが瑠璃子の心配は無駄に終わった。
瑠璃子が立っている場所から野崎らしき人物がアパートに向かって歩いて来るのが見えたからだ。
隠れた方がいいだろうか。
瑠璃子がいるのに気づいたら、野崎はどこかへ行ってしまうかもしれない。
瑠璃子はコンクリートでできた階段の壁の影に身をひそめた。
こんなずるい手を使ってまで無理に野崎に会うことで、さらに野崎は瑠璃子のことをいやな奴だと思うかもしれない。
だけど、瑠璃子はどうしても野崎に会いたかった。
階段を上ってくる足音が近づいてくる。
瑠璃子の体が緊張でこわばる。
ついに野崎が階段を上り切り、瑠璃子の存在に気づいた。
「笠原さん・・・」
「あの・・・、この間のことは本当にごめんなさい。あんなことしておいて図々しいことは分かってます。でも、最後に少しだけお話を聞いてもらえませんか」
瑠璃子は真剣な表情で野崎に頭をさげた。
野崎はこれまでに、瑠璃子のような激しく自己中心的な人間と親しくなったことはなかった。
だから、いくら瑠璃子が必死でに言葉を重ねても、野崎にはそれがどうしても嘘くさく感じられてしまう。
「少しだけなら・・・」
そう思っていても、どう断っていいのかが分からなくて、つい瑠璃子の申し出を受け入れてしまった。
「え、いいの?」
そう問われても、本当はどうすればいいのか分からない。
「せっかく来てもらって、立ち話っていうのもアレだから・・・」
野崎は最低限人として当たり前なことをしようと思った。
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