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最終章 それが俺達の絆
第438話 明暗夜光のルクガイア・破②
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「おじいちゃん……。パパ……だいじょうぶだよね?」
「安心しろ、ミライ。お前さんのお父さんは強い」
王都から離れた宿場村で、ミライは祖父であるイトーに抱きかかえられながら、不安そうに父ゼロラの帰りを待っていた。
イトーはミライに優しく声をかけながら、その不安を和らげようとしている。
二人がいる宿場村に、王都の異変はまだ耳に届いていなかった。
それでも二人は、何か胸騒ぎを感じていた。
お互いにお互いを心配させまいと口にはしないが、夜風の肌寒さを感じながら、何か張り詰めた空気を感じていた。
――それはまるで、"ユメを失ったあの日"と同じような、喪失感が迫ってくる感覚――
――シュンッ!
「……見つけましたわ。"魔王の娘"」
「だ、誰だ!?」
部屋の中で身を寄せ合っていた二人の元に、突如一人の女が現れた。
当代勇者パーティーの一人、賢者リフィー。
その女は光のない瞳で、ミライへと目を向けた。
「ひいぃ!? こ、この人……レイキースといっしょにいた人……!?」
「賢者リフィーだったか……? 一体、ここへ何をしに来た!?」
怯えるミライを自身の背に隠し、イトーは腰に携えた刀に手を当てる。
目の前にいるリフィーの目的は分からない。
それでも、この女が"敵である"ことは、イトーにも瞬時に理解できた。
「邪魔をしないでほしいですわ。"魔王の娘"を守るなら、あなただって同罪ですよ?」
そんなイトーの姿にもリフィーは何の感情も起こさず、ただ与えられた命令を遂行しようとする。
レイキースの<ライトブレーウォ>によって完全に自我を失い、命令に従うだけの人形となったリフィー。
レイキースの命令を守るため、両手から電撃魔法をイトー目がけて放った。
「ぐがぁあ!? く、くそ!? 流石は"賢者"を名乗るだけのことはある! なんて魔法だ……!」
「お、おじいちゃん!?」
リフィーの電撃魔法に何とか耐えるイトーだったが、勝算の薄さを感じ取っていた。
イトーは剣技だけを見れば、ルクガイア王国内でも屈指の腕間の持ち主。
それでも魔法で遠距離から攻められては、近距離でしか戦えず、ましてや年齢のせいで体力が衰えたイトーでは、圧倒的に不利だった。
そんな祖父イトーの姿を心配し、孫のミライが前方へと出てきてしまう――
「これは好都合ですわね」
リフィーは丁度目の前に出てきたミライへ、右手をかざす――
ガシィイ!
「うわー!?」
「ミ、ミライ!?」
――そしてその右手から放たれた拘束魔法。
ミライも必死に逃げ出そうとするが、ラルフルから貰った帽子だけを残し、その体を魔法の檻の中へと閉じ込められてしまった。
「この"魔王の娘"さえいれば、わたくしの目的は達成ですわよ」
「ま、待ってくれ! ミライを返してくれ! どうせ捕まえるなら、俺を――」
「わたくしは『"魔王の娘"を捕まえろ』と言われただけですわ。あなたに用はありませんわ」
イトーの訴えは、リフィーの冷たい声によってあっさり跳ねのけられてしまう。
『"魔王の娘"――ミライを捕まえる』という目的を果たしたリフィーは、イトーには目もくれずに別の魔法を唱え始める――
「お、おじいちゃ-ん!!」
「た、頼む! その子を連れて行くことだけは――」
シュンッ――
なおも必死に呼びかけるイトーの声もむなしく、リフィーはミライを連れてテレポートで消えていった。
さっきまで二人一緒にいた部屋に残されたのは、イトーとミライの帽子だけだった――
「ミ、ミライ……。な、なんであの子が……。くそぉ……!」
イトーは残された帽子を抱えながら、ただ悔しさに体を震わせていた。
リフィーの目的の詳細までは分からない。
だがミライを"魔王の娘"と呼び、当代勇者に従っているその行動から、イトーは言いようのない不安に襲われていた。
それはミライの母でもある、娘のユメを失ったと知った時と同じ心境――
その喪失感に、イトーは再び襲われていた。
「だ……誰か……。ミライを助けてやってくれ……!」
誰もいなくなった室内で、イトーはその悲痛な思いを口にした。
急な事態に混乱し、何をしたらいいのか考える余裕さえ、イトーにはなくなっていた――
「祖父ヨ、嘆くナ。マダなんとかスル方法はアル」
「……え?」
――そんな時だった。
嘆き悲しむイトーに対して、誰かが声をかけてきた。
どこかノイズの入ったような声だが、その声はイトーの身を案じていた。
そして、声はイトーが抱えている帽子の中から発せられていた――
「運がイイ。あの"ワタシ"がズット身に着けてイタおかげデ、ワタシもコウシテ具現化できる」
「お、お前さんは……まさか……?」
イトーの手から帽子が浮かび上がり、そこから新たな人影が現れる。
ミライがラルフルにもらって以降、ずっと身に着けていたためか、ミライの力の一部が染みついた帽子――
それを媒体にして現れたのは、ミライと同じ形をした、白髪の少女だった――
「ワタシも"ミライの一人"ダ。説明デキル能力ではナイが、今はワタシを信じてホシイ。我が祖父ヨ」
「安心しろ、ミライ。お前さんのお父さんは強い」
王都から離れた宿場村で、ミライは祖父であるイトーに抱きかかえられながら、不安そうに父ゼロラの帰りを待っていた。
イトーはミライに優しく声をかけながら、その不安を和らげようとしている。
二人がいる宿場村に、王都の異変はまだ耳に届いていなかった。
それでも二人は、何か胸騒ぎを感じていた。
お互いにお互いを心配させまいと口にはしないが、夜風の肌寒さを感じながら、何か張り詰めた空気を感じていた。
――それはまるで、"ユメを失ったあの日"と同じような、喪失感が迫ってくる感覚――
――シュンッ!
「……見つけましたわ。"魔王の娘"」
「だ、誰だ!?」
部屋の中で身を寄せ合っていた二人の元に、突如一人の女が現れた。
当代勇者パーティーの一人、賢者リフィー。
その女は光のない瞳で、ミライへと目を向けた。
「ひいぃ!? こ、この人……レイキースといっしょにいた人……!?」
「賢者リフィーだったか……? 一体、ここへ何をしに来た!?」
怯えるミライを自身の背に隠し、イトーは腰に携えた刀に手を当てる。
目の前にいるリフィーの目的は分からない。
それでも、この女が"敵である"ことは、イトーにも瞬時に理解できた。
「邪魔をしないでほしいですわ。"魔王の娘"を守るなら、あなただって同罪ですよ?」
そんなイトーの姿にもリフィーは何の感情も起こさず、ただ与えられた命令を遂行しようとする。
レイキースの<ライトブレーウォ>によって完全に自我を失い、命令に従うだけの人形となったリフィー。
レイキースの命令を守るため、両手から電撃魔法をイトー目がけて放った。
「ぐがぁあ!? く、くそ!? 流石は"賢者"を名乗るだけのことはある! なんて魔法だ……!」
「お、おじいちゃん!?」
リフィーの電撃魔法に何とか耐えるイトーだったが、勝算の薄さを感じ取っていた。
イトーは剣技だけを見れば、ルクガイア王国内でも屈指の腕間の持ち主。
それでも魔法で遠距離から攻められては、近距離でしか戦えず、ましてや年齢のせいで体力が衰えたイトーでは、圧倒的に不利だった。
そんな祖父イトーの姿を心配し、孫のミライが前方へと出てきてしまう――
「これは好都合ですわね」
リフィーは丁度目の前に出てきたミライへ、右手をかざす――
ガシィイ!
「うわー!?」
「ミ、ミライ!?」
――そしてその右手から放たれた拘束魔法。
ミライも必死に逃げ出そうとするが、ラルフルから貰った帽子だけを残し、その体を魔法の檻の中へと閉じ込められてしまった。
「この"魔王の娘"さえいれば、わたくしの目的は達成ですわよ」
「ま、待ってくれ! ミライを返してくれ! どうせ捕まえるなら、俺を――」
「わたくしは『"魔王の娘"を捕まえろ』と言われただけですわ。あなたに用はありませんわ」
イトーの訴えは、リフィーの冷たい声によってあっさり跳ねのけられてしまう。
『"魔王の娘"――ミライを捕まえる』という目的を果たしたリフィーは、イトーには目もくれずに別の魔法を唱え始める――
「お、おじいちゃ-ん!!」
「た、頼む! その子を連れて行くことだけは――」
シュンッ――
なおも必死に呼びかけるイトーの声もむなしく、リフィーはミライを連れてテレポートで消えていった。
さっきまで二人一緒にいた部屋に残されたのは、イトーとミライの帽子だけだった――
「ミ、ミライ……。な、なんであの子が……。くそぉ……!」
イトーは残された帽子を抱えながら、ただ悔しさに体を震わせていた。
リフィーの目的の詳細までは分からない。
だがミライを"魔王の娘"と呼び、当代勇者に従っているその行動から、イトーは言いようのない不安に襲われていた。
それはミライの母でもある、娘のユメを失ったと知った時と同じ心境――
その喪失感に、イトーは再び襲われていた。
「だ……誰か……。ミライを助けてやってくれ……!」
誰もいなくなった室内で、イトーはその悲痛な思いを口にした。
急な事態に混乱し、何をしたらいいのか考える余裕さえ、イトーにはなくなっていた――
「祖父ヨ、嘆くナ。マダなんとかスル方法はアル」
「……え?」
――そんな時だった。
嘆き悲しむイトーに対して、誰かが声をかけてきた。
どこかノイズの入ったような声だが、その声はイトーの身を案じていた。
そして、声はイトーが抱えている帽子の中から発せられていた――
「運がイイ。あの"ワタシ"がズット身に着けてイタおかげデ、ワタシもコウシテ具現化できる」
「お、お前さんは……まさか……?」
イトーの手から帽子が浮かび上がり、そこから新たな人影が現れる。
ミライがラルフルにもらって以降、ずっと身に着けていたためか、ミライの力の一部が染みついた帽子――
それを媒体にして現れたのは、ミライと同じ形をした、白髪の少女だった――
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