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第24章 常なる陰が夢見た未来
第351話 あとひとかけら
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「――ロラさん! ゼロラさんってば!」
「――ん? あ、ああ……マカロンか。どうしたんだ?」
「『どうしたんだ』じゃありませんよ! 一人でボーッとしちゃって!」
俺が<ナイトメアハザード>と写真を元に記憶をたどっていると、マカロンの声が聞こえてきた。
どうやら俺は一人、過去の記憶の世界に没頭していたようだ。
「ゼロラ殿。もしかして、何か思い出してきたのかい?」
「ああ……。あと少しで全て思い出せそうだ……」
リョウが言う通り、俺の記憶はだいぶ戻ってきている。
さっきまで俺が見た"魔王城での記憶"――
【伝説の魔王】ジョウイン。【慈愛の勇者】ユメ。
そして、その娘――ミライ。
本当にあと一歩――もうひとかけらの切っ掛けがあれば、俺は全てを思い出せる。
「皆、急に立ち止まらせてすまない。先へ進もう」
「大丈夫ですか……ゼロラさん? なんだか顔色が優れないような――」
「安心してくれ。とにかく俺は先へ行きたい」
ラルフルも俺のことを心配してくれるが、今は先に進んで早く会いたい。
この先にいる、<ナイトメアハザード>の元凶となった少女に――
「ジフウ。案内を頼む」
「ああ、分かった。この先にあるのは、かつての魔王軍四天王が鎮座していた部屋と、その奥にある玉座の間だけだ」
俺達五人は【伝説の魔王】達三人の家族が過ごした部屋を後にし、玉座の間へと向かった――
■
「ここがそれぞれの魔王軍四天王が鎮座していた部屋だが――流石に誰もいないか」
俺達はジフウの案内で魔王軍四天王がいた部屋までやってきた。
一部屋目、二部屋目、三部屋目――
四天王がいるに相応しい豪華なランプなどがあったが、当然の如く灯りなど灯されていない。
荒れ果てた部屋には、ただただ<ナイトメアハザード>が溢れているだけ――
「ここが四部屋目……。懐かしいな。ここには俺とバルカウスとジャコウでも倒せなかった男がいたんだ」
「そ、そんな人がいるんですか? 一体誰ですか?」
「魔王軍四天王、最後の一人。二つ名を【欲望の劫火】。名を――ダンジェロ」
四部屋目にたどり着くと、ジフウとラルフルが話を始めた。
かつてこの部屋の主だった者について話している。
この部屋も他の三部屋と同じように荒れ果てている。
「でも……魔王軍四天王って、確か【伝説の魔王】と直接、"魔力の契約"を交わしていて、【伝説の魔王】が死んだ今は一緒に亡くなったんですよね……」
「伝承にはそう記されているね。おそらく事実だろう。もし魔王軍四天王がまだ生きているのなら、何かしらの行動を起こしていないとおかしい」
マカロンとリョウも魔王軍四天王について話しているようだ。
二人が言うように、【伝説の魔王】の死と共に、魔王軍四天王もすでにこの世にはいないと思うだろう。
――だがおそらく、"一人だけ"残っているはずだ。
「え? ゼロラさん? 一人だけ前に出ると、危ない――」
ラルフルの制止も聞かず、俺は部屋の中央へと一人で向かう。
おそらく、"あいつ"はここにいる。
これまでの俺の行動を、見守るようで嘲笑ってきた男――
"あいつ"なら、俺がここにやって来たことに気付き、待ち構えているはずだ――
「出て来ぉい!! "紅の賢者"ぁ!!」
俺は"あいつ"が現在名乗っている名を呼んだ。
ブォオオウン!! ボォオオ! ボォオオ!
「な、なんだ!? 爆風か!? <ナイトメアハザード>が払われていく!?」
「そ、それだけじゃないよ! この部屋中に、炎の壁が!?」
俺の後ろでジフウとリョウが突如部屋の中で起こった事態に声を上げる。
立ち込める<ナイトメアハザード>さえも、払いのける爆風――
他の皆も含め、炎の壁によって俺一人が部屋の中央に取り残された。
「ハッハッハッ……! 待っていたよ、【零の修羅】ゼロラ殿……!」
そいつは笑い声を上げながら、俺の目の前へと現れた。
赤いローブで全身を覆い隠した男――"紅の賢者"。
「やっぱり……お前は生きてたんだな」
「驚愕驚愕! 賞賛賞賛! よもや本当に小生の手を借りず、ここまでたどり着くとは……な!」
「お世辞は結構だ。お前が"本当は誰"なのかはもう分かってる。いい加減、顔ぐらい見せろ」
この"紅の賢者"と名乗る男は、俺を称えながらも俺の願いに応じたのか、被っていたフードに手をかける――
「よかろう。この場には卿以外にも、小生を知る者が二人はいるのでな。数年ぶりの再会と行こうではない……か!」
――そしてそのフードを脱いだ。
「な……!? ば、馬鹿な!? あ、あいつは確か――」
「そ、そんな!? あの人だって、生きてるはずがないのに――」
ジフウとマカロンはこの男を知っている。
ジフウはかつての魔王城での戦いで――
マカロンは幼い頃に【伝説の魔王】に願うために――
目元に施された赤い隈。姿かたちは人間と同じだが、人間とは異なる異様さを放つ男。
そうだ。目の前にいる男は、"紅の賢者"なんて大層な名前を持った奴じゃない――
「小生の名は――ダンジェロ! 今は"紅の賢者"と名乗っているが、かつて【伝説の魔王】ジョウイン公が率いる魔王軍において四天王の座に就き、"四天王最強"という評価と共に、【欲望の劫火】の二つ名を与えられし者……だ!!」
「――ん? あ、ああ……マカロンか。どうしたんだ?」
「『どうしたんだ』じゃありませんよ! 一人でボーッとしちゃって!」
俺が<ナイトメアハザード>と写真を元に記憶をたどっていると、マカロンの声が聞こえてきた。
どうやら俺は一人、過去の記憶の世界に没頭していたようだ。
「ゼロラ殿。もしかして、何か思い出してきたのかい?」
「ああ……。あと少しで全て思い出せそうだ……」
リョウが言う通り、俺の記憶はだいぶ戻ってきている。
さっきまで俺が見た"魔王城での記憶"――
【伝説の魔王】ジョウイン。【慈愛の勇者】ユメ。
そして、その娘――ミライ。
本当にあと一歩――もうひとかけらの切っ掛けがあれば、俺は全てを思い出せる。
「皆、急に立ち止まらせてすまない。先へ進もう」
「大丈夫ですか……ゼロラさん? なんだか顔色が優れないような――」
「安心してくれ。とにかく俺は先へ行きたい」
ラルフルも俺のことを心配してくれるが、今は先に進んで早く会いたい。
この先にいる、<ナイトメアハザード>の元凶となった少女に――
「ジフウ。案内を頼む」
「ああ、分かった。この先にあるのは、かつての魔王軍四天王が鎮座していた部屋と、その奥にある玉座の間だけだ」
俺達五人は【伝説の魔王】達三人の家族が過ごした部屋を後にし、玉座の間へと向かった――
■
「ここがそれぞれの魔王軍四天王が鎮座していた部屋だが――流石に誰もいないか」
俺達はジフウの案内で魔王軍四天王がいた部屋までやってきた。
一部屋目、二部屋目、三部屋目――
四天王がいるに相応しい豪華なランプなどがあったが、当然の如く灯りなど灯されていない。
荒れ果てた部屋には、ただただ<ナイトメアハザード>が溢れているだけ――
「ここが四部屋目……。懐かしいな。ここには俺とバルカウスとジャコウでも倒せなかった男がいたんだ」
「そ、そんな人がいるんですか? 一体誰ですか?」
「魔王軍四天王、最後の一人。二つ名を【欲望の劫火】。名を――ダンジェロ」
四部屋目にたどり着くと、ジフウとラルフルが話を始めた。
かつてこの部屋の主だった者について話している。
この部屋も他の三部屋と同じように荒れ果てている。
「でも……魔王軍四天王って、確か【伝説の魔王】と直接、"魔力の契約"を交わしていて、【伝説の魔王】が死んだ今は一緒に亡くなったんですよね……」
「伝承にはそう記されているね。おそらく事実だろう。もし魔王軍四天王がまだ生きているのなら、何かしらの行動を起こしていないとおかしい」
マカロンとリョウも魔王軍四天王について話しているようだ。
二人が言うように、【伝説の魔王】の死と共に、魔王軍四天王もすでにこの世にはいないと思うだろう。
――だがおそらく、"一人だけ"残っているはずだ。
「え? ゼロラさん? 一人だけ前に出ると、危ない――」
ラルフルの制止も聞かず、俺は部屋の中央へと一人で向かう。
おそらく、"あいつ"はここにいる。
これまでの俺の行動を、見守るようで嘲笑ってきた男――
"あいつ"なら、俺がここにやって来たことに気付き、待ち構えているはずだ――
「出て来ぉい!! "紅の賢者"ぁ!!」
俺は"あいつ"が現在名乗っている名を呼んだ。
ブォオオウン!! ボォオオ! ボォオオ!
「な、なんだ!? 爆風か!? <ナイトメアハザード>が払われていく!?」
「そ、それだけじゃないよ! この部屋中に、炎の壁が!?」
俺の後ろでジフウとリョウが突如部屋の中で起こった事態に声を上げる。
立ち込める<ナイトメアハザード>さえも、払いのける爆風――
他の皆も含め、炎の壁によって俺一人が部屋の中央に取り残された。
「ハッハッハッ……! 待っていたよ、【零の修羅】ゼロラ殿……!」
そいつは笑い声を上げながら、俺の目の前へと現れた。
赤いローブで全身を覆い隠した男――"紅の賢者"。
「やっぱり……お前は生きてたんだな」
「驚愕驚愕! 賞賛賞賛! よもや本当に小生の手を借りず、ここまでたどり着くとは……な!」
「お世辞は結構だ。お前が"本当は誰"なのかはもう分かってる。いい加減、顔ぐらい見せろ」
この"紅の賢者"と名乗る男は、俺を称えながらも俺の願いに応じたのか、被っていたフードに手をかける――
「よかろう。この場には卿以外にも、小生を知る者が二人はいるのでな。数年ぶりの再会と行こうではない……か!」
――そしてそのフードを脱いだ。
「な……!? ば、馬鹿な!? あ、あいつは確か――」
「そ、そんな!? あの人だって、生きてるはずがないのに――」
ジフウとマカロンはこの男を知っている。
ジフウはかつての魔王城での戦いで――
マカロンは幼い頃に【伝説の魔王】に願うために――
目元に施された赤い隈。姿かたちは人間と同じだが、人間とは異なる異様さを放つ男。
そうだ。目の前にいる男は、"紅の賢者"なんて大層な名前を持った奴じゃない――
「小生の名は――ダンジェロ! 今は"紅の賢者"と名乗っているが、かつて【伝説の魔王】ジョウイン公が率いる魔王軍において四天王の座に就き、"四天王最強"という評価と共に、【欲望の劫火】の二つ名を与えられし者……だ!!」
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