記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

文字の大きさ
312 / 476
第22章 改革の歌

第312話 改革二重奏王都開戦②

しおりを挟む
 俺はひたすら王国騎士団をなぎ倒し、総大将のジャコウの元へと進んで行った。

「く、来るな! 貴様ら! 早く止めるのじゃ!」

 ジャコウは向かってくる俺へ王国騎士団を送り込むが、十分に俺一人で処理できる範囲だ。



 ――ジャコウが俺とジフウを分断するために用意した障壁魔法で、王国騎士団の戦力まで分断されちまったからな。



「お前に俺達は倒せねえよ……ジャコウ!」

 ある程度周囲を蹴散らし終えた俺は、ジャコウめがけて一気に距離を詰める!

「し、仕方あるまい! 不安は残るが……もう一度"アレ"を使ってくれる!」

 そんな俺を見て、ジャコウは一本の瓶を取り出した。
 中に入っているのはドス黒い何か――

 まさか……あれは――



「くたばれ、ゼロラ! <ナイトメアハザード>!!」

 やはりジャコウが用意していたのは<ナイトメアハザード>か!
 ジャコウが俺目がけて瓶を投げつけ、周囲を闇に覆われる……!

「ヒヒヒ! これをまともに食らった以上! 貴様といえどもお終いじゃ!」

 ジャコウの笑い声がする中、俺の視界が闇に包まれる。
 これはマズイ……。
 マカロンの光魔法もない中、この闇に飲みこまれたら――





「ヒヒャヒャヒャ! これでわしの勝ちじゃぁあ!!」





 ――ボウゥン!!

「ジャコォォオウ!!」
「ば、馬鹿な!? <ナイトメアハザード>を抜けてきたじゃと!?」

 俺自身にも理解できなかった。
 ジャコウが放った<ナイトメアハザード>を突き破り、俺はそのままジャコウへと突き進むことができた。



 ――詳しい理由は分からないが、ここまで来たらできることは一つだけだ!

「オオオォ!!」
「ひ、ひぃ!? く、来るな!? 来るでない!!」

 完全に怖気づいたジャコウめがけて、俺は右手を全力で握りしめ――


 バギャァアン!!


 ――勢いよく殴り飛ばした!

「ジャゴバァア!? な、なぜじゃ……!? なぜ貴様には<ナイトメアハザード>が――」
「そんなことはどうでもいいだろ。どの道てめぇの負けだ。このフナ虫野郎が」

 <ナイトメアハザード>を突き破って突進してきた俺に驚くジャコウ。
 そんなジャコウに、遠回りをして駆け付けたジフウが言い放った。

「ジ、ジフウ……! き、貴様ら、よくも――よくもわしらの権威の邪魔を――」
「うるせえ。てめぇはもう終わりだ。……さっさと寝てろ!!」


 ボゴォオン!!


 見苦しく言いがかろうととするジャコウの腹をジフウが殴りつけた。
 その一撃でジャコウは完全に気を失ったようだ。

「ゼロラ。まさか、お前が<ナイトメアハザード>を突破するとはな……」
「俺にもよく分からねえ。ともかく、これで終わったんだな……」

 俺に<ナイトメアハザード>が効かなかった理由は分からない。
 だが今この瞬間に一つだけ分かること――
 それはこの戦いが終わったということだ。

 これでこの国の勢力図は大きく変わる。
 今はただ、ルクガイア王国の新たな夜明けを喜ぼうと思った――


























「ああ、そうだな。これで"邪魔者"はいなくなった……!」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

処理中です...